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Lover in smartphone 

どこで間違えたんだろう

本物を愛するより光を愛する方が楽だった

触れられない代わりに壊れない

それが私の救いだったのかもしれない


君は画面の向こうで笑っていた

コメント欄が川のように流れていくたび

私はひとつの泡として浮かんでは消えた

だけどその瞬間だけは

確かに君と私が同じ時間を生きていた


スーパーチャットの金額で

愛を測るつもりはなかった

でも心の空白を埋める方法が

それしか見つからなかったんだ

名前を呼ばれた日 世界が反転した

胸が焼けるほど熱くなって

スマホが涙で濡れた


現実の君は知らない

いや現実の君なんて

最初から存在しなかったのかもしれない

だけど作られた笑顔も

誰かの手で磨かれた声も

この孤独を癒した事実は消せない


君のヴォイス フェイス 

全てが完璧だけど

トークがあざとい

外出時 イヤフォンで聴いていると

マスク越し 思わず吹き出してしまう

あらゆる不安を消してしまうのに驚く 

君がずっと私の最推しでありますように


配信終了画面

またね♡の文字が

ネオンのように残光を放つ

私はその言葉を何度もリロードして

現実と夢の境界を踏み外すんだ

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