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名前だけの人生相談部に学年1の美少女が人生相談に来てしまった。  作者: 時雨白
第4章 必要なのは広い視野と冒険させられること
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努力の結果

 桜木達が喜び合っている間、僕は改めて桜木の成績を見返す。


 合計点数1191点、平均点数99.25。


 これほどまでの高得点は早々にお目にかかるようなものではない。


 堀川先生が今までに見たことがない点数だったということも納得する。


 それだけの驚きを与えるぐらい、桜木は努力し、成長したのだ。


 桜木は一位であった。


 ただは、この一位が容易にとれたものではないことは細かく今回の結果を分析すれば分かる。


 今回、桜木が一位をとった科目は全て100点という必ず1位を取れる点数でないと取れておらず、他の98点や99点は2位や3位という結果になっている。


 その事実から分かることは今回のテストの最高点がほぼ全ての教科で100点であった可能性が高いことがわかる。


 99点や98点でも一つ二つ2位になることは分かるか、今回は100点以外は一位ではなかった。


 そのことから、得意教科の人が100点を取ったとから2位といったことが続出したと考えも出来るが、桜木と同等レベルの誰かが、桜木と同じように100点を取りまくっていた可能性も考えられる。


 今回のテストは決して簡単なものではなかった為、偶然高得点を取れるようなものでもない。


 より多くの点数を知ることができれば、断言できるかもしれないが、今の段階でも一位のラインがいつもよりも相当高かった可能性が高いことが分かる。


 僕の予想が正しければ、一位のラインは平均点数97か98ぐらいだろう。


 桜木の過去の成績から一位のラインは95か96だったので、もし桜木がただ勉強量を増やしただけだったら、高い確率で一位は取ることはできなかっただろう。


 その可能性を考えると、本当にいろんな要素が重なったからこその一位だったと言える。


 それにしても平均点数99点は凄すぎだと思う。


 住吉なんかは少し引いていたぐらいだ。


 そんなこんなで1人、今回のテストを考えていると喜び合っていた2人は、みんなで今回の振り返りみたいな話をし始めたので僕も加わる。


 桜木達がどのように勉強していたかを聞いてみたいからだ。


 そんなこんなで僕達は、この一ヶ月であったことを話し合った。


 最初は僕と麦野関係に散々攻められたり、堀川先生が始めて教師としてカッコよく見えたり、質問攻めしすぎて、教えにきた先生が逃げるなと、色々なことがあったらしい。


 僕達は時間を忘れ、楽しく話し合った。


 そして、人通りのことを話し終わり、小休憩みたいな感じで各々が行動する。


 鮎莉と桜木は話し合っており、住吉はスマホを触っている。


 僕は外の空気を吸いたくなったので、部室から出て行き。


 外に出て近くにあるベンチへと座る。


「みんな楽しそうだったな」


 そうポツリと言葉を漏らす。


 桜木も住吉も鮎莉も全員が成長を遂げいる。


 今の3人は明るい未来が見えているのだろう。


 そう思い、静かに自分の成績を思い返す。


 平均点数78点、順位240人中98位


 今回のテストの結果だ。


 3人に比べるとワンランク劣る結果となっている。


 劣ってしまうこと自体は仕方がない。


 僕は僕で色々としていた、桜木達のように勉強に集中というわけにもいかなかった。


 だからこそ、今回の勉強量だけを見るのであれば、才能などの面でかなり劣っていることも考えると当然の結果だ。


 そのこと自体は、気にはしていない。


 昔からそうなのだから、もう慣れている。


 ただし、この結果には重大な問題があった。


 それは、今回の順位は前回より低くなっているということだ。


 いや、さらに言うと僕は最初のテスト以降、順位は下がり続けている。


 ただ住吉のように適当にやっているのであれば、その結果にも不思議はないが、僕はサボってなどおらず、しっかりと勉強をするタイプである。


 毎回、人の2倍、3倍の量をこなし、効率も常に高くなるように研究している。


 今回だけでも、人の4倍ぐらいは努力をしているはずだ。


 桜木や住吉達のように大きく上がるようなことがなくとも、少しぐらい上がってもいいはずだ。


 だが、結果は逆だった。


 なら、どうしてそんな結果が出てくるのか、冷静に考えれば簡単に分かる。


「限界なんだろうな、色々と」


 僕の強みは分析だ。


 だからこそ、人よりも早くそして明確に理解することができる。


 この辺りが僕の限界なんだと。


 その事実に少し悲しくなるが、今更である。


 もう限界だと分かっているから、僕は工夫や雑学といった、使えるものを全て使うようなことをしているのだから。


 僕の道は決して明るくはない。


 まあ、いつもこんな感じなので思うところはない。


 その事実を考えた上で、今後のことを考える。


 大きな山は超えたのは間違いがない。


 桜木もしっかりと成長をしている。


 頼れる友達もいる。


 僕がいなくとも十分にやっていけるはずだ。


 ならば、後はいつも通りの展開になっていくだろう。


 そう考えていると、メールが届いていることに気がつく。


 メールの内容を確認した。


「なるほど、そうきたか」


 メールの内容は僕に取っていつも通りの内容だった。


 だからこそだろうか、「ふふ、あははは」僕は無性に笑ってしまう。


 だが、これは仕方がない。


 どんなにいっても変わらないことがあるならば笑うしかないだろう。


 そうして僕は、メールをしてきた相手に返信をする。


 そして、相手から了承のメールを受けてる同時に住吉が現れる。


「休憩は終わったか?鮎莉が大富豪をやりたいだってさ」


「それなら、早く部室に向かわないとね」


 そうして、僕は立ち上がり部室へと帰ろうとした時、住吉に聞きたいたことが一つあったのを思い出す。


「なあ、住吉。一つ聞いていいか?」


「なんだ、急に?」


「いや、簡単な質問だよ。今回の結果は満足するものだったか?」


「満足するに決まっているだろ」


 僕の突然の質問に対して、迷いなく答える住吉。


「ならよかった。さあ、部室に戻ろう」


「そうだな」


 そうして、僕達は部室へと戻り、大富豪をするのであった。

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