204.
不気味な黒衣を羽織った邪教徒、キキョウを捕縛した。
捕縛というか、勝手に改心したと言うべきか。
(改心と言っていいのか定かではないけれど)
「キキョウ。これからどうする?」
今目の前に居る女は、もはや邪教徒ではない。
俺の神の力(物理)によって、完全に邪気を払われ、そしてあろうことか邪教徒の間の記憶は失っているそうだ。
記憶が無いからといって、他人を害しようとした過去は消えない。
だが、今の彼女を裁いたところで、何の意味も無い。
目の前の彼女は、邪悪なる存在ではなくなったのだから。
キキョウは地面に膝をつき、聖女のように両手を胸の前で組んだ。
「可能であれば、御身のおそばにおいて欲しく存じます」
「俺の領民になるってことか?」
「信者となりとうございます!」
食い気味に返ってきた。
その瞳は、信仰の悦びに潤み、キラキラと輝いている。
多分それは同義語なのだろう。
信者が領民と同義語……か。はぁ。
なんつーか、俺もすっかり神様になっちまったようだ。
元はただの、孤児の人間だったのにさ。
さて、で、どうするかだ。
まあ、答えは決まっている。
「いいよ、うちにおいで」
他所に行けば、邪教徒だった頃の過去が明るみになり、下手をすれば極刑だ。
まさか誰も信じないだろう。神に殴られて心から改心した、なんて馬鹿みたいな真実を。
「パパ、その自覚あったんですね」
「……さすがにね」
ミネルヴァが呆れたようにため息をつき、ジト目で俺を見上げている。
ちょ、ミネルヴァさん。
少し辛辣じゃあないか。
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