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23.少数行動ですけど何か?

大規模戦闘なので話が長くなってしまう………次回からの改善点ですね

俺たちの乗る船と、足の速い小型艦と、そしてフィネーク。

中央の支援に行ったこのメンバーで敵の数をほどほどにひきつけるのが目的である。

実際にダリヤはこの船の中から戦闘機体を操っているわけだし、もしどこかで内通者がいたらこの船はかなり狙われることだろう。


「二等兵に攻撃をさせろ。できるだけ直線状に飛び、二等兵の照準が定まりやすいように調整だ!」


「「「「イェッ、サー!」」」」


俺たちは直線状に、敵とすれ違うようにしながら艦隊から離れていく。

そして敵の射程にぎりぎり入るかという段階、ではなくその以前から、


「命中。中型艦1隻を大破させ、周辺の小型艦のシールドをかなり削ったように見えます」


「良し。その調子でやらせろ。今回は少しでも敵の頭数を減らすのが目的だ。特定の船ではなく敵の密集区域へ積極的に攻撃しろ!」


フィネークの狙撃が本当によく役立ってくれる。

情報は事前に持っていただろうが、射程外からの狙撃というのは少なからず敵に動揺を与えられたようである。数隻こちらに向かって艦首を曲げてくるのが確認できた。

ただそれらが来る前に、


「2射目。敵小型艦に命中。2隻が中破、3隻小破です」


「ふむ。生き残ってはいるが、この集団の速度に合わせてはいられなくなるな。周囲が少しごたつくだろうし良いだろう」


戦場において面倒なのは、死んでいないが戦えない味方だ。見捨てるのは心が痛むしもし生き残られた場合恨まれかねず、だからと言って保護すると時間のロスにもなるしお荷物になる。

今回の場合は速度が大切だというのに、それを保護するとなると犠牲にしてしまうことになるのだ。

しかも、団体行動中に途中でうまく動けない存在が出ればそこが少し詰まってしまうのも問題だろう。


「あっ。敵の中破した船は周囲の船から攻撃を受けて()()されましたね」


撤去。

つまり、敵の船は邪魔になったからという理由で味方から攻撃を受けて消滅させられたのだ。

冷酷な判断ではあるが、戦場においては正しいと言えなくもない判断だな。船に乗る味方の命とミッションを達成することで救える自国民の命を比べれば、どちらが重いのかなど一目瞭然なのだ。

………戦場というのは、例外なく命に価値がついてしまう悲しい場所なのである。


「敵は判断が早かったな。指揮官がいるのか」


「そうですね。その可能性が高いと私も思います」

「旗艦がいるようであればフィネちゃんに狙ってもらうんですけどねぇ」

「あの混雑具合を見る限り、旗艦は中央の味方に守られた位置にいそうだけど?」


指揮のできるものが敵には残っている。それは間違いなさそうだった。

実際敵が出てきた側ではまだフィネークが上手く活動できておらず、旗艦を沈めたりできていないのだ。

できることなら今からでも沈めたいところではあるが、直接狙えるような表層にはいないと思われる。


「中央か。それならそれで、仕掛けた機雷の影響を受けてくれる可能性は高いが」


「それもそうですねぇ。周囲は優秀な船が囲ってくれているんでしょうけど、機雷で前方が止まれば確実にその優秀な船も事故で損傷を出すはず。そうなれば確実に焦りが生まれるでしょうし、こちらにとっては大きなメリットになるわけですか」


部下が解説してくれる。まさしくその通りだ。

ただ多少の焦りを生み出せたとしても、相手の指揮官の優秀具合を見る限りその焦りがミスにつながるということはあまりないように思えるがな。


「あっ。報告忘れてましたけど3射目で大型艦中破で小型艦2隻小破させてます。驚いたことに大型艦も処分されましたね。で、4射目でフィネちゃんも慣れてきたのか小型艦3隻中破で2隻を小破させました。もちろん中破した船と小破した船の中で移動能力が低下した船は処分されてます」


「ふむ。慣れか。そこでも慣れが出るというのはある意味恐ろしいものだな」


「そうですね。ただ特定の艦に当てるというのもかなりすごいですが、中破程度にとどめるものを数隻出すというのはそれ以上ですよ。しかもこの船にドッキングして移動しながらですからねぇ」


沈めないでギリギリ動かせる程度の船を量産することに慣れてきたようだった。フィネークの才能が凄すぎるな。本当になんでそれで乙女ゲーの主人公なのかが謎だ。

そして敵のまとまり具合にも同時に感心させられる。

あんなに処分を繰り返しているのに恐怖して逃げる船がないというのが珍しいな。相当愛国心が強い連中が乗っているのか、それとも指揮官が非常に優秀なのかのどちらかだろうが。


「手に入れられるのであればぜひとも欲しい人材だな」


「少将。たまにすごい優秀な敵を見た時にスカウトしようとするのはやめてください。向こうから鼻息を荒くしてスカウトされたいって言ってくる相手以外は信用できませんからね?」


「ふむ…………それは自分のことを言っているのか?」


「は、はてぇ?何のことやら?私は戸籍上この国で生まれてこの国で育ったしがない兵士のはずなんですけどねぇ」


元敵の指揮官だった奴が何か言っていた。

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