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決戦バトミントン

「さて、チーム分けをどうするか?」

「普通に、私と住吉。葵ちゃんと隅風くんで良くない?体育の授業でバトミントンがあった時、葵ちゃんとても強かったし」

「ありがとう、鮎莉」

「僕も賛成だ」

「なら、決定だな」


 鮎莉の発言もあり、チームはすぐに決まる。今までの傾向上住吉と桜木の実力は体格と経験上、住吉の方が少し上だったが、バトミントンは住吉はあまりしていないので、体格では住吉が経験なら桜木がといった感じで、いい勝負になるだろう。


「ルールは2セット先に取った方が勝ちでいいか?」

「いいよー」

「わかりました」

「了解」


 そういうことで、公式ルールを基本として20点を先に2セット取った方が勝利ということで決定した。


「勝ちましょうね!隅風」

「ああ、勝つか」


 取り敢えず、ペアごとでの作戦タイムになった。


「どうする?」

「そうだな、まず速攻はキツイからな」


 住吉はきっと体格差を活かした、パワープレイをしてくる可能性が高い。桜木は知らないが体格上、どれだけ上手く打とうが、住吉の力に勝ることはないと思うので必然的にこっちは受け身になってくるだろう。


 そうなると、今回の勝ち筋は如何に住吉の猛攻を上手くいなして行くかが大切になってくる。


 その話を桜木にするとなるほどといった感じで納得する。


「それならば防御に強い陣形でいきますか?」

「いや、それだと僕が集中的に狙われておしまいになるだけだ」


 自分で言っていて非常に悲しいが、僕が何の対策もなしに住吉のスマッシュを受け流せるかというと、無理に近い。大体10回に1回防げればいい方なので、そんな事をしていたら普通に負けてしまう。


「桜木は住吉のスマッシュとかに対応できそう?」

「いきなりはキツイかもしれませんが、数回慣れればいけると思います。」

「なるほど」


 そうなると、大分方針が決まってくる。


「第一セットは捨てて、次のセットのために使おう。桜木は第二セットを確実に取れるようにするみたいなことはできる?」

「大友くんの実力が分からないので断定はできませんが、拮抗するのであれば第2セットは取れると思います。」

「なら、作戦は決まった。第一セットは捨てて、第二セットを取って、第三セットまでに住吉を体力切れに持ち込めれば、総合力で勝てる。」

「分かりました」


 住吉の弱点は体力があまりないことだ。そこを上手く利用すれば住吉の力は半減する。それなら勝てる。


 だが、これだけだと粘られたら危うい。もう一つぐらい保険を掛けておくべきか。


「桜木、もう一つ頼みたいことがあるんだがいいか?」

「はい!なんでも言ってください」

「第二セットまでの試合、原則僕は端で何もしないから、一人で頑張ってくれないか?」

「はい、任せてください」


 僕の無茶振りなオーダーに対して桜木は快諾する。何か言われると思ったが、予想外の反応に驚く。


「私が第二セットを確実に取るので、最後は任せますよ?」

「ああ、しっかり期待に応えるよ」


 交渉などで対策さているとから、色々と協力して行動していた為か、必要最低限の説明をするだけで済む。


 互いの性格も分かっているのか、安心して自分の役割に努めることができるのも、かなりいい。


 そうした、作戦会議は終わり。試合が始まる。


「先攻は駿人チームでいい」


 住吉の言葉に従い、こちらが先攻になる。


 僕達は最初に決めた通り、僕はコート左端に移動して桜木はコート中央に構える。


「きょ、、、極端すぎない?」

「なるほど、これはキツイかもな」


 僕達の陣形を見て、僕との関わりがまだ浅い鮎莉は信じられないといった感じな表情し、僕との関わりが深い住吉は僕が何をしようとしているのかを察したなか、表情が引き締まる。


 僕達の極端な陣形に対して、住吉たちは、住吉が前、鮎莉が後ろといった攻めに特化した陣形だ。


「始めますね」


 その言葉を合図にして桜木は始まる。


 桜木は第一打は鮎莉と住吉のちょうど中央に落ちていく。最初の一打は二人の連携がどれぐらいのものなのか、確認をするつもりらしい。


 それに対して、住吉は素早く動き、強烈な返しをする。鮎莉はそうする事をわかっていたのか、一切動いていない。


 いきなりの強烈な返しに対して、桜木は対応が出来ず、甘い返しをしてしまう。


 それを見逃すことはなく、住吉は全力のスマッシュで返していく。


 パン!という心地よい音と同時に猛烈な速度でシャトルが返ってくる。


 桜木は反応して動くが、シャトルに接触することも出来なく、最初の得点は住吉チームになる。


 ちなみに、住吉のスマッシュが早すぎて僕は反応することすら出来なかった。


「おいおい、最初から飛ばし過ぎじゃないのか?」

「駿人に時間を与えたくはないからな、速攻で終わらせてやる」


 こちらの長期戦目的は見破られ、早々に勝負をつけようと全力を出している。


 少し前のシューティングゲームでもわかっていたが、勝負をするなら全力といった性格なので、こちらを全力で出来て楽しい。


 普段の勝負はふざけたりして緩く遊ぶのだが、今回は桜木という張り合いがある相手もいることがいつも以上に熱が入っている。


 そうして、こちらの作戦を正面から打ち砕こうとする住吉チームとそれを上手くいなそうとする桜木チームの戦いが始まった。



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