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第11話
そんな勘違いをされないための対策も虚しく、
「レイラ……お前、ルシウスに色目を使っているらしいな……」
ある日、ブロント様は怒り心頭に発するという様子で私に問いかけました。
「それはどこの情報でしょうか、そのような噂を吹聴してくるお方がいるなんて心外ですわ」
ビキビキと青筋を立てるブロント様。
「いろんな者から言われているが、一番はティアラに言われたんだ――」
聞くと、ティアラ嬢は最近、申し訳なさそうに私とルシウス様が逢瀬をしているところを見たと親切に教えてくれたらしい。
他にも、ティアラ嬢の仲が良い令嬢や、ブロント様が仲の良い方々に言われたらしい。
「誤解でございますわ、私にはあなたという婚約者がいますし、二人ではなくマリンやエクシア様、護衛の方々もいましたもの」
このように勘違いされないよう作っておいたカードをきりました。が、
「言い訳なんてよしてくれ、聞きたくない」
と聞く耳を持ってくれませんでした。
そして、
「次はないからな」
とだけ言うとそのままどこかへ行ってしまわれました。




