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63.イエスマム!!これより我は上官アーデル様に作戦成功をお伝えするであります!!(SIDE:フェルト)

ただの成功ではなく、大成功だと思われますw

「その地獄行きの契約にサインさせた私達も、表向き『嘘は言ってない』ので罪に問われない。勝手に勘違いした向こうが悪いで言い逃れできる寸法。こう言ってはなんだけど、マイヤー様はよくまぁこんな悪辣な企みを思いつくものです」


「マイヤー様はあのシシィ姐すら上回る悪党だもんな。ある意味王国内で一番敵にしてはいけないと思われるお方なんだが……」


「アーデル様だけでなく、マイヤー様からすらも見限られたクズ……ご愁傷様」


「それじゃぁ俺はアーデル様達に第一関門突破を知らせてくるから、姉さんはこの申請書をマイヤー様に届けてくれ」


「任された。それと、明日の事が済んだ後については……」


「そちらも抜かりなく行ってるさ。もちろんペーター様が始末に見せかけて保護した貴族の子息令嬢達も責任持って預かるつもりだ」


「やはり助けるのね……それはやはり、彼等を昔の自分と重ね合わせたから?」


「もちろん。あいつらは平民落ちになるだろうけど、人並の生活ぐらいは送るれるようサポートするつもりだ。貴族から平民落ちした先駆け者としてな」


 にやりと笑いながらぐっとサムズアップするフェイト。だが……



「具体的にはどうするつもりなの?」


「教会に働きかけるつもりだ。教会は政争に負けた貴族達の亡命先なのだしな。ほとぼりが冷めるまではそこに居てもらい……」


「無理よ。計画通りに進めば教会はこれから人員を総動員するほどの忙しさとなるだから亡命貴族の受け入れに割ける余力ないでしょうし」


「あ……ど、どうしよう」


 ケイトのツッコミにフェルトは目にみえて動揺し始める。その様にケイトはつい溜息を付くも、こんな事もあろうかと言わんばかりに手荷物から一枚の紙を取り出す。


「これはアムル家への貴族保護申請書。クラーラ様のサインはすでにもらってるから後はアーデル様にサインしてもらいなさいな。アムル家当主のロンケン辺境伯様は娘の二人を溺愛してるし、その二人からのお願いなら今回保護した貴族の家族と同行させた使用人達ぐらい保護してもらえるはずよ……全く、クズ相手には完璧に近い立ち回りが出来たから少しぐらい見直そうと思ってたのに」


「それは悪いと思ってる。でも……クラーラは基本的にアーデル様を侮辱するような貴族相手だと割と辛辣だよな。なのにこれを用意したということは」


「クラーラ様が用意してくれた!!それが全てだ!!」


「へいへい、そういうことにしておきますよっと」


 十中八九、この申請書は目の前のおせっかいな姉がわざわざクラーラに頼み込んで用立ててもらったのだろう。

 弟の行動を……ギリギリ過ちに気付いて引き返す道を選べた貴族子息達のために動くも、先の見通しが甘いと予測した上で用意していたのだろう。


 それを口にしないのであればっと、フェルトも空気を読んでこれ以上の追及をやめるのであった。


「何笑ってるこら!!私はこれからこの申請書をマイヤー様に渡してくるから、愚弟はアーデル様に第一関門成功の旨を知らせてこい!!それと、明日も私は引き続いてメイドに扮して参加するからな!!!異論は認めん!!!」


「イエスマム!!これより我は上官アーデル様に作戦成功をお伝えするであります!!」


 こうして、なんだかんだ言って仲の良い姉弟はその場を後にした。




 そんな二人が去った後のクズ達はというと……


「デルフリ様!!この書物によれば、裸にひん剥いて背中の毛を一本一本丁寧にピンセットで引き抜きながらその長さを記録するという拷問。『背中毛の刑』というものがあります。過去この拷問を食らった者は誰もいない虚空に向かって話しかける程に精神が破綻するそうなのでぜひとも採用を」


「それはいい、採用だ」


 自分達が拷問するのではなくされる立場なのだと夢にも思わないまま、意気揚々とアーデルにかける拷問を吟味していたのであった。

背中毛の刑……

多分もう、若い子には通用しないネタ。


これも時代の流れかのぉ……ごほごほ


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― 新着の感想 ―
[良い点] 「救済処置があります。ただし、自己判断で来てくださいね♪」ダヨネ~。労働力が増えました。 [一言] 両手と両足にそれぞれ牛さんを繋いで引かせる「丑引きの刑」を王位継承者がリングでしたよな~…
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