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227.待ってくれ……俺は大魔王なんだぞ!!大魔王なんだからお前らは俺の前で……(ザクー!!)(SIDE:クズ) ※ クズの末路回

俺の前で……果たしてクズは何を言おうとしてたのか……?

とりあえずわかる事は一つ。


何を言おうとも訪れる結末は変わらないということであろうww

 気付いた時、クズは部屋の王座に鎮座していた。


 “お、俺は……?死んだんじゃなかったのか……?”


 周囲を探ればアーデル?だけでなく、あの惨劇の跡まで綺麗さっぱりなくなっていた。

 自分がアーデル?に黙々と食われていく様が夢だったかのように思われた。


 だが、あれは夢ではなく現実だったのは確かだった。


 その証拠に……

 クズの身体、大魔王ビOダソテの身体が見るも無残な姿に変わり果てていたのだ。


 “な、なんだこの身体は!?”


 手始めに触手を確認すれば、大半の触手は根本から消失。辛うじて動く触手もボロボロで少し動かしただけで千切れてしまう程に脆くなっていた。


 茎に当たる身体も以前は瑞々しい深緑色をしていたが、今はヒビだらけで枯れ果てたこげ茶色をしていた。

 これも触手同様、少し動かすだけでぽっきり折れてしまいそうだ。

 そんな満身創痍ともいうべき身体を調べてる内に勇者御一行が訪れ……



「へっへっへ……あの無敵ともいえる強さをした大魔王ビOダンテが大幅に弱体化してるって話は本当だったんだな」


「そうね。情報屋から聞いた時は半信半疑だったけど、こうして実物をみれば……」


「せっかくだし、前回のお礼参りも含めて徹底的にいたぶっちゃおっか」


「そうだな。てめぇのせいで俺達は大損したんだ!!そのお礼をたっぷり返してやらんとな!!」



 下品な笑みを浮かべながらにじり寄る勇者達に、クズは残っていた触手を振るうが……








 ぶちっ







 触手は遠心力によって、勇者達へとたたきつける前に千切れて見当違いな所へと飛んで行った。


 これによって、全ての攻撃手段を失ったクズは……












 “あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!イタイイタイイタイイタイイタイィィィィィィィィィ!!!”


「はっはっは。さすが大魔王様だな。枯れた身体でもそれなりに金となりそうな素材取れるじゃないか」


「腐っても鯛ってやつよね~あっ、種発見。これは結構のレアモノよ」


「こっちは内臓らしきものがあった。二束三文かもしれないけど、一応持ち帰って鑑定してもらおっかな。ザシャー」


 “ミギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!”


 生きたまま、身体を解体されていったのであった。






 こうして全身全て剥がされた後、残ってた本体へとトドメを刺されたクズ。


 その30分後に先ほどと同じく部屋の王座で目覚めた。だが、身体に関しては大魔王として君臨していたあの絶対強者としての姿ではなく、30分前と同様の死に体ともいうべき雑魚としての姿だった。


 “な、なにが……なにが起きてるというんだ?”


 考えをまとめる間もなく部屋へと踏み込んできた新手の冒険者と対峙させられ、抵抗らしい抵抗もできずあっさり撃沈。


 素材をはぎ取られてから本体にトドメを刺されたその30分後に蘇ったかと思えば、また新手の冒険者が現れ……





 クズは気付いてしまった。


 勇者や冒険者を蹂躙していたあの大魔王の身体をもう二度と取り戻す事が出来ない事に……


 死んでも一定周期で復活する事に……


 そして……冒険者達にとって今のクズは脅威どころか、楽に狩れるボーナスキャラと化している事に……








 そんなクズが待ち受けていた運命は……


「はっはっは。今日も素材をはぎとりにきたぜ」


 “ま、待ってくれ……俺は大魔王なんだぞ!!大魔王なんだからお前らは俺の前で……”


 ザクー


 “ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!”


 入れ替わり立ち代わりで訪れる冒険者達に生きたまま素材をはぎ取られるという、いつぞやの拷問を彷彿とされる日々を過ごすようになったとか……















 ……………………



「っとまぁ、クズの末路はこんな感じだぜ。ボス」


「そう……クズの末路は予定調和であったけど、殺戮と破壊の神直属の英霊が差し向けられるだなんてちょっと予想外だったわ」


「確かあの英霊は生前、アンデッドだろうがゴーレムだろうが人間だろうが、自らの拳で仕留めた奴は必ず食うという暴食の化身のような人間だったんだよな。世界の危機だからと討伐に向かった神兵すらも倒して食ったその姿を殺戮と破壊の神が気に入って直属の英霊にスカウトしたって聞いてたが……ぶっちゃけ聞いていいか?

 あいつ、ボスより強くね?」


「えぇ、オニオンちゃんの予想通り。あの子、オスカーちゃんは私どころか、当時の冥界を支配してた地獄王を辛うじて打倒した全盛期のエクレアよりも強いわよ。その全盛期には未だに至ってない私が真正面から戦ったら完璧なまでに叩き潰されるっと断言してあげる」


「つまり、ボスに反旗を翻そうとすれば……」


「辞めといたほうがいいわよ。だってオスカーちゃんには定期的に貢物送って餌付けしてるわけだし、よっぽどの報酬を提示しない限りは受け付けないはずよ……たぶん?」


「たぶんかよ!?もし依頼受けたらどうすんだよ!!?」


「その時は先に依頼主を潰すだけよ。ねっ、簡単でしょ。だから……」


「いやいや、決して反乱起こそうと思ってるわけではございません。ただの興味本位なので博士の研究所直通のゲート開こうとするのやめてください」


「わかればよろしい」

クズを再起不能にする役目、当初はショタコン天使か竜冒険4のお転婆姫様に該当するキャラをあてるつもりだったけど……


「あるぇ?これってあのキャラが使えるんじゃね?」


っと思い立ったせいで、あの一発系ギャグキャラが短編の設定を引き継いだまま再登場しちゃったよ(´Д`;)ドウスンダヨコレ……


ただまぁ幸いとして、このお話はこれで完結です。

これ以上の続きは書かれませんので、この魔女様すら上回るバグレベルにヤバイキャラは皆一緒に退場となります。


……まぁ次回作にしれっと出て来る可能性はあったりするけど(ぇ

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― 新着の感想 ―
予定調和が完了しました。 部屋の前に行列が出来ていたりして。「只今復活中。あと○○分です」という看板の前にとか(笑) 自分の身を守る為の一番の解決方法の一つですね。依頼主を消してしまえば報酬無しだか…
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