226.だ、だせぇ!!ここから!!!(SIDE:クズ) ※ クズ懲りないざまぁ回(その3)
はっはっはっは! どこへ行こうというのかね?((( ^ω^)
“うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?”
千切れた触手から血液らしき緑色の液体が噴出し、その痛みでクズはのたうちまわる。
身体そのものは玉座に固定されてるので、身体の代わりに無数の触手を振り回した。
その際に今まで何度触手をぶつけても破壊されなかった壁や柱がなぜか破壊された。
本来なら一体なぜっと思うところだろうが、今のクズは痛みでそれどころでない。
そうこうしてるうちに、『ぶちぶちっ』っと再度何かが引き千切られる音が響いた。
何が千切れたかは、すぐにわかった。
アーデル?が触手をまた引き千切った……いや、今度は食い千切ったのだ。
しかも、アーデル?は食い千切った触手をそのままモグモグと咀嚼して、ごっくんと飲み込んだ。
「うふふふふふ……少々どころではない程に臭みが強くてえぐみも強烈ではあるけど、これはこれで癖になりそうね~
でも生食なんて野蛮人のする事。元だけど私は伯爵令嬢だったのだし、ここは貴族らしく優雅に調理してあげないと失礼よね」
お前は何を言っているんだ?
最初こそ、クズはアーデル?の言葉の意味がわからなかった。
だが、クズはその意味をすぐ知る事になる。
なぜなら……
「さ~て、まずは触手を魔女様印の清酒『鬼殺し』でフランぺしてパスタ仕立てにでもしてみようかしらね~」
アーデル?は触手を初めとした、身体の各所を素手でねじ切りながら調理し始めたのだ。
……
…………
………………
「うふふふふふふ……植物なのに消化器官を始めとした内臓が一通り揃ってるなんて、さすが魔物だわ~そ~れ、ぶちぶちぶち~」
“ふぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!”
あれから何時間経ったあろうか……?
本来ならとっくに制限時間が過ぎ、侵入者は強制退場させられてるはずだ。
だが、アーデル?は強制退場される事なく、ウキウキとクズの身体を素手で解体していた。
麻酔なんてものがないため、身体を引き千切られる度に激痛が走る。
それだけでも地獄だというのに、クズはその引き千切られた身体を調理されては食べられていく光景を見せつけられてるのだ。
抵抗しようにも、唯一の攻撃手段であった触手は全て引きちぎられている。
逃走も、玉座に固定されて動けない身体では不可能。
気を失いたくとも、睡眠が取れないから必然として気絶も出来ない。
視界を遮ろうと思っても、目の代わりとして機能している感知器官の閉ざし方がわからない。
なら自死は……攻撃手段を全て失った身体では自身にトドメを刺す手段がない。
現実逃避も含めた全ての逃走手段を奪われたクズが出来る事。
それは……
まな板上の鯉として、ただただ自身の身体の一部が調理されて行く様を見続けながら、命の源である本体が調理されるのを待つだけだった。
そんな、クズの運命はというと……
調理開始から約3日後。
全身のほとんどを調理された事によって人間の体をした本体が露出し、いよいよな段階へとなるその一歩手前でアーデル?が隙をみせたのだ。
クズは最初で最後ともいうべきその隙をつき、もはや木偶の坊となり果てた大魔王の身体から抜け出す事に成功。
ここで見つかれば全てが終わるっという緊張感の中、ずるずるっと這いずりながら出口へと向かうクズ。
幸いにもアーデル?は抜け殻となった大魔王の身体に意識が向いているらしく。這いずるクズ本体の存在に全く気付かなかった。そのおかげで、クズは無事に出口へと通じる扉前へとたどり着けた。
“た、助かった……”
後はこの扉を開けるだけ。開けて外へと逃げるだけ。
クズは希望を胸に、扉の取っ手をつかんだが……
がちゃがちゃ……
無常にも扉は開かなかった。
鍵がかけられているかのごとく、開かなかった。
“だ、だせぁ!!ここから!!!”
押しても引いても変化なし。
破れかぶれにどんどんっと扉を叩くも、扉は開いてくれない。クズの要望に一切応えない。
それもそのはず。
クズはフロアボスに設定されてる以上、ボス部屋から一歩も出る事ができない仕様となってるのだ。
そんな事に気付かないクズは必死になって外へ出ようとあがいてる内に、後方で何かが砕けた音が響いた。
その音につい反応して振り返れば、そこに居たのは……
「ド~コ~ヘ~イコウトイウノカネ~?」
“ぎょええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーっっ!!!!????”
いつの間にか目前まで迫っていたアーデル?にクズは思わず心の中で悲鳴をあげる。
反射的に逃げようとするも、アーデル?は逃がさないっとばかりに首を掴み、ずるずると部屋の奥へと引きずりこんでいく。
ドサリっと調理台のまな板の上に放り投げられ、うつ伏せで寝かせられた。
まな板だから当然包丁もあるのだが、アーデル?はそんなもの必要ないっとばかりに……
ぶちぶちぶちぶちっ!!
“ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!”
素手で手足を引き千切った。
これによって、クズはほぼ無力な芋虫と化してしまい、そこから包丁で無数の細かい傷をつけられてゆき……
そして…………
“さぁって、まずは下ごしらえとして塩をよ~~~く刷り込ませながらコネコネしないとね~~~♪”
“うわなにをすrくぁwせdrftgyふじこlp;@:”
バキゴキモキメキゴギドキガキィィィィ!!!!
“アーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!”
まるで身体中が燃え盛るような激痛に思わず存在しない口で絶叫をあげるクズ。
だが、絶叫を上げたところでアーデル?の手が止まるわけもなく……
その後、全身を徹底的に捏ねられたり切り刻まれたり煮込まれたりといった、様々な調理行程を経たクズは……
ラーメンとして、アーデル?に美味しく食べられる最期を迎えたのであった。
※ 良い子はもちろん、悪い子も真似してはいけません




