回想法
序文
回想とは過去に経験した事を思い出す事。
グループアプローチの言葉では計画的な時間と回数の会合の中で人生経験を皆に話し合わせる事で記憶の回復や日常生活の関心、コミュニケーションを深める事を目的としたテクニックの事。
詩記
最近 瞑想を始めた
雑念とか消し去り安心する為に
回想してみたらろくな事無かったなってそれがグルグルするから
消せない昔のトラウマを何度も夢で見るのはもう十八番
コミュニケーション能力にはまあまあ自信あり 陰キャとかではない
何で落ちぶれたかだけは気づいてから忘れないように胸に刻んでる
思い出したくも無い失敗も回想する事で同じミスを避けられる
過ちを繰り返すのは愚者のやる事だ
ここには書けない事の廃棄所は 無い
墓場まで持っていくしか 無い
でもそんな人生詰まんない 嫌われたくないからって自慢を止めたら死んじゃう系
満身創痍になった原因の稀有な職歴 思い出したら反吐が出る
それでも今はなるべく大切な事を忘れないようにメモをとるようになった
一歩前進だ
そうやってなるべく毎日頑張って記憶を上書きしていけば
回想も輝く活躍の記録ばかりリピートされるようになるから
笑えず泣けない朝も 絶えず明けない夜も
暦や時間 そういうカテゴライズ
ぶっ壊していつも気分爽快
いつかは回想履歴に幸せを塗りたくって
まあ勘違いして自分は愛されキャラと言い張って
キラキラ光る星のように
再生する出自 いつかそこで誇りたいと近々に劣勢をひっくり返す
接続詩
昔の影を 指先でそっとなぞると
擦り切れたページみたいに 音もなく 僕はめくれていく
呼吸の奥でざらつく 半分だけの名前
誰に呼ばれた声だったか もう思い出せない
それでも 耳の裏では ぬるい光が疼いている
思い出せるものほど 遠くに沈み
忘れたいものほど やけに鮮明で
ゆがんだアルバムの境目から
こぼれ落ちたままの僕が ひとりで泣いている
回想とは 過去を拾う作業じゃなく
拾えなかった自分を
そっと 許すための儀式なのかもしれない
今の僕の輪郭をなぞれば
今日もまだ 欠けたところが ひんやり息をしている
その穴をふさぐのではなく
ここに昔 痛みがいたと
ただ 触れてみるだけでいい
そうしてまた
少しゆっくり ページを閉じて
明日の余白を 静かにあけておくんだ
結文
過去に何かしらの功績があるとしたら歳を取るのが辛いですね。
そして晩年ふと思い出したらきっとなんか照れる。つまらない物に縋ってここまで生き長らえたんだなって。




