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211.な、なんだ……何がどうなっているんだ!?(SIDE:クズ) ※ クズ稀にみる酷いざまぁ回

ようこそじごくへ♪(*゜∀゜)<クック クック

 バシャッ!!


「ぶふっ!!?」


 唐突に顔面へと何かをぶっかけられた衝撃でクズは目を覚ました。

 いきなりの事なので一体何が起きたのかわからず、状況把握のために辺りを見渡せば目の前に居たのは……


「起きましたか?」


 ガランっと乱暴に持っていた桶を床に投げ捨てた、どこかで見た事あるようなメイド(メイ)であった。

 だが、今は名前を思い出すよりも目の前のメイドに自分の立場をわからせる方が先。

 手始めに右手で……本来ならないはずの右手で顔面をぶん殴ろうとするも……


 ガチャン!!


 途中で遮られた。


 なぜと思って右手方面をみれば、壁から伸びている鎖付きの枷をがっちり嵌められていたのだ。

 さらに確かめれば、それは右手だけではなく左手と両足も同様。枷でがっちりと壁に磔とされていたのである。


「な、なんだ……何がどうなっているんだ!?」


 首は繋がったままなので生首(ゆっくり)状態から解放されたのは嬉しい事であっても、これでは満足に動く事すらできない。

 一体なぜこうなってるのか不明ながらも、今は自由を取り戻す方が先。


「おい、メイド!!早くこの枷を外せ!!!」


「………」


「何をやっている!!命令が聞けないのか!!」


「………」


「さっさと動かぬか!!この愚図が!!!」


「………」


 クズが何度命令を出しても、目の前のメイドは動かない。

 何をするでもなく、ただただクズを見下すだけ。


 そんな様にクズはぷっつん。あらん限りの罵倒を飛ばした事でようやくメイドが動き出す。


「ふ、ふふ……ふふふふ………思った以上に活きがよくて安心しました」


「だよね~拷問の基本は殺さないようになんだけど、これだけ元気なら殺す気でやっちゃおっか」


「ん。こんだけ活きいいなら、ちょっとやりすぎるぐらいが丁度いい」


 部屋が暗かったせいで気付かなかったが、どうやらこの部屋にはメイドが3人いたらしい。

 新たに増えたメイドは双方ともに、ごちゃごちゃとした器具を積めこんだ箱を抱えていた。


「じゃ、メイお姉ちゃん。最初は焼きゴテからいく?」


「ん。あの口を焼き潰すのは賛成」


「こらこら、ユキもマイも駄目でしょう。口を割らすための口を初手で潰してどうするのですか。まず初手は基本にのっとって鞭打ちといきましょう」


「「わかりました~」」


 一体何が始まるというのか……


 状況がわからずとも、中央の頭二つ分ほど背の高いメイドが壁に飾られていたすらりと長く伸びるしなやかなナニカ()を取り出した時点で予想できてしまうというか……


 前にも同じような光景を見たことあるような……


 そんなデジャウに襲われるクズの予想は……









「貴様のせいで……貴様のせいでお嬢様がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「死ね死ね!!このまま死んじゃえ!!!」


「二人とも、これは一応拷問。殺しちゃだめ。冷静に、殺すギリギリを見極める必要が……」






 見事に的中した。










「さぁ吐け!!お嬢様……アーデル様とクラーラ様を連れ去った悪魔はどこに消えた!!知らんとは言わさんぞ!!!」


「な、なにが……なにがおきてるんだ……(バシン!!)ギャー!!」


「何が起きてるだと……貴様、まだ自分の立場がわかってないようだな!!!」


「ち、違う……俺もよくわかって……(バシン!!)ギョェー!!」


 クズは混乱していた。

 生首(ゆっくり)状態から元に戻ったはいいが、その代わり一か月前に受けた理不尽な鞭攻めが再度行われている今の現状に……


(くそっ、チャカボ!!出てこいチャカボ!!出てきて説明しろ!!)


 クズは現状を知ってるであろうチャカボへ必死に呼びかけるも反応はなし。

 何度呼びかけても、うんともすんともしないばかりか……


「何を惚けている!!」


 バシン!!!


 新たな鞭が飛んでくるだけだ。


(と、とにかくよくわからないが、まずメイドを落ち着かせよう!!)



「ま、待て……こんなことしても無駄だ!!無意味だ!!!それよりも(バシン!!)アギャー!!」


「無駄かどうかは私が決める!!貴様はただ言われた事に答えるだけでいい!!!」


「そ、そんな理不尽な……」


「知らないのか?理不尽だからこそ拷問だ。さぁ、わかったなら洗いざらい吐くがよい!!」


 吐けといってもクズが知る情報はあまり多くない上、立証できるようなものはない。

 以前同様、どうあがいても鞭からは逃れられなかった。





 そんな過去へと戻ったとしか思えない状況の中、クズの脳裏に電流が走った。


(待てよ……今ここで死ねば、俺は大魔王になれるんじゃないのか?)



 もちろんそんな保障はない。


 だが、いつも自分の都合の良い風にしか考えないクズにとって、それは正解と思えたのだ。

 ならばやる事は一つ。




「メイお姉ちゃん。これもう憂さ晴らしになってきたから、ここでちょっと質問を変えない?」


「私もユキの意見に賛成。だから……悪魔はアーデル様とクラーラをなぜ連れて行ったのかったか聞きたい」


「そうね。悪魔はなぜお嬢様とクラーラ様を連れて行ったのか、答えなさい」


「知らんな…………教えてほしいなら態度で示せばいいでないか」


 バシン!!


「なんだその鞭は?この程度で口は割らんぞ」


 バシンバシン!!


「そうだな……俺を殺せば案外悪魔が現われるかもしれんな。はっはっは」


「きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 以前と同じく、メイドが激昂して鞭を振るう。

 皮膚が切り裂かれて肉をえぐられていく痛みこそあれど、これを続けられたらいずれ死ぬのは確実。

 死ねば大魔王へとなれると思えば多少の痛みも我慢できるというもの。よってクズは内心笑う。


(そうだ……もっとだ……もっとやれ!!そして俺を殺せ!!!)



 そんな態度が癪にさわるのか。メイドが半狂乱になりながら、鞭で打ち据えてきた。






 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何渡も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も………

問題です。

40秒で上記に一つだけ混ざっている『渡』をみつけなさい。

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― 新着の感想 ―
あれ?体が戻った。……あ、判った。クズが都合のいい夢を見ているんだ。白昼夢を見るにはまだ早いよ♪ 伯爵みたいになるの?あの方、ギャグ系だと首をボールにされてラグビーとかやっているんだよね。ボスチーム…
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