※作中歴史年表及び国際情勢等のまとめ

【第65部までの作中年表（政治分野のみ）】

1932年2月

満州・上海事変勃発。

1932年5月15日

海軍青年将校たちと右翼団体との間で銃撃戦にまで及んだ抗争勃発（五・一五事件）。

1932年5月下旬

大日本共和商事株式会社設立（社長・中地要）。

勅令護民総隊発足（本部長・谷口尚真）。

伏見宮博恭王軍令部長就任（大角人事）　海軍主流派と良識派の分裂へ。

1932年9月

自国複葉機に対する不満から、イタリア軍において航空戦力拡充運動始まる。

満州・上海事変に関する調査報告書、国際連盟へ提出される。国連、満州国の樹立を認めず。

犬養毅内閣、満州事変に関する国連の決議を粛々と受け入れ、独断で行動した関東軍の策略を白紙に戻す。

「帝国の利権を守るべし」として、帝都にて大規模な抗議デモ。

1932年6月

タイ王国にて立憲革命。プリーディー左派政権発足。

1933年9月

日本のサケ漁船がソビエトの哨戒艇に拿捕される。漁師の数名が死亡。

1933年11月

新知・択捉の海戦。

日本軍被害、"浦島"中破。"竜宮"小破。　味方輸送船１隻大破。航空機１機。陸軍軍人９８名、総隊員２４名殉職。

ソ連軍被害、オルフェイ級駆逐艦２隻大破。哨戒艇２隻撃沈。航空機３機。

1933年12月

スタヴィスキー事件の影響により、フランス左派政権総辞職。

1934年1月

護民総隊、遺族会を設立。

1934年5月

東郷平八郎死去。国葬を実施。

1934年7月

カムチャッカ半島にて大規模な先住民族による反乱が勃発。勘州事変へと発展。

ウラジオストク沖海戦。

ソ連軍被害、駆逐艦２隻爆沈、沿岸の砲台２基破壊。

潜水艦による奇襲を受け、"加賀"触雷につき中破。"鳳翔"爆沈。

1934年9月

占守海峡、舞鶴・ペトロパブロフスク・カムチャツキー間輸送船団に潜水艦被害。輸送船１隻大破。

1934年10月

陸軍省新聞班『国防ノ本義ト其強化ノ提唱』発行。赤旗など左派系新聞紙による賛同を得る。

日本軍、東シベリア戦線にてウラジオストク・ハバロフスク・ワニノ・ニコラエフスク・オホーツク・マガダンを確保。

1934年11月

朝鮮人日本兵、シベリア先住民を伴ったマガダンへの撤退戦を行う。

日本軍被害、陸軍第７師団約２万人殉職。

ソビエト連邦、本格的に戦時体制へと移行する方針を固める。

12月3日

国際連盟による日ソ間対立の戦争状態認定。

12月24日

「東アジアにおける安全保障問題」会議開催（クリスマス会議）。

日本側の"侵略"の意図が認められ、日本の完全な撤兵が確認されるまでの間、連盟加盟国による日本への経済制裁とソビエトへの人道支援を行う旨が発表される。

英仏ソ間において、対ドイツ賠償請求権の一本化が図られる（容独政策）。

12月30日

ウクライナ社会主義共和国、「ソビエトによるウクライナ人の大量虐殺」を理由に、連邦からの独立を表明（ウクライナ危機）。

12月31日

昭和天皇による"人間宣言"。十年後までには国家体制を完全に民主化すると公約する。

1935年1月

"玉音事件"勃発。各地で右翼活動家や青年将校による暴動が勃発。

オーストリアにてカール・レンナーを首相とする社会民主党政権発足（穏健的に議会制社会主義体制へと移行）。

1935年2月

第三次若槻礼次郎政権の発足（挙国一致内閣）。

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定の発足　（オーストリア・ハンガリー）。

イタリア・エチオピア戦争勃発。

1935年3月

イタリア・エチオピア戦争に英仏義勇兵参加。

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定、ウクライナ・ベラルーシ加盟。

1935年4月

沿海州と東シベリアにユダヤ・白ロシア人を中心とする自治政府が誕生（シオン共和国・ロシア連邦）。

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア加盟。

国連、ワルシャワ・ドナウ経済連携協加盟国からの発議により、イタリアのパリ不戦条約違反が問われるも、英仏の意向で否決。

フランスにおける保守穏健派政権の総辞職。

イギリスにてスタンリー・ボールドウィン保守党政権の総辞職。

1935年5月

赤十字赤新月社連盟、『喫緊の絶滅戦争に対する重大な懸念』を表明。

ナンセン国際難民事務所高等弁務官、『人道に対する私たちの誓い』を表明。

赤十字赤新月社連盟、各国の民間人から広く寄付を募り、独立した人道支援計画を策定。

1935年7月

小倉石油株式会社の油槽船、オマーン湾の沖合いで消息を絶つ。

イタリア国籍の民間船舶、海賊被害多発。

1935年9月

民間船の遭難を受けて、遣アラブ艦隊第一陣が日本を出発する（護民艦隊）。

ユーゴスラビア王国において社会主義革命。

護民総隊、ポーランドのＰＺＬ社と機密漏えいによるトラブル起きる。

1935年11月

エチオピア帝国、イタリア王国に降伏。

イタリア籍の商船２隻、アデン湾近海にて国籍不明の武装船舶に撃沈される。

遣アラブ艦隊第二陣が日本を出発する（海軍艦隊）。

1935年12月

ハーフムーン湾にて海賊事件発生。イタリア人船員１７名、アラブ人労働者５名、総隊の殉職者４名の計２６名が死亡。

４カ国連合艦隊により海賊掃討作戦が行われる。

第二次ロンドン海軍軍縮条約予備交渉。

12月20日

フランス領マダガスカル、サントマリー島にて遭難中の"第二小倉丸"を発見。

海賊による自爆攻撃を受け、４カ国連合艦隊壊滅（グロリオス諸島の悪夢）。

イタリア艦隊の被害、"コンドッティエリ"型軽巡洋艦撃沈２。"フレッチア"級駆逐艦撃沈４。

イギリス艦隊の被害、"ダナイー"級軽巡洋艦撃沈１、大破１。アドミラルティ改"Ｗ"級駆逐艦撃沈１、大破１。

フランス艦の被害、無し。

護民・遣外艦隊の被害、駆逐艦"朝顔"大破。駆逐艦"若竹"中破。

1936年1月

英仏伊『非人道兵器の有色人種に対する使用の一部容認』との合意を交わす。

フランス、ロスチャイルド・パリ家保有商船による海賊支援疑惑がスキャンダルとして持ち上がる。

ドイツ、ニュルンベルク法が成立。ユダヤ人の公民権を奪う。

フランス、ユダヤ人資産家の資産凍結法案が可決。

イギリス、ユダヤ信仰の棄教を強制する法案が可決。

南アフリカ、ケープタウンのステレンボッシュ大学にて白人＝アーリア人説が発表される。

シオン共和国にて、ユダヤ人＝古代アジア人説が発表される。

日本にて、朝鮮半島の独立法案が可決成立される。

大韓共和国成立。初代大統領に李鍵就任。

第二次ロンドン海軍軍縮会議、英仏伊の意向で条約の延長は行わないとされる。日米、遺憾の意を表明する。

1936年2月

大東亜連合設立（委員長・近衛文麿）。

昭和天皇暗殺未遂事件（第二次虎の門事件）

中国東北部において満州人による独立運動多発

1936年5月

共和商事と勅令護民総隊が、タイ王国のレームチャバンに支部を設立する。

南米ボリビアやパラグアイにて軍事クーデター。

1936年6月

ソ連とシオン共和国・ロシア連邦との間に不可侵条約が結ばれる。

1936年7月初

護民総隊にて初の観艦式が行われる。

第二次上海事変勃発。

【国際情勢概略】

イタリア……

"正義の枢軸"を自称。早期の航空戦力刷新に成功した空軍大国。

イギリス……

対イタリア宥和政策を取る。反ユダヤ感情高まる。

フランス……

政権のスキャンダルが相次ぎ、現状一貫した政策が取れていない。

ドイツ……

戦時賠償の英国への一本化が行われ、事実上の支払い緩和が成り立ったため、周辺に対して協調的。反ユダヤ運動の急先鋒。

ソ連……

ウクライナ・ベラルーシ独立を受けて、西欧との協調外交方針を強める。シオン共和国・ロシア連邦との間に不可侵条約。

オーストリア……

穏健に社会主義政権を発足させる。ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

ハンガリー……

穏健に社会主義政権を発足させる。ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

ポーランド……

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。チェコスロバキアと軍事衝突から、スロバキア地域への進駐を果たした。

ウクライナ……

ウクライナ危機により、ソ連から独立。ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

ベラルーシ……

ウクライナ危機により、ソ連から独立。ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

リトアニア……

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

ラトビア……

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

エストニア……

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定加盟国。

フィンランド……

ワルシャワ・ドナウ経済連携協定に接近。

ユーゴスラビア……

社会主義革命により内戦状態。

大日本帝国……

天皇の玉音放送により、十年後の民主化を約束。列強各国から左傾化を疑われる。大東亜連合加盟国。

シオン共和国……

1935年4月独立を宣言。ユダヤ人による自治政府が立てられており、大東亜連合加盟国。ソ連との間に不可侵条約。

ロシア連邦（緑ロシア）……

1935年4月独立を宣言。ロシア帝国の後継者を自称しており、大東亜連合加盟国。ソ連との間に不可侵条約。

大韓共和国……

1936年1月に日本より独立。現状は李鍵大統領による独裁政権。大東亜連合加盟国。

エチオピア……

イタリアへの敗戦後、国連常任理事国の信託統治が続く。

中華民国……

列強有利の不平等条約や、軍閥による国土の分割統治、国共内戦によって国民の生活が困窮している。中国東北部では満州人による独立運動が武力闘争にまで発展。

タイ王国……

立憲革命によって左派政権が発足してより混乱が続く。国内の農政指導を日本の共和商事に依頼。

アメリカ……

ニューディール政策により経済的には世界恐慌以来の規模にまで実質ＧＤＰが回復したが、反ユダヤ感情の高まりによって国内世論が二分している。ルーズベルト大統領が環太平洋連合の構築を画策するも、第二次上海事変の勃発によって構築を阻まれた。

【主な登場人物の紹介】

――勅令護民総隊隊員――

（後方勤務）

谷口尚真（６６歳）……護民総隊本部長。

井上成美（４７歳）……護民総隊参謀長。

石井長利……護民総隊後方参謀。

小林数馬……艦政本部技術士官。

藤本喜久雄……造船士官。

石井利雄……造船士官。

生田乃木次（３１歳）……北方での戦いで心理的外傷を受け、現在は陸上勤務中。

石原莞爾……護民総隊ダーラム支部長。

牟田口廉也……護民総隊ダーラム支部参謀。

永野修身（５６歳）……護民総隊本部次官から、レームチャバン支部長へ。

（陸戦隊）

永見俊徳……護民総隊陸戦隊総司令官。

寺尾明……護民総隊陸戦隊指揮官。

（護民艦隊）

佐藤鉄太郎（７０歳）……護民艦隊総司令官。

宮本千早（２７歳）……護民艦隊航空参謀。

新見政一（４９歳）……航空母艦"竜飛"艦長。

渋谷紫郎（４３歳）……大発動艇隊司令官。

田村久三（３９歳）……対潜技術士官。

大井篤（３４歳）……護民艦隊航海参謀。

百武源吾……護民艦隊副司令官。

大川内傳七……護民第二艦隊司令官補任予定。

戸塚道太郎……甲型海防艦"占守"艦長。

工藤俊作……甲型海防艦"国後"艦長。

村上義一郎……水上機母艦"富山"艦長。

児玉英九郎……水上機母艦"対馬"。

河野通則……上陸用舟艇母船改め、大発動艇母艦"秋津"艦長。

三喜明彦……病院船"能登"船長。

（航空隊）

所茂八郎……"竜飛"航空隊。甲小隊隊長。あだ名はトコさん。

青木武……"竜飛"航空隊。航空管制員兼教官。あだ名はタケ。

青木興……"竜飛"航空隊。乙小隊隊長。あだ名はゲラ。

加藤建夫……"竜飛"航空隊。甲小隊隊員。あだ名はカトちゃん。

篠原弘道……"竜飛"航空隊。甲小隊隊員。

藤田信雄……"竜飛"航空隊。乙小隊隊員。

長尾……"竜飛"航空隊。乙小隊隊員。

西沢広義……"竜飛"航空隊。乙小隊隊員。

――総隊をとりまく人々――

中地要（２７歳）……大日本共和商事株式会社社長。

中地美冬（１５歳）……ハイムガルトナー女学校の生徒。未来の知識がある。

宮本大和（１７歳）……未来人。

のどか（１７歳）……未来人。

金子直吉（７０歳）……共和商事のご意見番。

高橋亀吉（４２歳）……フリーのジャーナリスト。

ユーリ・ロマノフスキ（２６歳）……共和商事のお雇い外国人。若干天然。

アドリアーナ・宮本（２６歳）……女性エンジニア。物事は前向きに考える方。

マリオ・宮本（３２歳）……国際レースの産か経験があるエンジニア。最近秋田市内にできたイタリア料理屋を愛して止まない。

アレキサンドリーネ・シャルロッテ（２６歳）……ドイチュランツベルク・アウグスト商会の会長。既成事実の使い方を覚える。

エドワード・ショート（２７歳）……千早の友人である米国人民間航空士。

ヘレン・ドゥーリットル……ＡＰ通信の女性記者。元学生ボクシング大会のチャンプ。

ル・グラン……フランス海軍の航空士。

ダルラン……フランス海軍の提督。

ジョゼフ・グルー……米国人外交官。

ウラジミール・フォン・エッセン……ロシア連邦の海軍軍人

イワン・カラマーゾフ……ソ連の航空士。誰にでも優しい。