いっしょ
いつでもいっしょにいられるわけではないけれど
いつも心の中にいるから
いつでもいっしょに死ぬことは出来ないけれど
いつも心を殺すから
そんな事繰り返して砂漠を彷徨ってしょっぱい涙も乾いて
汗を拭いながら必ずいつかひとつになれるって夢見ているんだ
血の涙を流しながら
だからいつもいっしょにいられれば
だからいつもいっしょに死に逝ければ
そんな歪な愛でグラスを満たしてひとりでは無いと束の間言い聞かせここまで歩いてきたんだ
昔は街に出れば人が溢れかえるスクランブル交差点のストライプ
美しいネオンライトが虹のようで時間を忘れて友達と騒ぎまくって
語れないほどの過ちも犯した 恋なんてしている暇は無かった
それでも好きですってちゃんと言っておけば良かった
と後悔している女性は何人かいる
迷った末に俺じゃ幸せに出来ないだろうと思ったから
身を引いた事も多い 強引に連れ出して一夜の快楽に溺れた事も ある
それでも今はみんないっしょにいられているわけじゃない
離れ離れになって何やってるかも知らない
それでも生きていて欲しいと願う気持ち
親しかろうと無縁の人だろうと死んだらご愁傷様ですと言うだろう
葬式に呼ばれるはずの無い ビッグネームの方の事でも
そういう気持ちを忘れて
死後の世界はあるから 今 好き放題やって後はどうでも良いや
そういう奴は地獄に行って後悔するんだ それが因果律
1人は寂しいから側にいてよって渇愛するのが人間だろう
俺達は全知全能の神でも無頼の英雄でも無い 怯え身を縮めながら死を待ち
かつての青春に焦がれながら誰かからの借りを返す為に終わるんだ
だから人を諦めない方が良い いてもいなくても心の中ではみんな一所なんだよ




