表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/139

キスの魔法


 身体が固まる、空気の流れが止まる、時間が止まる……。

 泉の唇が僕の唇に重なっている。


 目の前に泉の顔が、目をつむっている泉の顔が……近すぎて焦点の合わない顔が、ぼんやりと見えている。


 柔らかい唇の感触と泉の甘い匂いが僕の脳に襲いかかる。


 パニックと冷静さが頭の中で混在する。


 僕は……今、僕は泉と……憧れの天使とキスをしている。


 数百回……いや、数千回……泉とキスをする想像、妄想を今までしてきた。

 色々なシチュエーションを想像してきた。


 ご都合主義の妄想……僕が泉に惚れられ、向こうから告白……そして付き合い、デートをする……そして旅先で、京都の大文字焼きを見ながら、長岡の花火を見ながら、函館の夜景を見ながら……僕の空想できる範囲で、テレビや写真で見た美しい風景をバックに、イメージ出来る場所で……そんなシチュエーションを妄想しながら、憧れの人とキスをした。泉とのキスを夢見ていた。


 今……それが現実となる……ただ想像していた場所では無かった。こんな想像はした事が無かった。


 僕の初めてのキス、その場所は、僕の部屋の僕のベットの上……。


 僕のファーストキス……その相手は妹……義理の妹……そして憧れの人。


 何度もキスをしていた。色んな角度色んな方法で……壁を相手に、鏡を相手に、布団を相手に、枕を相手に、シミュレーションは完璧だった。


 でも現実は……何も出来ない……動けない……時間も身体も一切止まっている、そんな感覚……。


 ただただ、唇の感触だけが、泉の唇の感触が僕の唇から脳に伝わる……泉の甘い匂いが鼻を介して脳に伝達される。

  他の感覚のスイッチを脳が強引に切断して、その情報だけを取り入れようとしている。

 

 でも、その二つの情報だけで、僕の脳はどうにかなってしまいそうになる。


 どうすればいい?……僕はどうすれば? 突き放す? 抱き締める? 舌を……。


 時間がわからない……泉の考えがわからない、自分の考えがわからない……。


 感触だけが冷静で、それ以外はパニックを起こしている……。


 そして、もう……このまま、ずっと……一生このままでいるんじゃ無いかと思い始めた瞬間、泉の唇の感触が不意に消えた。


 泉が僕の唇から自分の唇を離す。僕は微動だにしていない。

 唇が離れた瞬間……僕の心に穴が開く……物凄い喪失感が僕を襲う。


 僕は唇が取れた様な錯覚に陥り、思わず自分の唇を触った。


 良かった……唇は付いていた。


 僕は自分の唇を押さえながら、泉を見る……ゆっくりと僕の視界から泉が離れていく、アップだった泉の顔が、ボヤけていた泉の顔が、段々とはっきり見えてくる。

 泉は顔を赤らめ、僕をはにかむ様にじっと見つめながら言った。


「ふふふふ、しちゃった」

 ペロリと舌を出す泉……さっきまで僕の唇と重なり合っていた唇からピンク色の舌を出す。その舌が泉の唇に触れるのを見て、僕は思わず間接キス……って思ってしまう。

 現実感が無い……夢の中の出来事の様だったから……。


「…………嫌でした? お兄様……」

 僕は何も言えずにボーッとしていると、泉は少し不安そうな顔でそう言って来る。

 

「──嫌……なわけ無い……よ」

 嫌なわけない……そんなわけない……でも……でも……。


「……良かった……私の初めてを……お兄様に貰って頂けて……私も……嬉しい」

 頬を赤らめ泉は僕を見てニッコリと笑う。

 天使の微笑み、いや……これは悪魔の微笑みなのかも知れない……堕天使の微笑み……。


 だって僕はもう……この事を一生忘れない、一生忘れられない……そしてこの先泉を一生思い続ける事になる。


 何があっても……僕は一生忘れる事の出来ない魔法を……いや……呪いをかけられた。


 堕天使からのキスという……呪いを……僕はかけられてしまった。


 



 




これで一区切り、集中投稿終了します(  ̄ー ̄)ノ

他の作品をそろそろ更新しないと……。


次の更新はブクマをしてお待ち下さい((*゜ー゜)ゞ⌒☆笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
     新作!         
  同情と恋の違い 元アイドルの美少女が責任を取りたいと僕の前に現れた。          
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ