33.嫌だ?なにをおっしゃってるのかしら~?(SIDE:ブリギッテ)※ クズ0度目のざまぁ回(その2)
ヘルカイザーブリギッテ……
いや、1周目では案外そんな異名で呼ばれてたかもね。先代以前から侵略戦争ばっかりやってた帝国の皇帝なんだし(笑)
裁判所から処刑場へと変わった会場は異様な空気に包まれていた。
常人であればドン引きや眉をひそめるどころではない。
むせかえるような血と臓器の臭気と悲鳴、さらに肉が骨ごとねじ切られる際に発する形容しがたい音で何人かは胃の中のモノをリバースしていた。
だが、それを咎めるような者はここにいない。
それだけ、ブリギッテが行う処刑は残虐かつ凄惨で狂気じみたものだったのだ。
おまけに凄惨さは時が立つほどに……
愚者ランキングが上位になればなるほどより残虐に……身体のあちこちをねじり取りながら最後に首をねじ切ってトドメという、じわじわとなぶり殺しにふさわしい処刑を行った。
愚者達は最初こそ選ばれなくてホッとするも、後にまわされるほど楽に死なせてくれない事実。
「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
特に3人目となった騎士団長の息子は股間のピーを一つ握りつぶしながら引きちぎるという、男であれば想像だけでも恐ろしい残酷な事を笑いながら執行したブリギッテに上記の法則を察した宰相の息子は態度一変。
王太子を押しのけて『俺が先だ!!』っと懇願するようになった。
だが、残り2人となった時点での懇願。騎士団長の息子の次が宰相の息子だった時点では手遅れといえよう。
「びぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!ばぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
宰相の息子は股間のピーを一つと言わずに二つ握りつぶしながら引きちぎるという強制的な去勢を行った後に首をねじ切った。
この時点で視聴者の大半……主に男性陣はほぼ全員が外へと避難していた。
ある意味では当然の選択であろう。
王太子も取り巻き達の最期に唖然としてるようだが、だからなんだっとばかりに声をかけた。
「お待たせしました~。最後になりましたが次はザリフル様、貴方の番でございま~す」
「い、嫌だ……」
「嫌だ?なにをおっしゃってるのかしら~?」
「嫌だ……俺は……死にたくなぁぁぁぁぁぁい!!
どんな形でもいい。俺は生きたい。真実の愛のために!!」
「無理無理」
「そんな事はない!俺とユリネとは『真実の愛』で結ばれているんだ!!そう、ユリネが俺を助けるために軍勢を率いて現われると信じている!!そして……」
ドゴン!!
「……ブリキッテ様、この一件は全て貴女に任せるという約束……取り消してもいいかしら?」
「言うまでもなく、ノープロブレム。貴女もこんな気色悪いストーカーにまとわりつかれて大変だったでしょうし、良ければ一緒に処刑する?」
「いえいえ、愚物の処刑は皇女様こそが相応しいでしょう。そこはお任せします。ですが……」
「ユ、ユリネ……」
視聴机を素手で叩き割って乱入してきたユリネの姿、ブリギッテと気兼ねなく会話する姿にザリフルは混乱していた。
そりゃぁそうだろう。ザルフリはユリネと真実の愛で結ばれた相思相愛と信じていたのだ。
ブリキッテが嫉妬の余りにユリネを殺したい程憎んでいると思っていたのだ。
だが、ふたを開ければ御覧の通り。
ブリギッテとユリネはザルフリ達の勘違いっぷりと暴走っぷりに辟易していた事が切っ掛けで仲良くなった、いわばマブダチだった。
ザルフリ達の行いが二人の仲を取り持ったのは皮肉とも言えるだろう。
「そんな……嘘だろ……嘘だといってくr」
ガシッ!!
「DA☆MA☆RE!!」
最後まで言い切る前にユリネはザルフリの口を右手でわしづかみにして強制的に黙らせた。
「私……何度も言ったよね。私はすでに婚約してる。ザルフリ様の求婚は応えられないから、その愛をブリギッテ様に向けろっと……
私は平民で国の政治に深く関われる立場でないから静観するつもりだったけど、この段階に来てまで自分がやらかした事がわからないというなら……」
ミシミシミシ……
「あ……が……が……」
口を掴んだまま力を込めるだけに留まらず、持ち上げた。
ザルフリの足が地面から離れて宙づりとなる。
口調も素に……ブリギッテのような親しい者にしか見せない、とげとげしいものになってる辺り相当キテるのだろう。
「まぁ、視聴机を素手で叩き割った時点でもう切れてたのでしょうね」
「当然よ。それでこれからこの愚物を料理するけど……好きにしていい?」
「殺さない限りは好きになさい」
互いに軽くやりとりを済ませたユリネは『了承』っとばかりにザルフリを真上に放り投げた。
そして……
「ふん!!」
グサー
背中から落ちてきたザルフリを頭上高く掲げた指一本で突き刺した。
ちなみにヘルカイザーとセットで扱われるグォレンダァ!!ネタは10話のお義姉ちゃんが先に披露してるのでカットである




