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私の部屋に滝があります!!

 「waterfall is my room!」 (私の部屋に、滝があります!)


 たいていの英語は気合と根性で伝わるのですけれど、この英語だけは伝わらなかった!


 場所はハワイのホテルです。ハワイには、2回だけ行ったことがあります。最初は新婚旅行で、高級ホテルの最上階だった。なんか知らんけど部屋がアップグレードされて、最上階のスイートルームになってた。50階だったかな? 地面が遠い! そして空が近い!! その時に、思い知りました。わたしタワマンとか無理ですわ! 地面に近くないと怖くて!! 


 一度目で懲りたので、二度目は「地面に近い部屋でお願いします!」そう言いました。ハワイは土地代が高いので、高層ホテルが多いらしい。1階部分はテナントが占めるので、1階に客室があるホテルはほとんどナイらしい。候補に挙がったのは歴史ある低層階のホテル(ホテルの建設当時、まだ高層ビルはなかった)でした。歴史も由緒もいらんが、とにかく地面に近いところを! そう言った結果、とんでもなく高いホテル代になったらしいが後悔はしておらん!!


 二度目は親孝行を兼ねて、元夫の母と叔母も一緒に行きました。ホテルが気を利かせてくれたのか、今回も部屋がアップグレードされていました。コネクティングルーム(隣の客室とドアでつながっている)です。もともとハワイ王族の迎賓館として建てられたホテルなので、VIPの警備をするために部屋がつながっているらしい。わたしは王族でもVIPでもないが、パジャマ姿のまま隣の部屋を行き来できるので、便利は良かったです。


 広々とした豪華な部屋からは海が一望できて、重厚で豪華な家具やベッドが配してあります。ソファやベッドに、ハワイアンキルトのクッションがたくさん! ベッドカバーも、ハワイアンキルトです♪ 部屋も広いが、バスルームも広かった! 人生で最初で最後の「絨毯敷きの床に、ネコ脚のバスタブ」を使いました! 映画に出てくるような、ネコ脚のバスタブ! そしてお風呂なのに、高価な絨毯が敷いてあった! 豪華ではあるが、絨毯を濡らさないよう身体を洗うのは至難のワザでした!!

 

 豪華ではあるがレトロなホテルです。シャワーもないし、ウォシュレットもない。でも地面に近いから、何かあったら窓から逃げられる。高層階の「いま火事になったら、どうすればいいんだ?」という不安は感じなくてすむのが、一番ありがたかった!


 そして話は冒頭の「私の部屋に、滝があります!」に戻ります。

私はフロントでヘタな英語を駆使して「私の部屋に、滝があります!」そう絶叫していました。フロントのスタッフたちは、どん引きです。「コイツ、アタマおかしい?」そういう目で見ている。わかるけど! あなたたちの気持ちはわかるけど! でも何とかしてよ!!


スタッフ:滝?

ソウ:そう! 滝!

スタッフ:おまえ、日本人か?

ソウ:そう! 日本人!

スタッフ:ちょっと待ってろ。いま、日本語スタッフを呼ぶから。

ソウ:早くして! 滝があるの!


どこかへ連絡してくれたが、日本語の話せるスタッフは席を外しているらしい。


スタッフ:日本語のわかるヤツがいない。ちょっと待ってくれ。


業を煮やした私は、そのスタッフをシャツを引っ張りました。

 

ソウ:とにかく部屋に来て!!


嫌がるスタッフを引っ張って、部屋へ連行する。ドアを開けて「ほら! 見て!!」


スタッフ:本当だ! 滝がある!!


 部屋の天井から大量の水が流れて、部屋の中に滝が出現していたのです!! だから言ったでしょ!


 原因は、2階のお客でした。バスタブに水を貯めようとお湯を出して、そのまま出かけたらしい。今どきのお風呂なら溜まった水は排水口から流れますが、古いホテルなので排水管が細かった。排水できずに溜まったお湯がバスタブから溢れ、そのままダバダバと部屋に流れ込み、結果、ものすごい量の水が階下にある私の部屋に……!!


本当に「滝」としか言いようがなかったのですよ! そして実際に見たスタッフも「本当に滝だ!」って納得した。だからあれほど言ったのに、信じてくれないから!! 私の英語がヘタなんじゃなくて、ありえない現象が起こっていたのよ!!


さいわい荷物は少し濡れた程度で、ベッドは無事でした。大騒ぎで上階の水を止めて、私の部屋の水はスタッフが拭いてキレイにしてくださった。でも上階の水漏れさせた客は、ものすごい賠償金を払うハメになったと思います。だって歴史的建造物をビショビショにしたのですから……。それを想像すると気の毒すぎて「うちは損害賠償請求とかしませんから」そう言った。荷物が濡れたのは残念だけど、洗って乾かせばいいし。ハワイはあったかいから、すぐ乾いたし。


ここまで書いて、思い出しました。私もやらかしたことがあった! それも二回も!!


 一度目は、久留米市の新築マンションでした。田舎にしては珍しい、6階建てのマンション。オートロックも付いていて、当時は最新鋭の設備でした。このマンションのオーナーさんがすごく良い方で、夏になると屋上でバーベキューや露店(!!)を開いて、無料でご招待してくださった。1フロアに広い間取りの部屋が5戸あって(リビングが20畳くらいあった)、6階はすべてオーナーさんの住居。「5戸ぶち抜きの家って、どんなんなんですか!? 見せてください!」そうお願いして訪問したら、田舎の農家の間取りの家だった! 田舎の農家、わかります? 玄関を入ったらぶち抜きで、クソ広い和室(いわゆる葬式部屋。葬式をする時にしか使わないクソ広い和室)が広がってた!

ビックリですよ! 最新式のマンションの最上階に、田舎の農家があるのですから! とは言うものの、台所もお風呂も他の部屋も、最新式の設備です。すごく新しくて、すごくキレイ!


ソウ:いいなぁ~! 新しくてキレイなおうち! うらやましい~!


するとオーナーの奥さん(この方も穏やかですごく良い方!)が苦笑しながら言いました。


奥さん:この家に引っ越すまでは、かまどで料理してたのよ。ww


当時すでに、かまどは昔の遺物でした。IHとかフツーでしたもの。そんな時代にかまど……。かまどからIHのコンロに、ビルトインの食洗器……。飛びすぎでしょう……!!


話を元に戻します。この真新しいピカピカのマンションで、私がやらかした話です。しかも元日。


お正月に私は、のんびりとテレビを見ていました。おせちは食べたし、することもない。日本晴れの良い天気で、空は真っ青。後で初もうでに行こうかなぁ~。するとチャイムが鳴った。お正月そうそう、何の用だ? まさか訪問販売か? カンベンしてよ! もう!


ソウ:……はい? (← ものすごく機嫌の悪い声)

女性:……お正月早々、すみません。私、下の部屋の者ですが……。あの……、天井から水が流れていて、もしかしてお宅から流れているのかと……。ちょっと見ていただけますか?

ソウ:ええ!? ちょっと待ってくださいね!


 朝風呂に入ろうと思って、お湯を出していたはず! でも最新式のお風呂だから、お湯が溜まれば止まるはずだけど!? お風呂場のドアを開けた瞬間、そこにはプールが出現していました! そして一気に廊下にお湯が!! うわあああああ!!!!


 あわてて玄関へ走ってドアを開けると、おとなしそうな30代の女性がいました。私の悲鳴を聞いて、すべてを察したらしい。気の毒そうな顔で私を見ています。


ソウ:ごごご、ごめんなさい! うちが原因です! すぐお詫びに伺います! でもその前に、お湯を拭かないと! ごめんなさい!

女性:安心してください。うちに漏れてる水は、ほんの少しです。大丈夫ですから。


 家じゅうのタオルを総動員して、水を吸い取りました! 私がウッカリお湯の量を設定ミスして溢れた & 排水口が詰まってた。私のミスと、掃除不足です! ごめんなさい!!

 

 心配なのは階下のお宅と、うちと階下の間にある配線です。配線が濡れたら漏電しちゃう!

 結果的に、漏電はしていませんでした。最新鋭なので、配線に防水設備がしてあった! しかも部屋の気密性がハンパない施工だったので、床下への漏水はわずかだったらしい。良かった!

 加えて階下の方がすごく良い方でした!「うちは被害はありませんから、お気になさらないでください」そう言ってくださった! ごめんなさい! 助かりました!


 二度目も、新築物件でした。広々としたアパート。私は広いベランダで花を育てていた。見える場所に排水口がないのは少々気になったものの「最新のアパートだし、どこかで上手に排水してるんだろう」そう考えて、花に水をやっていた。そしたら水がジワジワと隙間に流れ込んで、下のお部屋のベランダの天井から流れ出ていたらしい。ベランダの天井……。そうです! 階下の干してあるお洗濯物が濡れるのです!! しかもそのお宅、生まれたばかりの赤ちゃんがいた! 可愛い赤ちゃんの服が、どこからともなく流れてくる水で濡れている! この水は、いったい何なんだ!?

 

 階下のご主人、激怒したみたいです。そりゃあ、そうでしょう! ご自分は何も悪くない。悪いのは私と、施工が甘かったアパートです。でも雨程度ならちょっと溜まって乾いただろうから、水をダバダバ流した私が悪い! 私が悪いです!


 おかげさまでこの時も、すごく良い方でした! 何度か水が流れてきたのに、奥様は「そのうち、止まるかも」そう思って、静観してくださっていた。でも何度も続くので、ご主人に相談した。ご主人は「うちの可愛い子の洗濯物を濡らすとは!」そう怒っていたらしいが、奥様がブロックしてくれて、怒鳴り込まれることはなかった。うちが原因なので「もう水は流しません! 汚してしまったお洋服の代金を請求してください!」そうお願いしたけれど、請求されることはなかった。そしてすぐに「家を建てることになったので、引っ越します……」と……。


 ううう。ごめんなさい! 私のウッカリで不快な思いをさせた上に、家を建てて穏便に引っ越してくださるとは……!! なんて良い方たちなんだ!!


 もし私の部屋が濡れても、文句は言わないことにします。そういえば最近、アパートの管理会社からお手紙で「部屋を水洗いしないでください!」ってお知らせが届いていたなぁ……。外国籍の方が多いから、部屋に水を流して掃除して、どえらい事態になったらしい……。でも、たとえ被害にあっても文句は言うまい……。


 因果は巡ると言いますから、次は私が良い人になります!!



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