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令嬢×戦い

ハイファンタジー日間72位に入りました。


読んでくださった皆さんのおかげです。

ありがとうございます。


これからも精進して参ります。


よろしくお願い申し上げます。


 私の名前はフィン・マウル・ルミエールである。とある事情で、貴族の子供になったが、私は転生者である。


 更には、物語の主人公なのだ。

当然神童と呼ばれて、有名になるものだと思っていたのだが...


 なぜだろう。一部の教師連中からの、評判がよろしくない。


 一度じっくり、話をしなければならない。

何がいけないのかについて...


 かなり、努力はしてるつもりである。

好きな事をだがな! 


 そう! 私は頑張っていると言いながら、いずれ追放される為に、戦闘力をあげる事にばかり、熱心であったのだ。


 魔法使いの教師を募集したいです。

父ペルギウスに、お願いはしている。


 所詮はいつの世も、弱肉強食である。

私の長所は魔法! ならば魔法と拳を鍛えるのが男道!! この左ジャブなら世界を...


 もちろん、歴史より地理を好んだ。

なんせ、うさぎとモフモフパラダイスをしなければならない為に、最終目標地域を、探さないといけないからだ。


 今日もまた授業だ。今日は苦手な、礼儀作法の授業まである。あの教師はケチばかりつけやがる。オナラを出させる魔法があったら、かけまくってやるのに...


「かなり憂鬱だ。つまらない! 冒険に出たい」


 貴族は自由がない事が、不満だった。

うさぎ仙人! もう一回、設定やり直し希望! ーー駄目か...


 まぁまだ、致命的なミスはしてない筈だ。

もう少しだけ、大人しくしておくとする。

 私は八歳になった。

本日はまた晩餐会がある。

貴族はどうして、パーティばかりするのか


 それは、パーティで情報交換や外交、法律さえ決まったりする、大事な場であるからだ。


 しかし、私にとっては、ボロを出さないかヒヤヒヤする場でしかない。まぁデビューするのは、最低十二歳以降であり、ただのお飾りだから、気はまだ楽ではある。


 だが誕生日以外、一度も楽しめた試しがない。

なるべく、誰とも関わらないようにしている。


 しかし、奴が現れた。

パンツ女だ!! 名前はミルキーらしい。


 甘そうな名前の癖に、全然甘くない。

なぜなら前回、この私にざまぁを、決めたからな! 


 私は、マジで逃げ出す五秒前である。

しかし、ミルキーは私を見つけると、悪い笑みを浮かべる。


 怖いんだが! なんだその笑顔は? 

私は警戒心マックスで、そろりそろりと後ずさる。


 ミルキーも、そろりそろりと忍び寄る。

この世界の女性とは、逃げる相手を追いかけるのが、趣味なのであろうか? 


「私からどこまでお逃げになれるかしら?」


「ーーお許しください」


 いつの間にか、庭に出てしまう。

追い詰められた、ネズミの気分である。


 もしここが闘技場なら、こんな惨めな思いを、しなくて良い! 余裕で勝てる自信がある。


 だがここはパーティ会場である。

社交力は、余裕で負ける自信があった。


 私を壁まで追い詰めたミルキーは、

まさかの壁ドンをして来た。

いやいやいや! 普通、逆じゃないかと言いたい。


「貴方も恥ずかしめを受けるがいいわ! おっほっほっほ〜」


 そう言うと、私のズボンをずりおろして、

ケタケタ笑いながら去って行った。


 どんだけパンツの恨みが深いねん! 

私はなんとも言えない、敗北感を味わった。


 ミルキーの父親に、貴方の娘への教育はどうなっているのか、小一時間くらいかけて、問い詰めたくなった。


 こんな仕打ちは、前世でも受けた事がない。これは完全に舐められている。

ギャフンと言わせなければ、ならないだろう。


 ズボンをしっかりと履いてから、作戦を練る。さぁて、ミルキーギャフン計画の始まりだ。いや、第二次ミルキー大戦の始まりである。


 男には引けない戦いがある! そうそれは今だ! 小娘程度に負けて、貴族などやっていられるか〜


 私はミルキーの肩を掴み、こちらに振り向かせる


「悪い事をする貴方に、私の怖さを教えてあげよう」


 私はシャンパンを口に含むと、ミルキーに口移しで注ぎこんだ。


 すると、ミルキーは顔を真っ赤にして、酔いだしたのだ。


 私はすぐに、ミルキーの父親の元に向かい、こう告げる。


「あのすみません。ミルキーお嬢様は、未成年なのに、お酒を飲まれて、絡んできます。注意してください。私はズボンまでずり落とされました」


 一筋の涙を浮かべて、演技もバッチリである。


 そして、何食わぬ顔で逃げ出した。

後はざまぁ返しを受けないように、物置部屋で、隠れてやり過ごす...


 

 一時間後、案の上叱られたであろうミルキーは、私を探し回っていた。


「フハハハハ! シャンパンぶち込んでやったから、そう簡単に探せまいよ!」


 私は一人で、勝利の余韻に浸っていた。

しかし、父ペルギウスもまた、私を探していた。


「父様! 助けてください。酔った女性に絡まれて、ズボンをずり下ろされました」


「それはミルキーお嬢様の事かい? 彼女は公爵令嬢じゃないか! 寧ろ光栄な事だよ」


 父ベルギウスは、微笑ましく思っているらしい。しっかりエスコートするように、とまで言われてしまった。


 味方がいない! 打つ手札を探す。

そうだ! 祖父ジョセフの側にいよう。


 頼りになるからな! 私は祖父ジョセフを探す。運が良いのか悪いのか、祖父ジョセフは、ミルキーの父と話している。


 ええ〜いままよ! 私は祖父ジョセフの背中に張り付いた。


 よし! これで打てる手は打ち尽くした。

後はミルキーがどう出るかだ。


 すると案の定、ミルキーはやって来たのだった。


「ルミエール伯爵ご機嫌麗しうございます」


「おーミルキーお嬢様! お懐かしうございます。ほらフィンも挨拶しなさい」


 えっ? 祖父よ! このお転婆娘と面識あるの? 


「フィン・マウル・ルミエールです。よろしくお願い致します」


「実はルミエール伯爵! フィンと遊んでいたら、見失なってしまったのです」


「おーそうでしたか! フィン! 遊んできなさい」


 く! 万事休すである。


 私はミルキーに腕を掴まれると、別室に連れて行かれた。


「よくもやってくれたわね! 私は公爵令嬢なのよ! 二度も私に恥をかかせるなんて、覚悟できてるんでしょうね」


 こうなればやぶれかぶれだ! 


「ミルキーお嬢様! ここは貴族の社交場です。お上品になさってくださいませ! はしたないですよ」


 まずは礼儀作法の先生を真似て、挑発をしてみた。絶対にミルキーも、同じ事を言われているはずだ! さぁどうする? ミルキー


「失礼致しました。しかし、殿方から接吻を受けて、更には、お酒まで呑まされたとあっては、女として問いただしに行くのが、礼儀というものでございます」


 くそ〜口で叶わなさそうな感じが、ヒシヒシとして来た。ならば...


「ふん! 接吻の一つや二つで動揺するなど、お子ちゃまにはまだ、早かったみたいだな! ガキとの恋など胸焼けしそうだぜ!」


 今度は、ハードボイルドで言い返す。


「誰が好きなんて言いましたか? そのふざけた態度、万死に値します」


 すると、ミルキーは隠し持っていたシャンパンを私の口にツッコミ、どんどん流し込んでいく...


 ーー私は意識を失ったのであった。



 私は気がつくと、素っ裸で、部屋の柱に括り付けられて、あそこにチャイルドソードと落書きをされていた。


「あのクソ女〜!!」


 またしても私は、ざまぁをされてしまったのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ちゃんミル、キター!(*'▽'*) がっつり、やられたらやり返せ、ざまぁ返しだぁ!! お互いざまぁなところは感じなくもないですがお子様ですので……喧嘩するほど……?
2021/03/05 17:48 退会済み
管理
[良い点] 好きなことばかりやってれば怒られますよね笑 ミルキーを出し抜いたと思いきや、まさか縛られて男としての侮辱を受けるなんて!笑 女性に軽々しくやってはいけない行為なので私的にはスッキリしました…
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