駿人の性格
桜木葵視点
「取り合えず、これで対策会議は終了だ。細かい内容は今日中に読んでおいた方がいいことをお勧めする。」
そう言って、隅風は自分の荷物を片付け始める。
「なんだ、今日はもう解散なのか」
荷物を片付ける隅風に大友君は疑問そうに答える。その疑問も当然だ。前回はすぐにでも作業に取り掛かったし、隅風の性格的にも時間をあまり無駄にするようなことはしない。
「今回において、僕はあまり必要ない。必要なのは自分たちで考えて行動することになる。勉強法を提案している僕は答えを持っている側だ。いたとしても邪魔になるだけだ。だから、僕に自分の出来ることをする。だから、後は任せる。質問とかは後から連絡して」
「そういうことな、わかった」
大友君は隅風の言葉に納得したのか、何事もなかったように隅風が部室から出ていくところを見送る。
「あれよかったの?」
「駿人ならあれでいい。やることが決まったならそれに集中するべきだと思うからな」
必要最低限の行動、確かに無駄のない行動であり、そこにないか言うことない。必要以上のなれ合いをしない所は昔の私の姿に重なる。ただ違うのは、それが異質だとは思えない所。それが二人の仲の当たり前だとなっている所。
男子だからそう言った感じなのだろうか。
「それで私たちはこの後どうするの?」
「駿人の言った通りに、資料を読んだ方がいいだろう。あいつが何か忠告するときは、確実に何かる。それに今回は駿人が考えたものだ。予想につかないものがあるはずだ」
「確かにそうだね」
隅風との付き合いが長いからか、大友君は隅風の言葉通りに、資料を確認し始める。私たちもそれがいいと思い。資料を確認し始める。
私はスケジュールを確認する。スケジュールは基本的に週5でつまり学校に来る日に勉強を入れて、休日は休みとなっている。
そして、テスト期間前日までには終わるようになっており、そこからテストまでの時間はもしもの場合の予備期間として扱うようになっている。そこに問題は特にない。
ただ、予定から見るに、明日から勉強を教えることをしないといけないので、その準備を私はしないといけない。大体のところはすでに予習としてしているので、内容に関してはそこまで苦戦することもないはずだ。
そして、隅風が作成した具体的にやることを見ようとして瞬間だった。
「おいおい、これ冷静に見たら有り得ない量をやれと書いてないか!」
「うわ、本当だ!こんな量出来る訳ないよ」
先のその所を見た鮎莉たちが有り得ないと言っている。
私も急いでその内容を見る。
「確かにそれはきついかも」
そこに書かれていたものは各教科、合計100ページ以上の範囲が掛かれており、酷い者で数学は150ページ以上はある。
私単独でするならば、可能だが、これを教えるとなるとかなり厳しいかも知れない。そのように書かれていることを注意深く見ると、ある事に気が付き、私は急いで教科書を取り出して、書かれているページを見る。
「なにかあったの?」
その様子を見た鮎莉がこちらに問いかけるが、私の手は止まらない。そして、あることに気が付く。
「ページ数が多いように見えて、所々重要性がない所やまとめれば、すぐに終わることろもある。これなら、ギリギリまで上手くまとめれば終わるかもしれない」
きっとこれは隅風が考える限り私ができるギリギリを出しているのだろう。
「そうだった、あいつはやる時はかなりスパルタだったんだ。いつもは相手の事を考えて加減していた忘れたが、無謀なことをするときはいつも相手にギリギリを求めるやつだ、」
大友君は重要な事実を思い出したのかように、頭を抱えている。
これが、隅風の考え方であり、きっとこれまで彼がしてきたことなのだろう。
私はかなり厳しい状況に置かれているのにも関わらず、気持ちは少し熱くなっていた。ここに書かれているのは隅風が出来ると考えたもの。
ならば、それを超えたいと考える私がいる。
今までになり体験に私は期待を膨らませる。




