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手の中にある幸せ

 ふと、思い出したのです。家の近所に、働きたいお店があったことを! 完全に忘れてた!


 以前に無職だった時、そろそろ仕事を見つけねばと思っていた頃、そのお店は建設中でした。

 何ができるんだろう?と思って見ていたら、飲食店だった。オープニングスタッフを募集するようになったら応募してみよう。家から近いし、お料理を運ぶ仕事をしていたから大丈夫だろう。そう考えていた矢先に「うちに仕事に来てくれない?」と声をかけられて、市役所の相談員になった。


 相談員を辞めてから引きこもり生活に入り、そろそろ働こうと思ってハロワに行って、仕事を探していた。ところが通勤距離や時間帯が思うようにならず、「私、もうダメ……」と落ち込んでいた。

 するとヒョッコリ思い出したのです。家の近くの飲食店のことを。逆にどうして今まで忘れていたんだろう?


 彼の車でお店の前を通ったときに、デカデカと「アルバイト募集!」そう書いてあった。詳細な時間はわからないから、見に行かねば。家の近くなので歩いて見に行けばいいのですけれど、なんせ引きこもりなので外へ出るまでのハードルが高いのです。誰かが引っ張り出してくれないかぎり、家から出る勇気がない。まあ、いいや。後で見に行こう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 「今度はどんなお話を書こう?」ずっと考えていました。異世界のお話は完結したので、次のお話を書きたい。いろいろな賞に応募して、ゆくゆくは作家でご飯が食べていけたらOKなので、ジャンルは問いません。そう思っていたら、どこからか声が聞こえてきた。


「書いて~! お話の続きを書いて~! 私、元の世界に帰ってないんです~!」


この間まで書いていた異世界の主人公、マユの声です。


マユ:このままだと王か王子に唇を奪われます! そんなのイヤです!

ソウ:どう転んでも玉の輿じゃん? 異世界で王妃か皇太子妃になったらええやん?

マユ:イヤです! 元の世界で作家になって、自分の力で生きていきたいです!


ふ~ん。そうなの? 私だったら喜んで玉の輿に乗るけど。でもマユは乗りたくないらしい。だから私にお話の続きを書けと言っている。異世界のPVのデータは取れたし、賞にも応募したから、もう書く必要はないんだけど……。


マユ:そういう問題じゃないです! ちゃんと私を元の世界へ戻して!!


わかった~。じゃあ、お話の続きを書くよ~。でも元の世界に戻れるか、それは私にもわからないよ?というワケで、そのうちお話の続きをアップします。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 お話は変わって、ツイッターの話題です。


 もともと本の宣伝をする予定でツイッターを始めました。色々なツイ友さんと出会ううちに、手広く宣伝するのはムリと判断しました。大事なツイ友さんと誠実に向き合うのに、これ以上ツイ友さんが増えたら対応できなくなる。一人ひとりを大事にしたいから、広く宣伝するのはあきらめました。

 大事にすると言っても「いいね」を付けるくらいです。それでも結構な時間がかかるし、たまに素晴らしい出会いもある。一度も会ったことのない方が、私の力になってくれる。私もツイ友さんを思って、お役に立てればとツイートする。そういうコトをたくさんの方にするのは、ムリ。こじんまりと活動しよう。


 それで思いついたんですけれど、このエッセイの読者さまって、もしかして関係者ばっかじゃないですか??


 大事なツイ友さんが、なろうを読んでくれているらしい。そしてなろうで出会ったなろう仲間も、このエッセイを読んでくれている。もしかして私の愛する読者さまって、全員、私が知っている方ばかりじゃなかろうか?? もし「違うよ! 知り合いじゃないよ!」という方がいらしたら、なろうかツイッターでお知らせください。フォローするなり登録して、私の関係者に引きずり込みます。ww


 そんな中、気になる方がいました。仮にお名前を「マルサン」(男性・50代)とします。

 マルサンとどういう経緯でツイ友になったのか、記憶にありません。おそらく私のツイ友さんのツイ友だったのではないでしょうか。気づけばフォローされていたので、私も彼をフォローした。


 たいていのツイ友さんは、職業や住所地を明らかにしていません。顔も年齢も知りません。つぶやく言葉の端々から「この方は、寒い場所に住んでるだろう」とか「この方は、学生さんかも」そう勝手に推測しています。


 そんな中、マルサンは異色の男性でした。顔も年齢(50代)も仕事も職場もクルマも家族構成もフルオープン! 本業の仕事の合間に、ボランティアで除雪作業もするらしい。「こんなに個人情報を出して大丈夫なのか?」そう心配になるほどでした。しかも彼は、大きな会社の跡継ぎ息子らしい。東京の一等地に本社がある大企業の跡取り息子。誘拐とかされたら危ないんじゃなかろうか? そうでなくてもバツイチ独身なので、女性たちが狙っている感じがハンパない。色々と大変だろうな~! 勝手に心配していました。


 マルサンはお料理が得意らしく、いつも美味しそうな料理をアップしていました。豪華なお皿に、手の込んだ季節の料理が所せましと並べられています。本格的な中華料理、芸術品のようなちらし寿司……。その反面、庶民の家庭料理もお得意らしい。お皿に山と盛られたウインナー、ツヤツヤと光るスクランブルエッグ、コトコト煮込んだシチュー……。普段の食事から晴れの日のお祝い御前まで、毎日いろいろなお料理が並んでいます。仕事だけでも大変だろうに、お料理まで作るとは! 美味しそうなお料理を見るたびに、私は感嘆の声をあげていました。


でも…………。なにか違和感を感じる。私はモヤモヤしていました。

自分の就職活動に行き詰まりを感じたある夜、私はマルサンのツイートをまとめて読むことにしました。完全な現実逃避です。自分のことを考えると凹むから、他の人に焦点を当てた。私、現実から逃げた。


いつもは他のツイ友さんに混じって流れてくるツイートを、深く考えずに「いいね」していた。その夜はマルサンのページへ飛んで、マルサンのツイートだけをさかのぼって読んでみた。


おかしい……。まとめて読むと、矛盾が多すぎる。


〇マルサンの主張する概要です。

・とある大企業の長男に生まれた。母が会長で、自分は社長。企業の東京本社は、東京の一等地にある自社ビル。

・バツイチ独身。

・北海道にも本社ビルがあり、今はそちらを拠点に生活している。北海道のあちこちへ行って、会議が多い。リモートの日もある。

・東京へ出張したら、部下が7人も張り付いて大変だった。

・東京出張時は〇〇ホテルや〇〇ホテル(どちらも高級ホテル)に滞在した。

・仕事の合間に、除雪車で除雪作業をしている。こちらは仕事でなく、ボランティア。夜勤もある。

・世田谷の自宅に愛車(BMW)がある。広尾のマンションにも愛車(BMW)がある。

・手作りのお料理や、たまにお菓子。どれもプロ級! おいしそう!


私が一番に目を付けたのは「お料理が置いてあるテーブル」です。料理や皿は変わるけど、テーブルが変わるって、そうそうナイと思ったから。写真をズラズラズラ~っと見ていると、基本は茶色の木のテーブルだけど、たまに黒い木だったり、大理石だったりする。テーブルを見ていて気になったのが、ランチョンマット。ランチョンマットを使う方は、いつも使う。使わない方は、使わない。ところが写真を見ていると、ランチョンマットがあったり無かったりする。お金持ちならランチョンマットの柄が違うのはわかるけど、使ったり使わなかったりって、なんかヘン。

 

なんか、ヘンじゃね?


そう思って見ていると、ヘンな矛盾がいっぱい出てきた。

東京生まれで本宅が東京にあるのに、マンションまであるのってヘンじゃね? 本宅とマンションがあるのに、何でホテルに滞在する? いくらエライ人でも、7人も随行する? ジャマでしょ?

なんで北海道にずっといるの? 一族経営で東京がホームなのに、ずうっと北海道ってヘンじゃね?

ホテルの写真、どう見てもネットから引っ張ってきた外観の画像。部屋の写真は? ふだん料理の写真アップするなら、出張中の料理もアップしない? なんでないの? 安い駅弁の写真があっただけで、ホテルの食事は皆無。


一番ヘンなのは「ボランティアで除雪作業」。除雪車に乗ってるっていうことは、完全に仕事じゃん。百歩譲ってボランティアとしても、大企業の御曹司がやるボランティアにしては事故のリスクが高いし、一晩中事務所で待機ってオカシすぎるやろ?? ってか、そんな大事な仕事をボランティアに任す? 人の命がかかってる仕事なのに??


おかしい……。


そう思っていた翌日に、知らない女性のツイートが流れてきました。


「マルサンのツイートは嘘です! 私、マルサンに騙されていました!」


彼が撮影したと言っていたホテルの画像が、ネットでアップされている第三者の画像だったらしい。そうか……。やはり嘘だったか……。


個人的な観点から言うと、この間「大ウソつき!」というエッセイを書いたばかりなのでさもありなん……です。私、数年に一度くらい大ウソつきに出会うので、今回はマルサンが大ウソつきだったらしい。でも私も大人になったので、相手との距離は十分にとってあります。騙されていたとしても被害は私が押した「いいね」くらいだし、こういう事態で他の方に迷惑をかけないために、普段からリツイート(投稿を他へ拡散する)はしていない。「そうか。やはり大ウソつきだったか」と、冷静に受け止めることができました。


マルサンのページへ飛んでみると、昨日はズラズラズラ~っと並んでいたツイートが全て削除されていました。一日遅かったら、見られなくなっていたのか……。間に合ったというべきだろうか? 削除したということは、何か後ろ暗いところがあるのかなぁ? 


シラけた私と裏腹に、彼女は激怒していました。他の人が「騙されたなら、お気の毒に……」と同情してくれているのに、その相手にまで噛みついている。よほど悔しかったのでしょう。私のTLに彼女のツイートが流れてきたということは、私と彼女に何らかのつながりがあるのかなぁ? マルサンのツイ友だからかなぁ?? お気の毒に……。


私はため息をつきながら、マルサンをブロックしました。だからその後、動きがあったか知りません。


たぶん……。たぶんマルサンは、今は北海道で除雪作業のお仕事をしていると思います。冬はヒマなお仕事だから、本業は建設とか農業かなぁ? 雪のない時期は他のお仕事をして、雪が降る時期だけ除雪作業の仕事をする。そして、お料理上手な奥様がいると思います。料理の作り方に関する記述は一切なかったから、彼がお料理をしているとは考えにくい。そして若い年代の子どもが複数人いると思います。マルサンと年老いた母が二人で食べる料理にしては、ガッツリしすぎ & 量が多すぎ でした。 よく炒めたウインナーが食卓に乗ってた。普通に売ってる袋にしたら、5袋くらいあったと思う。山のように積まれたウインナーはキレイに切り目が入っていて、横に置かれた卵10個ぶんくらいのスクランブルエッグは、トロリとして美味しそうでした。私はそういう写真を見るのが好きだった。誰かが家族のために一所懸命に作った美味しそうなお料理を見て、私も家族になったつもりで楽しんでいた。


彼が見栄を張る必要はなかったと思います。お金持ちでなくても、高級な車に乗ってなくても、社長でも御曹司でもなくても「ボクのために美味しい料理を作ってくれる家族がいて、一緒に食べる家族がいます!」それだけで、十分だった。人の命を預かる除雪作業は、すごく立派なお仕事だと思う。


 思えばいつも出てくる茶色の木のテーブルのお料理は、庶民的で量が多かった。あれが本当のマルサンの食卓だったと思います。庶民的だけど丁寧に作られていて量が多くて、見ているだけで楽しかった。ランチョンマットが敷かれた高級なお料理は、どこからか持ってきたネット画像でしょう。


このエッセイを彼が見ることはナイと思いますけれど、お伝えしたいです。「今のあなたは十分幸せです。家族がいてお仕事があって、美味しい食卓を囲むことができる。その幸せに、気づいてください」


………………はっ!! 一周まわって、我が身を振り返ります。家族いないし、仕事もない…………(涙)。ちきしょおおおおおお!!!!!! くやしいいいいいいいいいい!!!!!


でも私にも、自分が気づかない幸せがたくさんあるはずです。今持っている幸せを大事にして、誠実に生きてゆきたいと思います。とりあえず、履歴書を書くことにしよう…………(涙)。


あなた様も、あなた様の幸せに気づけますように! 私はあなた様の幸せを願っています。それも幸せの一つにカウントしてください♪ 私だってあなた様にこのエッセイを読んでもらっているのですから、ずいぶんと幸せ者ですね! 今、気づきました!! やった~!!!












 

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