65.はっはっは!!俺に逆らう者はこうなるのだ!!!(SIDE:デルフリ)
今回から拷問回。グロ注意?
バシャッ!!
かけた水の量は柄杓で掬った程度なのでそれほど多くはなくとも、覚醒させるには十分だったようだ。
アーデルはうめき声をあげながら顔をあげる。
「お目覚めかしら?」
「えぇ、おかげ様でね」
「ふふふ、相変わらずな反応だこと……自分の立場わかってるのかしら?」
「わかってるつもりよ」
囚われの身であっても、不遜な態度は全く崩さないアーデル。
その気の強さは普段だと苛立つ要因となるも、これからその心を完全にへし折れると思えば……
「デルフリ様。申し訳ございませんが、最初は私にやらせてもらえませんか?」
「フェルトか。何をするつもりだ?」
「大丈夫です。アーデル様には手を出しません。私が手を出すのは……」
フェルトは拷問官から受け取った柄杓で掬い取った水を、アーデルではなく隣のシィプシィにぶっかける。
「うぅぅ……」
シィプシィもアーデル同様にうめき声をあげながら覚醒するも、アーデルとは違ってその反応は鈍い。なので、フェルトは髪を掴んで無理やり起こさせる。
「いい様じゃないか、天下の王太子殿下に散々侮辱しまくったシシィさんよ。何か言うことはあるか?」
「くっ……ころせ」
「そうか。なら望み通りにしてやる……おい!!こいつをあそこに放り込んでやれ」
フェルトが示したあそこというのは、女神を象った鉄の置物。
一体あれで何をするかとデルフリは不思議に思うも、その疑問はすぐに解けた。
護衛達が鉄の置物に付けられていた取っ手をつかんで中を開けば……
視界に入るのは夥しいまでに設置されたトゲの群れだった。
「ひっ!?」
自分が何をされるのか理解したのか、シィプシィは悲鳴をあげるもフェルトは笑いながら再度問いかけた。
「改めて聞こうか。何か言い残す事は?」
「お、お願い……します。あれだけは……アイアンメイデンだけは……許してくださいぃぃぃぃぃなんでもしますからぁぁぁぁぁ!!!!」
恐怖に耐えきれず、涙を流しながら絶叫をあげるシィプシィ。
鎖をガチャガチャと鳴らしながら必死に暴れるその姿はデルフリを散々見下しまくった女と同一とは思えないほど無様だ。デルフリはつい笑みを浮かべてしまう。
「はっはっは。今なんでもするって言ったな。なら……あの中に自分から入ってもらおうか」
「なっ……」
シィプシィは絶句した。
鎖が外され、自由を取り戻していても自分から死の抱擁としか言いようのないものに飛び込む命令は聞けなかったようだ。
「ははは。どうした、自分から入れないというなら……おい」
「「へい、わかりやした」」
フェルトが顎で指示を出せば、護衛達は心得たとばかりにシィプシィを両脇から掴み、無理やりアイアンメイデンの元へと引きずっていく。
「い、いやぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇぇぇやめてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「やめなさい!!!人の心があるならやめなさい!!!」
「……っと、この女。アーデルが申してますが、どうしましょうか?王太子殿下」
不意に意見を求められたせいでデルフリは一瞬惚けてしまうも、答えはすでに決まっていた。
「ははは。そんなの言うまでもなく……放り込め!!俺が許可する!!!」
フェルトに先方を任せたが、想像以上に楽しめるショーが拝めたのだ。
おまけに最後の一押しを自分に托してくれるという気遣いまでしてくれた。
「女よ……俺に盾付いたことを後悔するがよい……やれ!!!」
「アーッ!!!」
ドンっと護衛に押される形でアイアンメイデンに放り込まれたシィプシィ。
すかさずバタンっと扉が閉められる。
「いやぁぁぁ!!いたいぃぃぃぃいあいぃぃぃい!!」
中から絶叫が響き、内側から扉をドンドンと叩かれるも鍵がかけられた扉はびくともしない。
その代わりとばかりに扉の隙間から赤い液体が流れ出す。
絶え間なく流れる赤い液体の量からして、彼女はもう助からないだろう。
しばらく続いていた悲鳴や抵抗も時間経過とともに弱々しくなり……
やがて……
何も聞こえなくなった。
「はっはっは!!俺に逆らう者はこうなるのだ!!!」
その結果にデルフリは満足げに笑うのであった。
最高のショーだと思わんかね?
1.はい 2.いいえ




