186.はっはっは、良いではないかよいではないか~~~(SIDE:クズ)
あ~~~れ~~~~お〇様おやめくださ~~い
悪代官モノではお約束だったけど、今はもう完全に廃れたネタかもしれない(´・ω・`)書BOO
「デルフリさん、悪魔に騙されてはなりません!!過ぎた力は身を滅ぼします!!っというか、すでに身を滅ぼしたでしょう!!」
精神世界に再度侵入してきた天使バニラの言い様にクズはいら立っていた。
クズも天使が敬う存在だということぐらいはわかっていた。
あれだけ神々しく輝いているのだ。偽物ではなく本物の天使だと嫌でも理解できた。
だが、天使の口から放たれる言葉はクズを称える言葉ではない。
クズが如何に愚かなのかを徹底的に突いてくる言葉だ。
「おやおや。身を滅ぼしたのは前任の悪魔、オニオンさんの責任でしょう。決してデルフリ様の責ではないはずですよ」
対して悪魔の言葉はその逆。
クズを称えて敬ってくれる。クズが如何に素晴らしい人間かを説いてくれる。
なら選ぶのは当然……
「そうだ!!俺がこうなったのはオニオンの責!!俺の責ではない!!!」
悪魔であった。
「いけません!!自分の責を他者に押し付けるなんていけません!!!これ以上罪を重ねると死後にさらなる罰が加算されてしまいます!!!」
「死後の罰なんて関係ありませんよ。何せデルフリ様には私から絶大な力を与えるという契約が成されてます。その中には不死の力も含まれてますから、死後の罰なんて与えようがありません。はい、論破です」
「詭弁だ!!デルフリさんも今一度考えなおしてください!!悪魔が与える力なんてロクでもないんです!!!」
「五月蠅いですね。デルフリ様、命じてくだされば即座にあの小五月蠅い鳥女を追い払って差し上げましょう」
「そうだな。俺が命じる……チャカボよ。あの鳥女を追い払え!!」
「かしこまいりました。さぁバニラさん、大人しくお帰りください」
「な、なにをする!!離せ!!下賤な貴様に触れるな触るなちかy……アーーーッ!!!」
執事服を着た紳士な悪魔のチャカボに退場させられる、勇ましい鎧と絶対領域を完備させた姫騎士な姿をした天使バニラ。
その姿は悪には決して屈しないという決意に満ち溢れた高貴な存在であるも、クズにとってはその高潔さが憎きアーデルを訪仏とさせるものであった。
だからこそ、彼女は諦めないのだろうという確信があった。
実はいうと彼女の襲来は今日だけで3回も行われてる。
何度も精神世界に侵入してきては、考え直すよう訴えてくる。
その度にクズは苛立つ。
しつこいからつい抹殺を命じたくなる。
だが、それは出来ない。
上位天使を殺せば神と全面戦争に突入だ。
全面戦争になれば、本来クズへと譲歩する力を使用して応戦せざるを得なくなる。
それで負ければすべてを失い、勝っても譲歩する力をまた1から集めなおし。10年は軽く超える年月を待たなければならないっと言われれば一か月我慢する方が断然お得。
奴が何度襲来して来ようとも、危害を加えず無傷で追い払う程度に済ませなければならないわけだ。
「くぞっ!!なんでここに来てまで俺は我慢を強いられなければならないんだ!!」
思うようにならないもどかしさ故に、クズは腸が煮えくり返るような想いを抱き始める。
「まぁまぁ、デルフリ様。あんな生意気な天使の事なんて忘れて~私達とイイコトしましょうよ~」
「そうそう。ここにある食べ物と飲み物はデルフリ様のためだけに、遠い遠い異国から取り寄せた特別品です。この世の物とは思えない程の美味なのですから、大いに食べて飲んで忘れちゃいましょう」
「むっ、それもそうだな。では続きと行こうか」
左右に侍らせた悪魔。淫魔とかいう悪魔の娼婦姉妹のニーアとミーアに……少し前に相手していた同名の娼婦姉妹を思い出しつつも、悪魔的なテクニックの前には些細な情報っと頭から追い出しつつ促されるまま料理に手を付ける。
どれもが見た事も聞いた事もない料理であるも、その味は美味であった。
飲み物も一見すれば黒くて不気味に泡立つ怪しげな代物だが、飲んでみれば不味いどころか美味い。
しかも、悪魔曰く特定の料理と組み合わせればさらに美味さが増すというのだ。
「デルフリ様。私のおすすめはカ〇ビーのポテトチップスです。コーラとポテトチップス、これこそが究極の組み合わせと断言しましょう」
「姉さん嘘はいけません。コーラにはマ〇ドのハンバーガーこそが至高です!!これだけは譲れません!!!」
「む~~では、デルフリ様に決めてもらいましょう。どちらが好みでしょうか?」
「俺は両方とも好きだぞ、もちろんお前達もな」
「きゃっ、こんなとこで……」
「大胆ですわ~~」
「はっはっは、良いではないかよいではないか~~~」
現実世界では拷問を受けているも、その苦痛を悪魔に引き受けさせている事もあってクズは余裕綽々。
それどころか、精神世界で酒池肉林とも言うべき狂乱の宴に酔いしれる程であった。
まさに、最後の晩餐であるww




