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53.急いでクズへのOMOTENASHIの準備を進めるわよ!

お持て成し……またの名をお礼参りともいう。


って、殺意様の被害者が言ってた気がする

 マイヤーへと怒りの矛先を変えたロッテンだが、彼女は気付いていなかった。

 今回の騒動で怒りを覚えてるのは何もロッテンだけでなかった事を……


「そうそう。OSHIOKIしないといけないわよね……私だって主役の一人なのに、今の今まで私を無視したまま話を進めようとしてたお前ら全員に対して!!ばきぼきばきっ」


 アーデルはいろいろと我慢の限界だった。


 なにせ今回の騒動では主役に抜擢されてたのに実際は完全な蚊帳の外。アーデルに聞かされていた断罪劇からの逆転ざまぁ劇はフェイクであり、裏では別の計画が動いていたのだ。

 その別の計画もクラーラのせいで途中から無茶苦茶になったが、アーデルは終始振り回されっぱなし。

 いい加減、このやり場のない怒りのぶつけ先を求めても無理なかろう。


「だから、私を除け者にした件についていろいろとOHANASHIしましょうか……」


 顔は笑ってるけど目が全然笑ってない。ここに林檎があれば……



『これが貴様の未来の姿だ』



挿絵(By みてみん)


 っと言わんばかりに握り潰してしまう程の威圧を受けた面々は顔面蒼白になるも、そこへ待ったをかける声がでた。


「OHANASHIもいいが、早く撤退してくれませんか!!あんたらVIPがここに留まり続けるから俺達も壁解除できないんですよ!!」



 未だ寄生虫達を阻む壁を担っていた冒険者達を代弁したロンジュの声にアーデルは我に返る。今はのんきにOHANASHIしてる場合ではない事に気づいたのだ。


「あっ、ごめんなさい。皆、手早く城に」


「いや、ここは教会のお世話になりましょう」


「ロッテン、それはなぜ?」


「城だと寄生虫も諦めずついて来るだろうし、城でまた別の害虫にまとわりつかれる可能性が高いわ。でも教会で事情聴取を受けるためといえば、害虫の接触を極力避けれる。そうよね、大司教様」


「あー……言われてみれば当事者には一通り事情聴取しないといけないですよね。なら教会に関係者が滞在できる部屋を手配させるので、しばらくはそちらを使ってください」


「よし、なら改めて教会に撤退。そこで事情聴取やらやってる内にマイヤーから第2作戦案が届くでしょう」


「第2作戦ってまだあるの!?もう十分じゃない」


 ロッテンの言葉にアーデルは驚くも、ロッテンは何言ってんだってばかりに付け加える。


「当然でしょ。この一件でクズ達は確実に終わりだろうけど、国そのものにトドメを刺すにはまだまだ足りないわよ。多少予定とは違う終わり方になっても、マイヤーの事だから再度クズを利用して国にさらなる打撃を与える計画を練ってるでしょうね。次はどれだけ陰険な作戦を立てるか楽しみだわ。ふふふふっふふふ……」


「いいですわね。私もまだ虐め足りないと思ってましたし……もうしばらくは義理として付き合わせてもらいましょうか。ふふふっふふふ」


「「ぐふふふふふふ……」」


 口で三日月を描きながら怪しく笑い始めるロッテンやシィプシィに思わず後ずさる面々。

 その姿はある意味では頼もしく、ある意味では恐怖そのもの。


 これはやり過ぎないよう注意しなければっとアーデルはひそかに決意するも、いざその時が来た時。


 教会へと移動してほぼ形だけの事情聴取とOHANASIという名前のうっぷん晴らし後に届いたマイヤーからの立案をみたアーデルは……








「ふふふふふふ……このクズをさらなる地獄に叩き落とす作戦気にいったわ。この際だから泣いて懇願されても許さないぐらい、徹底的にやっちゃおうかしら。ばきぼきばきっ」


 手のひらを返したかの如く、ノリノリで実行に移す気満々であった。


「俺も気に入ったし、なによりこのごたごたが終われば俺とアーデルは晴れて結ばれるんだ。そう思えば気合も入る!!」


「あーうん……確かに僕やクラーラは認めたけど、アムル家の方々は別だからね。あっ、作戦は了承でいいよ……神様に怒られないかちょっと心配であるけど」


「今までの事例からみて、神様って逆ざまぁ劇には少々の無茶も黙認してるようだし大丈夫でしょ。ちなみに私は作戦に反対意見なんてないわ。元々マイヤーの案にケチ付ける気ないし」


「ロッテン様のところは相変わらずのオシドリ夫婦っぷりですね。うらやましい限りです」


「シシィ姉さんの婚約者も調教し甲斐あるから、私の方こそ羨ましいわよ」


「こらそこ何してるの!決行は明日だから急いでクズへのOMOTENASHIの準備を進めるわよ!」


「「「「イエスマム!!未来の女王陛下様のため、身を粉にして働かせてもらいます!!!」」」」




 こうしてアーデル達はクズをさらなる地獄へ叩き落とすための準備を進めるのであった。

お義姉ちゃん……あなた少し前に「クズのライフはもう0よ!!」とかで止めに入ってませんでしたっけ?

……あーそうですか。他者ではなく自分の手でライフを0にしたいんですね( ゜∀゜)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「傷口に塩」どころか「ハバネロを入れた水に浸したナイフで刺して刻んだトウガラシを擦り込む」光景が始まるのですね……楽しみですね♪ [一言] 次は「リンゴジュース」の代わりの「梨ジュース」を…
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