表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/244

27.ふぃにあちゃんですけど何か?

フィニア視点です

《sideフィニア・ツバキ》

ゴトちゃが情報操作をして誰かのために動いている。そしてふぃにあちゃんが、それに手を貸せている。

それは、何よりもうれしいこと。だって、それはふぃにあちゃの小さい時からの夢だから。


ふぃにあちゃんがゴトちゃんに初めて出会ったのはまだ小さい時のこと。

その時も当然ゴトちゃも小っちゃくて、でも、それなのにとても大きく見えた。その時はちょうどふぃにあちゃとお姉ちゃんが一緒に食い扶持を減らすという目的で違法奴隷として売られそうになっていたんだけど、


「違法奴隷か、見過ごせんな」


たったその一言で、大人たちはその手を完全に止めた。

ただ、すぐに声の主であるゴトちゃを見つけて、


「こ、子供か。驚かせやがって。ふざけたことしてねぇでとっとと帰れ…………あぁ。いや、帰らなくていいぞ。お目も一緒に奴隷として売ってやるよ。やっぱり姉妹だけじゃかわいそうだし、()()()も一緒にしてやらないとなぁ」

「馬鹿だなぁ。何も知らないふりをしていれば痛い目に合わずに済んだのに」

「無駄に正義感の強いガキは大した額にならねぇんだけどな。まあ、うるさいガキをしつけたい変人もいないわけじゃねぇし、いいご主人様をせいぜい探してやるさ」


下品な笑みを浮かべて、ゴトちゃを奴隷として売るなんて言いながら馬鹿みたいに笑っていた。

でも、


「んむ。今までの会話と映像はすべて記録させてもらったぞ犯罪者共。警戒心がないにもほどがあるな」


「「「「っ!?」」」」


ゴトちゃはそう言って脅した。今までの下品な顔が一瞬で変化して、驚く様子が目に入ってくる。

それにフィニアちゃんとお姉ちゃんは希望を持った。

でも、


「ハハハッ!」

「何だよ。記録かよ」

「ギャハハハッ!うかつなんじゃねぇよ。警戒しなくても良いってことなんだよ!」


大人たちは笑う。そんなもの何の意味もないとばかりに。

何かがツボだったのか無駄に長くその人たちは笑って、やっと笑いが収まったところで今まで以上に下品で見下すような顔をしながら、その笑いの理由を語り、


「俺たちはなぁ。警備兵にもつながりがあって、貴族様ともつながりがあって、商人にもつながりがたくさんあるんだよ!おまわりさんに行ったって、何も変わらねぇんだよぁ!逆にお前が捕まるだけだっての」


大人たちはつながりがあった。権力とのつながりが。

そんなものがある所為で捕まらないし、何をしたって許される。警察は勿論、貴族なんて言う単語が出てきた時点で勝ち目なんてなかった。

いや、なかったはずだった。

だけど、


「ふぅん。だが、どうせお前らの協力者なんだから警察でも貴族でも小物なんだろ?」


「なっ!馬鹿なこと言うんじゃねぇよ!俺の仲間は………」


大人たちの口から、協力者の名前が語られていく。その時の私にはわからなかったけど、たぶんそこそこ警察でも偉い地位にいる人も含まれてたみたいだったし、貴族の中でも子爵家の名前が何人か出た。


「ん~。意外と深くまで腐敗してるんだな」


「ふんっ。今頃おじけづいたっておせぇぞ。お前はこれから奴隷になるんだよぉ!!」


「そうか………じゃあこれは、晒すことにする。民衆に」


「「「「っ!?」」」」


録画データをゴトちゃが触る。

告げられた言葉が予想外だったみたいで、大人たちは驚愕。


「さ、晒すって」


「そのままの意味だ。警察に行っても意味がないなら、民衆に知らせればいい。お前たちの仲間の名前もしっかりと記録させてもらえたし、こんな犯罪者に貴族が関わっていたなんて話が出回れば…………どうなるんだろうなぁ」


ニヤッとゴトちゃが悪い笑みを浮かべ、大人たちを見る。

決して正義の味方のような表情ではないけど、ふぃにあちゃんはずっとその顔を覚えてる。あれこそがふぃにあちゃんとお姉ちゃんを救ってくれた笑みで、


「ふざけんな!お前たち、やるz、グボォッ!?」

「っ!?ど、どうしたんd、ガハァッ!?」

「な、何が起こっ、ゴハッ!」


全てを薙ぎ払ってくれる笑みだったから。

大人たちは次々に倒れ伏していき、意識を失っていく。そのあと聞いた話だと魔力制御が荒くて全員気絶されることはできなかったってゴトちゃは悔やんでたけど、そんなの関係なくとても圧倒的で、かっこいい光景。


「さて。とりあえず晒したし、あとは民衆がどう動くかがカギだな。あいつも邪魔そうにしてた貴族の名前もあったし、丁度良いか…………………さて、お前たち」


「「ひゃ、ひゃいっ!?」」


ゴトちゃに視線を向けられて、お姉ちゃんと2人で肩をはねさせた。

ゴトちゃはその様子に苦笑しつつも、先ほどとは少し違った柔らかい笑みで、


「良ければ俺と一緒に来ないか?このままだとまた似たような奴らに捕まるかもしれないぞ」


そんな言葉と共に、手が差し出される。

ふぃにあちゃんたちは、頭で考えるより先にその手を取っていた。今でもその判断が間違っていると思ったことはない。

ゴトちゃに保護されたふぃにあちゃんたちはゴトちゃが今の伯爵にもらったとかいう土地に連れて行ってもらって、そこで事情を話した。事情を理解したゴトちゃはそれぞれに将来の提案をしてきて、


当然承諾した私はこうなったというわけ。


「さてさて。それじゃあ撮影頑張ろう!ふぃにあちゃんもいつかは、ゴトちゃみたいに影響力でだれかを守れたら良いんだけどなぁ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] フィニアが「情報を扱う」事に対して適性と興味を見せたとすれば、 もう一人はその場で主人公が見せた「力」の方に興味を見せた可能性が……
[一言] 姉も逸脱者かな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ