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驚嘆

「はーい席についてー!朝のHR始めるよー」


 まどかさんの側を離れたくはありませんが仕方ありません。戻らないと怒られてしまいます。


 未だ席替えをしておりませんので、まどかさんの席までには少し距離があります。


 早く席替えをしたいです。なんとしてでもまどかさんの隣になりたいです。


 先生からの連絡事項は私には関係のないことばかりなので聞き流します。私は委員会にも入ってませんからね。もちろんまどかさんも同じく、委員会には入ってません。


 せっかくの2人の時間を害されるのは癪です。しかしまどかさんと同じ委員会に入れるのであれば、考える余地はありますね。


 今日の時間割は体育がありません。これは良いことです。男女別で体育は行われるので、どうしてもまどかさんと離れてしまいます。出来る限り近くにいたい私にとって体育に時間はつまらないものです。


 ですので今日は座学のみの授業です。私は特にこれといった不得意科目はありませんので、数学でも現文でも英語でもなんでも大丈夫です。


 早くお昼休みにならないですかね?そうすればまどかさんとお話しができますのに...........。


 そうは言っても授業はまじめに受けませんとね。しっかりと今日も学ばさせていただきます。



 ――――――――――――――――――――――――



 カリカリと黒板に書かれた数式をノートに写します。この時間を乗り越えたら放課後です。もう少ししたらまどかさんと2人きりになれます。


 チラリとまどかさんを見ると顔を俯かせています。少し船をこいでいるのでおそらく寝ているのでしょう。まどかさんなら授業を少し寝て過ごしても、問題はないでしょう。それぐらいまどかさんは頭が良いのですから。


 ..............そういえば今日のまどかさんは少し変でしたね。口数も少なく、あまり活動的ではありませんでした。


 もしかして体調が悪いのでは?ですがそれなら学校を休めば良いのに.........。


 授業が終わったら起こして聞きましょうか。いえ、それはできませんでした。なぜなら今授業しているのは担任の先生ですから、授業が終わればすぐに帰りのHRになるのですから。


 おや?授業が終わりましたね。早くHRも終われば良いのに。


「はーい授業終わったから帰りのHRすぐ始めるよー。帰りのHRって言っても何も言うことはないんだけどね!部活ある人は部活頑張って!!このまま家に帰る人は気をつけて帰ってね!じゃあ今日はここでおしまい。解散!!」


 荷物を纏めてまどかさんのところに行きます。起きてもらわないと困りますからね。


 ふふふ、可愛い顔で寝ていますね。食べてしまいたいです。


 起こすためにまどかさんの華奢な肩に手を起き揺すってみます。


「まどかさん起きてください。もう終わりましたよ」


「.................うぅん」


「寝ぼけてはダメですよ。早く起きてください」


「...................んー」


 強情ですね。ですが寝ぼけているまどかさんはとても可愛らしいので怒ることなんてできません。


「いつまで寝ているのですか?」


「......................だっこして〜」


 まどかさん?ここは家ではないのですよ?皆さんがいるところでそんな発言は危ないです。危ないですがやはりとても可愛いです。


「..........だっこ〜」


「キャッ!」


 軽く私が悶絶していますと急にまどかさんが抱きついてきました。


 いきなりのことでき受け身を取れず2人一緒に倒れます。


 その途端クラスから黄色い悲鳴が上がります。それも大音量で、です。これに起きないまどかさんはなんなんでしょうね?


 クラスの皆さんが私達の方を見ておりとても恥ずかしいです。なぜなら私が押し倒されているように見えるからです。


 引き剥がしたいですが、まどかさんが完全んい起きてくれませんのでそれもできません。


「リンちゃ〜ん。一緒に寝よ?」


 あまりにふにゃふにゃした声なのでもう恥ずかしさなんてどうでもよくなりました。


 それから私は倒れたまま、まどかさんの頭を撫でます。こうなっては完全にもう一度寝て貰った方が簡単ですね。


 リズムよく母が子を寝かしつけるように背中をポンポンとしてあげます。


 するとまどかさんはすぐに寝息をたて始めました。


 ふふふ、まどかさんが小さい子供になったようで可愛いですね。


 しかしこのままだと私は身動きが取れませんので、保健室を使わせていただけないでしょうかね?


「あの、誰でもいいのでそっとまどかさんを持ち上げていただけませんか?私が背負って保健室まで連れて行きますので」


「.........う、うん!分かった!!」


 近くにいた女子生徒2人がそっとまどかさんを立たせました。その間に私は立ち上がり、背中についたホコリを払います。


「あ、あの三ヶ瀬さん。こういう事ってよくあるの?それに平塩君なんか、ちょっと変だったよね?」


「こういう事?............まどかさんがこうなるのはあまり見た事がありませんね。それにまどかさんは寝ぼけていたので、そう感じたのでしょう」


 ここはなんとか乗り越えなければいけませんね。でないと私が羞恥で死にます。


「そ、そう?でも平塩君なんか口調が砕けてたよね?」


「何かの聞き間違いでは?........あぁ、すみません。私まどかさんを保健室に連れて行かなければならないので、ここで失礼します。まどかさんを立たせていただいたお2人ありがとうございます」


 私は逃げるようにそう言い切り、まどかさんを受け取り、背中に背負います。


 まどかさんは軽いですね。私でも背負えるほどですね。


 それはそうと明日から大変ですね。こんな事を多くの人に見られたのですからどう対処すれば良いのでしょうか。


 分かりませんね。


 私の背中で穏やかな寝息をたてているまどかさんをこの一瞬だけは恨みます。


「...........リンちゃん。大好きだよ」


 もう、人が怒っているのに何ですかそれは。怒ろうにも怒れないじゃないですか。


「私も大好きですよまどかさん。私はまどかさんを愛しています」


 先ほどのことは後から2人で考えましょう。今はゆっくりと寝て下さい。


 まどかさん。おやすみなさい、良い夢を。



誤字報告をしてくださった方ありがとうございます。

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