準備
教室に戻ってくると相も変わらず暗い雰囲気でした。ちなみに1時間目の数学は休みました。
サボり?いいえクラスメイトを想っての行動ですから仕方ありません。ええそうです。仕方ないのです。
2時間目は古典なので真面目に授業を受けましょうか。
「ねぇ三ヶ瀬さん?さっき言ったことって..........本当?」
「嘘偽りはありません。むしろオブラートに包みすぎました。
「え.........?あれより酷いの?」
「ええ。聞きたいですか?」
「い、いいや!?そ、そんなことないから大丈夫!!そ、それより!現文の先生って......その.......三ヶ瀬さんたちを虐めた、犯人、なの?」
「はいそうです。名前は知りたくもありませんでしたので知りませんでしたが、顔と声がまったく同じでした」
「小さい頃のことだから勘違いは.........?」
「していないです。今でもはっきりと覚えていますよ。逆に聞きますがあなたなら忘れらますか?3年もの間監禁して、自分達を壊した相手の顔と声を忘れられますか?いつか復讐してやろうと心に深く刻んだ相手を忘れることができますか?」
「...........そうだよね。忘れることなんてできないよね。私だって絶対忘れないと思うもん」
「双子かもしれないという線もありましたが、声まで同じとは双子でもありえないでしょう。」
「まぁ普通に考えれば声まで一緒なのはないよね。私の友達に双子の姉妹がいるんだけど顔は似てるけど性格とか声とかは違うんだよね」
「そうなのですか。ならばアレは本人で確定ですね」
「アレって.......」
「あんなものアレで十分です。..........時間ですね、失礼します」
「あ.........うん。ごめんね引き留めて」
ここまで言っておけば大丈夫でしょう。あの人はいつもまどかさんに付きまとう男子の彼女さんで、彼女自身の交友関係もクラス内で見る限り広そうなので今の情報はすぐに拡散するでしょう。
そもそも彼女が私に話しかけてきたのはおそらくクラス代表としてでしょう。比較的私と話せる人が彼女であって、彼女だからこそ聞いてきたのでしょう。
それにしても知らなくてもいいこと知ってしまったので可哀そうではありますね。まぁ私達に関わるからですよ。
おっとチャイムが鳴りましたね。教科書を準備しませんと。
「よしじゃあ授業を始めましょうか。その前に三ヶ瀬さんと、平塩君は今すぐに下の階にある第2自習室に行くように。そこに成田先生がおられるから話してきてちょうだい」
「嫌です」
「嫌じゃないの。成田先生があなた達の誤解を解きたいそうよ」
「では自分から来い、とお伝えしてください」
「はぁ.......あなた達が起こしたことで他の生徒からも成田先生は不信に思われてるのよ。今は授業をなんとか受けてくれるけど、もしボイコットでもされたらたまったものじゃないもの。だから協力してちょうだい」
「自分がしでかしたことなので自業自得です」
「もし本人ならそうかもしれないけどまだそうとは決まってないでしょう?だから1回でいいから話してきてちょうだい」
「...........護身用の武器を持っていていいなら。何かされたら容赦なく殴りますので」
はぁ、しかたありませんね。
私の手で化けの皮をはがしてきましょうか。




