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名前だけの人生相談部に学年1の美少女が人生相談に来てしまった。  作者: 時雨白
第4章 必要なのは広い視野と冒険させられること
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早い再会

 授業も終わり、今日もいつも通りの道をいつも通りの時間で家への帰路を辿る。


 その最中、僕は見覚えのある人物を見つける。


 その人物は誰かと会話をしており、それが丁度終わったのか、最後に握手をして別れる。


 その人物もこちらの存在に気が付き、アイコンタクトで話でもする?と送ってきたので、僕もアイマコンタクトではいと答える。


 それを確認したその人はこちらへと向かってくる。


「意外と早い再会でしたね」


「そうだね。私もこんなに早い再会になるとは考えていなかったよ。レジャー施設では助かったよ。」


 その人とは、レジャー施設で僕に手洗いの場所を聞いてきた、イケメンの人だった。


「いえいえ、逆にこちらがお礼を言うべきです。あの時スタッフを呼んでくれたのはあなたですよね?お陰でスムーズに問題に対応が出来ました。」


「どうして私が呼んだと言えるのか知りたいところでもあるが、いつまでも立ち話をするのも悪いからね。ここの近くにオススメの純喫茶があるんだ。私が奢るから一緒に来ないかい?」


「そんな、奢ってもらうなんて出来ませんよ」


「こう見えて、私は結構持っているから全然大丈夫だよ」


 そう言ってイケメンの人は、高そうな財布を取り出して見せてくれる。


「なら、お言葉に甘えて、よろしくお願いします」


「ああ、こっちだ。ついてきてくれ」


 そうして僕は、イケメンの人の案内の元、とある純喫茶にたどり着く。


 案内された純喫茶の外装はここ最近のオシャレで明るいイメージのようなところではなく、素朴で淡々としている感じで、レトロな感じを醸し出す所だった。


「さあ、中に入ってくれ」


 イケメンの人はその店のドアを開けて、言ってくる。僕はその言葉に従い、店の中に入る。


 店の中も外装と同じ感じで、なんとも言えない物静か雰囲気と、落ち着きある店内であり、この純喫茶のマスターであろう60代ぐらい男性も落ち着きがある人物だ。


 雰囲気などから見て、隠れた名店だと感じさせるほど、良い所だ。


 丁度あまりお客が来ない時間帯に来たのか、店内には誰もいない。


「とても良い所ですね」


 僕は率直な意見を言った。それを聞いたイケメンの人は嬉しそうな表情をする。


「そうだろう、ここは非常に落ち着ける所でね。ここのマスターは腕も一流で人生経験も豊富だ。何か悩み事があるときは相談に乗ってくれる素晴らしい人だ」


「そこまで言っていただけるとは、ここのマスターとし冥利に尽きます」


 ベタ褒めされているマスターは、大人としての落ち着きを感じさせる、紳士とした対応をする。


 イケメンの人の反応からしても、ここのマスターはとても良い人なのだろう。


 イケメンの人の接し方や喋り方といい、とても短い時間ながらもイケメンの人がマスターに厚い信頼を寄せているのがわかる。


「あそこの席に座ろう。」


「分かりました」


 テーブル席に僕たちは座る。


「マスター、私のはいつもので頼む」


「かしこまりました」


「ここは私が奢る。自由に選んでくれ」


 そう言って、イケメンの人は僕にメニューを見せてくれる。様々なメニューがあり、コーヒーが飲めないようにもジュースなどもしっかり用意されており、値段も少し高いだけであり、住吉たちでも、十分に満喫できるようになっている。


 僕はメニューを人通り見て、どうするかを決めた。


「マスターのオススメのコーヒーを一つください」


「かしこまりました」


 僕は、この店のことを一番知っているはずのマスターに頼むことにした。


 あまりこう言うところに来たことがないので、下手に選んでも失敗しそうだったからだ。


「おや、その年でコーヒーを飲めるんだ」


「はい、落ち着きたい時などにたまに飲みます」


「なるほど、なかなか渋い所あるね」


「あはは、、、」


 そうして僕たちはしばらくコーヒーについて雑談をしていると、マスターが料理を持ってきた。


「アイスコーヒーとカツサンドです」


 そこにはいい感じに冷たそうなアイスコーヒーとテレビなどで見るような食欲を掻き立てられるようのな重厚感あるカツサンドだった。


「コーヒーです」


 僕の方に出されたのはシンプルなコーヒーだった。


 なるほど、余計なトッピングはいらず、シンプルな腕前を前面に押し出してきた。


 僕は、出されたコーヒーを飲む。


「とてもおいしいですね。」


「そう言っていただき、ありがとうございます」


 芳ばしい香りに包まれながらも味は苦みと酸味のバランスがまろやかに仕上がっており飲みやすく清涼な後味が残る美味しいコーヒーであった。


 長年の技術から僕に向けに苦さが少し抑えられているように感じる。


 流石だと思う。


「マスターのコーヒーは美味しいだろう。ここのコーヒーはオーダーメイドコーヒーと呼ばれているんだ。マスターの長年培われて観察眼とその技術から本人に最も合ったコーヒーを提供してくれるんだ。」


「それはとてもすごいですね」


 なんとなくそうかなと思っていたが、本当にしていたことを聞いて驚く。ここまでのレベルで出来る人など世界でも数人いるかいないかのレベルだろう。


「それぐらいしかできないものですから」


 マスターは謙虚な振る舞いするが、この技術は長い時間を費やして出来るレベルのものだ。そこまでにたどり着くには決して優しい道ではないはずだ。


 イケメンの人がべた褒めする理由に非常に納得する。人生経験が豊富であり、きっと的確なアドバイスをしてくれるだろう。


 そうして僕たちはゆっくりと堪能した。


「とてもおいしかったです」


「ありがとうございます」


 飲み終わったカップや皿をマスターが片付ける。


 非常にいい所だ。住吉や鮎莉、桜木などと一緒に来てみたいものだ。


「とてもおいしかったです。ありがとうございます」


「いやいや、気に入ってもらってよかったよ」


 イケメンの人も上手くいったことに喜んでいる。


「それじゃ、そろそろ本題に入るとする?」


「そうします」


 そして、僕たちはこれから本題へと入っていくのであった。






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