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81.もういいよ。ここでやっちゃおう(SIDE:ビィト) ※0度目の害虫貴族の駆除回(その2)

ビィト君の堪忍袋の緒がストレスでマッハである……

ん?間違ったかな……

「ならどちらが本物か鑑定にかけてみるか?丁度今ここには鑑定士も居る事だしな」


「貴様の連れて来た鑑定士は信用ならん!!それに、トビアスには教会の司祭様からお墨付きが」


「ちなみに貴殿が懇意としている司祭様だが、書類の偽造や横領で追放処分を受けているぞ」


「なっ、貴様……無罪の者を追放したというのか!?」


「なんとでも言うがいい。あーそれとナドラガンド公爵かっこかり。貴様の息子だが、本当にお前の息子かな?」


「……はっ?決まっておろう!!トビアスは俺の息子だ!!」


「その割には全然似てないな。それにお前が愛してる愛人は元々娼婦だったんだろう。ちょっと調べたら懇意にしてた男は少なくとも5人いる事が判明してるぞ」


「う、嘘をつくな!!あいつは俺が一番と言ってくれたんだぞ!!それに鑑定でも俺の息子と証明されている!!!」


「そ、そうよ!!私はスネイプを愛してるのよ!!他で子供なんて作るわけないじゃない」


「その言葉はどこまで信用できる?司祭に関してもだ。奴は金で偽造書類を用意するような生臭司祭だぞ。愛人に金を積まれて偽造したと考えられないのか?」


「そ、そんなことは……そんなことは……」


「あ、あなた!?」


「ち、父上……?」


 視界はふさがれてるので直接見る事はできないが、声色からして大体何が起きてるか察せられた。

 それはハイジも同様であり、彼女はとても良い笑顔で『ざまぁwwwww』と口にしている。


 本当になぜハイジはこんな性格になったのか……

 いやまぁ、その原因は⑨割程度モヒカン達のせいだろう。


 まだ7歳だから年代重ねると落ち着いてくれる可能性はあるが、高確率で余計酷くなりそうだなっとも感じていた。

 これでは嫁の貰い手なんかないのでは……ついついそんな心配をしてしまう、本当に苦労性なビィトかっこななさいであった。



 なお、父スネイプと偽トビアスとの関係だが鑑定の結果、血の繋がりがない赤の他人と判明。

 それによって父は愛人に『裏切り者!!』っと罵るも、それで罪が……

 正当なナドラガンド公爵家の当主を殺害して家を乗っ取り、さらに本来の跡取りを殺害しての成り代わりを企んだ罪は免れない。

 なのに、父はその事をすっかり忘れたかの如く愛人を罵倒だ。見かねたブリギッテが父の罪を明らかにすれば……


「ち、違うんです!!これは……こいつに騙されてただけなんです!!私は知らなかったんです!!!」


 見苦しく言い訳を述べるも、そんなもの通用しない。

 こうなれば取る手段は一つ。


「ト、トビアス……私が悪かった。許してくれるよな?」


 正式な公爵家の後継者であるビィトに媚びることだった。

 当然そんな言い分はビィトが認めることなく……



「ハイジ……もういいよ。ここでやっちゃおう」


 いい加減なだめるのも限界だった隣の野獣を解き放つ事にした。

 その際にはハイジから『アレをやるよ!!』と言い出したので、ビィトは仕方ないとばかりにその場で仰向けとなって足裏を空に向ける。

 その足裏にハイジが飛び乗り、タイミングを併せて強く蹴り上げる。


 これこそが辺境を治めているアムル家に代々伝わる48の殺人技の一つであり、モヒカン達が得意とする必殺技。


何と人間砲弾(スカイラブハリケーソ)


 概要は見ての通り、相手を高く飛び上がらせるだけというそれだけの技。

 一応副次効果として、蹴り上げる際にはハイジのスカートの中(かぼちゃ)がばっちり見えてしまうわけだが、ハイジとは水や薪の節約という合理的理由で一緒に風呂入るような仲だ。

 散々裸を見てるのだから今更スカートの中(かぼちゃ)が見える程度なんて、全く慌てるような段階ではないっという話はさておき……


 アムル家に伝わる48の殺人技は『殺人』と銘打ってはいるが、大半は見ての通り子供でも簡単に繰り出せるような基本技ばかり。

 だが、アムル家ではその基本技を徹底的に追及し、そこから各自が自己流に改良を加える事で真の殺人技へと昇華させていくそうだ。


 事実、モヒカン達も高く飛び上がった後は剣を思いっきり降り下ろしたり、錐もみ回転を加えながら突進したり、錐もみではなく縦回転で突撃したりっと実に多種多様な技へと繋げて破壊力を高めている。

 中には単純に谷を飛び越えたり崖上へと昇ったりといった移動技として活用してるモヒカンも居るようだが、とにかく『何と人間砲弾(スカイラブハリケーソ)』は使い手の数だけ技の型が存在するらしい。

 なのでハイジもモヒカン達に習って、飛び上がった後にどんな技へと繋げればいいかとビィトを巻き込みながらあれやこれやと考えた。


 その結果、生まれたのが両膝を揃えてまっすぐ標的へと急降下する両膝蹴り。


 名付けて……








「スカイラブコンドルキィィィィィィィィック!!」

ちなみに、お義姉ちゃんが『何と人間砲弾』で親友を打ち出すと、船を一撃で藻屑に変える『スーパー百貫落とし』へと派生するとかしないとか……?

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― 新着の感想 ―
情けない……滅美の美学を求めるのは酷でしたか。典型的な小物だしな~(笑) その技なんだけど別バージョンで下の相方が逆向きになる「低空飛行」と大きい方に変わって二人で飛び必殺シュートを出すバージョンが…
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