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23 (狩った得物は食べる物)

「ロウさん…そこ右です。」

『みぎ、どっち?』

「こっちです…。」

 ロウさんの視界に矢印が表示させ、誘導します。

『助かる』

「ストップ…壁に背を向けてしゃがんで下さい。」

 ロウさんが壁に背を向けてしゃがみ、敵兵の巡回をやり過ごす。

 やっぱり、意思疎通を円滑に行うには『ピクトグラム』が便利です。

 ロウさんの母国語が狼語らしいので、トニー王国語で話すと 少し時間が掛かるので、DL用の戦闘ピクトグラムを使い誘導します。

「ロウさん…囲まれました。

 2人の狩猟(ハント)をお願いします。」

 ロウさんの視界に敵兵が赤の枠で強調される。


 ロウは ボーラを構える。

 ボーラは3つ石を別々に紐で縛り、それを一ヵ所に結んだものだ。

 この石、重い、良い石

 ロウが 縛っている石は赤や青の宝石…近場の石がそれしか無かった。

 ロウは ボーラを縦にゆっくりと回す…。

 回し過ぎると紐から風を切り裂く音が出て来て 得物に気づかれる。

 得物の2人は 背を向けていてロウには まだ気づいていない。

 ロウは ボーラの回転速度を急激に上げ、風を切り裂く音が聞こえる。

 高速回転の状態から手を放されたボーラは石が広がり、一瞬で得物まで到達する。

 得物が音に気づき こっちを見た時とボーラが当たるのは ほぼ同時だった。

 遠心力で極限まで加速したボーラは 得物の頭を陥没(かんぼつ)されるには 十分な威力を生み出す。

 隣の得物が頭にボーラが当たり,倒れ行く仲間を見る…その頃には ロウは走り加速をしている。

 獣人特融の腕力で 放たれた拳が得物の腹に命中し、肋骨や内蔵を破壊し吹っ飛ばす…。

 壁に叩きつけられ…動かなくなった。


『ハント、終わった。』

「それでは 隣の部屋に隠してください。」

『分かた…。』

 ロウさんが男を軽々と持ち上げるが、ロウさんの身長が低い事もあって引きずる形にで、近くの部屋に行きます。

『ここ、キッチン無い…食べれない。』

「何を食べるのですか?」

「ハントした死体…ワイズの一族、無駄な殺し、しない…食べる分だけ狩る。」

 ロウさんは 手を組み、死体に頭を下げる。

「いやいや、ロウさん…流石に1人で食べれませんよね…。」

『頑張る。』

「いや頑張らないで…え…そうですね 事件が終わった後にリサイクル炉に持って行ってはどうですか?」

 ジム()が慌てたように言う。

 流石に砦学園都市の都市民になろうと言うヒトが 食人行為をやるのはマズイのです。

「りさいくる炉?」

「そうです。人の身体を分解して食料にしてくれる所です。

 ここに持っていけば 皆さんのご飯に代わります…後で皆さんで食べましょう。」

「分かた。そうする。」

 私は『はぁ』とドラムなのに ため息を付いた。

「さて…少し急いでください…発見されたら厄介です。」

 ロウさんが4足で走ります。

 監禁場所は 大体検討が付いています。

 トヨカズさんのゴリアテを偵察に使い…敵の位置から監禁場所を割り出します。

 ジェームズからの連絡が来ない事から電波が使えない電波暗室なのでしょう。

 効率が良い立地を探し…それが地下です。

 地下の場合、DLによる壁抜きも出来ません。

 まさか暢気(のんき)掘削(くっさく) 出来るとも思えませんし…。

「この下ですね…。」


 地下は牢屋が並んでいて 奥の貴賓(きひん)向けの牢屋には 4人の見張りがいます。

「ここですね…確認しました、ロウさんは退避してください。」

『分かた。』

 ロウさんは ゆっくりとその場を離れます。

 空中を高速で移動しているのは トヨカズさんが持っていた『ゴリアテ』…。

 手のひらサイズで重さは200g…。

 索敵とゴリアテ自体の爆発による攻撃…安くて、正確で、確実に目標を破壊出来ます。

 その威力は エアトラで無数のゴリアテが空中散布され、軍の歩兵だけをピンポイントで全滅させたとか…。

 ゴリアテのプロペラが発する蚊の羽ばたき音を大きくしたような音に気づき、見張りがハンドガンで撃ち落とそうとしますが…ゴリアテの機動性なら避けられます。

 2機のゴリアテが扉の前に接近…装甲がセムテックスで作られている爆発装甲が起爆され、見張りの4人もろとも扉を拭き飛ばします。

 通信が回復した所でジェームズ達にコールします。

「お向かいに上がりました。」


「もう少し穏便な解決方法は無かったのですか?」

 煙が立ち昇りスプリンクラーが作動して足元に転がっている焼け焦げた死体が冷却されていく。

 その死体を見ながらジェームズは飽きれながら言った。

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