表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/93

挑戦

 注意すべきことを聞いて私はもう一度まどかと接触する。


 今日ここの病院に来るときに制服を持ってくるよう言われて不思議に思ってたけど今になってやっと分かった。


 制服に着替えることで私をより大人に見せないようにするためなんだね。


 ただ汚れたり、破れたりするかもしれないから、その時は保障してくれるって話をしてくれたから安心して近づける。


 もう準備はできた。...........あとは心の準備だけ。


 いまのまどかを治せるのは私だけ。お医者さんだって看護師さんだって、カウンセラーさんだって私達には不可能だって言ってた。


 だって今のまどかは大人を見るだけで無条件で発狂するんだから近づけたものでもないらしい。


 だから今はまどかには申し訳ないけど眠くなりやすいような室温とか、身体に悪くなくて、まどかでも食べれる眠くなるようなものを使って眠ってもらって、その間に検査とかするらしい。


 良くなるためのことをするためにはまどかに負担をかけるってことが矛盾してる。だからできるだけ早く良くなってほしい。


 だから今日私は頑張る。


 一歩も進めないだろう、そんなに早く治ることはないから焦らずにって言われたから私もそう思いながらする。


 でも今日で私の名前を憶えてほしいな。


 ――――――


 深呼吸する。


 一歩踏み出す。


 ノックをする。


 反応なし。


 開く。


 目を閉じて一歩踏み出す。


 二歩目を出す。


 三歩目をゆっくりして目を開ける。


 やっぱりそこにいたのは変わった姿のまどか。


 私の方を睨んでる。


 でもそれで良い。今は少しでも警戒心を解くことからスタートすれば良いんだから。


 リミットは15分。


 それまでに少しでも仲良くなれるように頑張りたい。


「こんにちは」


「...........................。」


 やっぱり反応は返ってこないよね?


「少し近づいても良いかな?」


「...............こないで」


「.........どうしてもダメ?」


「こないで!!」


 これ以上は近づけないか。いきなり距離を近づけ過ぎてもダメって言われたから、もしかしたらこれだけ近づけただけ良いことなのかな?


「分かった。じゃあここにいて私の話すこと聞いてくれる?」


「.....................でてって」


「...................................。」


 どうしよう。最初から拒絶されることは分かってた。でもここで帰ったら意味ない。


 ならもう強引に話をするか。


「私ね今中学生なんだ」


「...............でてって」


「いろんな友達がいて、面白いクラスメイトととかもいて結構毎日楽しいんだ」


「.........でてって」


「部活もやって、友達とバカしたり、くだらない話をしたり、放課後遊びに行ったり色々楽しいんだ」


「....でてって」


「今ね私吹奏楽部に入ってるんだけどね、吹奏楽部ってみんなでいろんな楽器を弾いて一つの曲を作るってことをしてるんだ。私はフルートっていう横向きの笛を演奏してるんだ」


「でてって」


「やっぱりみんなと息を合わせて曲を演奏するって難しいし、練習も難しいけど上手くいった時はすっごい嬉しいんだ」


「でてって!!!!!」


「...............うん。今日はここまでにしとくよ。また明日も来るから私の話を聞いてくれると嬉しいな」


「いいからはやくでてって!!!」


「そうそう、私の名前玲華って言うんだ。覚えてくれると嬉しいな。それじゃあまた明日ね」


「.....................。」


 うんこれくらいで良いでしょう。私がただ一方的に話してただけだけどそれで良い。


 いつかは私の話に興味を持ってくれる。いつかは反応してくれる。いつかは会話をしてくれる。


 それが期待できるんだからまだ救いはある。


 だから頑張れ私!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ