3 黒き剣帝VS第一階位堕天使、ふたたび3
絶対防御神術……か。
俺はノアを見据えた。
彼女の不可視の盾は、俺の『紅帝火龍』さえ防いでみせた。
生半可な剣技では通じないだろう。
冥皇封滅剣に存在する十三の型、そしてその進化系であるそれぞれの『極』──どの技なら通用するだろうか。
「ふふ、怖気づいたの?」
ノアは弾き飛ばされた剣を神術で手元に引き寄せ、構えなおした。
「私の攻撃はあなたに見切られ、当たらない。あなたの攻撃は私の『盾』に防がれて当たらない。互角の戦い──」
言って、堕天使少女の口元に笑みが浮かんだ。
勝ち誇った、笑みが。
「──なんて思ってる? 決してダメージを受けない私と、避け損なえば致命のダメージを負うあなた……追いつめられているのがどちらなのかは分かるわよね?」
「プレッシャーをかけているつもりか、それで」
俺は大剣を肩に担ぎ、近づいた。
「事実を語っているだけよ」
ノアは桜色の髪をばさりとかき上げた。
「さらに言うなら──仮に、なんらかの手段で私にダメージを与えられたとしても、時間干渉系の神術ですぐに回復する。死からさえも、ね」
絶対防御に加えて無敵の回復力。
確かに厄介な相手ではある。
「あなたはこの私のプライドに傷をつけたわ。徹底的に絶望し、みじめに命乞いをしながら死んでいくことね。簡単には殺さないんだから」
涼しげな瞳に宿る、強烈な殺意。
彼女の一言一言が、高まる気配が、着実にプレッシャーをかけてくる。
「剣術はまだまだだが、戦いにおける心理戦や駆け引きは心得ているらしいな」
俺はさらに近づいた。
「闘気解放──強化」
俺の全身から紫色の稲妻が弾けた。
速力特化の闘気──『雷光の闘気』。
紫色のオーラをまとった俺は、一歩ごとに加速していく。
闘気には身体能力強化作用もあるのだが、この『雷光』をまとったときには、速力だけを集中的に強化する。
今の俺のスピードは音速すら超えていた。
「速い……! だけどただ速いだけで私の『盾』を──」
「ただ速いだけで破れるなんて思っちゃいない」
がいんっ。
繰り出した剣は、ノアの不可視の『盾』に弾き返される。
どうやら力任せに破壊できるような防御フィールドではなさそうだ。
俺は『雷光の闘気』を解いて、今度は『疾風の闘気』をまとう。
こちらは感覚を極限まで研ぎ澄ませるタイプだ。
そして──見切る。
「無敵というわけでもないようだな、その盾は」
見つけたぞ、攻略法を。
「ふん、ハッタリで動揺させようというの?」
せせら笑うノアを無視して、俺は斬撃の雨を降らせた。
そのすべてが『盾』に弾き返される。
しかし、俺はすでにはっきりと見切っていた。
「君の『盾』は確かに不可侵ともいえる防御力を誇る。だが、常時展開しているわけじゃない」
「……!」
ノアの表情がこわばる。
「まさか、人間ごときに見えるはずが──」
動揺を簡単に表に出しすぎだ。
俺は内心でつぶやいた。
やはり、心理的な駆け引きはまだまだのようだ。
「俺の闘気はあらゆる能力を強化する。その力で見切ったんだ。君の『盾』は一分ほど展開した後、刹那の瞬間だけ解除されてから再展開している。つまり──」
展開解除の瞬間は無防備ということである。
俺は『疾風の闘気』で『盾』が解除される瞬間を見極め、『雷光の闘気』に切り替えた。
刹那を超える速度で踏み出し、ノアに肉薄する。
「そんな!? 私の『盾』が──展開が間に合わな……」
「終わりだ、堕天使」
告げて、俺は大剣を横薙ぎに繰り出した。
ざしゅっ……。
可憐な顔が胴体から分かたれ、地面に転がる。
頭部を失った体はフラフラと数歩進むと、そこですべての力を失ったように崩れ落ちた。
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