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181.俺をコケにしたんだ……地獄に堕ちるのは当然だな……(SIDE:クズ) ※ クズ6度目のざまぁ回(その2)

奇しくも、変態紳士と同じ予想をしていたクズである。


その後にとにかく拷問されるオチも含めて、この二人は案外気が合ってたのかもしれない(笑)

 あれから何度も鞭で打たれた。

 何度も何度も似たような質問をされては、鞭で打たれるの繰り返し。


 このままずっと続くのではっと思ってた矢先に変化が出た。



「メイお姉ちゃん。これもう憂さ晴らしになってきたから、ここでちょっと質問を変えない?」


「私もユキの意見に賛成。だから……悪魔はアーデル様とクラーラをなぜ連れて行ったのかったか聞きたい」


「そうね。悪魔はなぜお嬢様とクラーラ様を連れて行ったのか、答えなさい」


「知らん。だが……悪魔に連れ去られたというなら……今頃地獄をみてるんじゃないのか?」


 バシン!!


「はははは……そう、地獄だ……アーデルだけでなくクラーラも……俺をコケにしたんだ……地獄に堕ちるのは当然だな……」


 バシンバシン!!


「そうだな……俺に許しを乞うなら助けてやらんでもないぞ……」


「それは私達の台詞だ!!」


 先ほどまでと違ってメイド(メイ)があからさまに激昂し、その感情のまま鞭を振るってきた。

 振るうたびに肉がはじけ、血が噴き出る。

 最初の頃は気絶するほどの激痛を感じていたのに、反骨精神が湧き出てきた今はアドレナリンがドバドバと出てるおかげでそれほど痛みを感じなかった。


 それどころか、泣きそうな顔で鞭を振るい続けるメイド(メイ)の姿が滑稽にみえてしまったのだ。


 だからついつい笑う。

 せめて一糸報いてやろうと、虚勢を張り続ける。





 その結果……



「きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 メイド(メイ)が半狂乱になりながら、鞭で打ち据えてきた。




 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も………








 一体どれだけ振るわれたのか……


 最早数えるのも馬鹿らしいほどの激しい鞭の嵐を前に、いつしかクズは意識を失った。



















「お姉ちゃんお姉ちゃんストップストップ!!これはやりすぎだって!!クズが死ぬって!!!」


「ん。殺すのはいつでもできる。情報聞き出す前に殺したらだめ」


「はぁはぁ……そ、そうだったわ……ユキ、クズは生きてるのかしら?」


「えっと……一応生きてるかな。でも、これ以上は持たないので後は神官と治療師のお姉さん達に托して続きはまた明日にした方がいいかも」


「結局今日は収穫なし……メイ姉様、少し加減すべき」


「うぐぅ……ごめんなさい。クズの態度があまりにあれだったせいで、つい」


「まぁまぁ、メイお姉ちゃんがやらなかったら私達が代わりにやってたでしょ。殺す勢いで」


「ん。否定しない」


「マイ、そこは否定してよ!!」


「てへぺろ」


「てへぺろじゃない!!!」


「はいはい。ユキもマイもじゃれ合うのはこの辺にして撤収するわよ。それと今日の行き過ぎた拷問の反省を生かすために明日からどんな拷問を行うか、事前に話し合っておきましょう。そうしておけばうっかりやりすぎるという可能性は限りなく低くなるはずでしょう……たぶんですけど」


「たぶんって、なんだか頼りないけど……事前に決めるは賛成かな」


「私も賛成。ついでに他の人から要望も聞いて取り入れる事も打診」


「いいわね。クズに憤ってるのは私達だけでないし、その人達からの要望を入れる事で少しでも憂さを晴らさせておきましょうか」



 そんな翌日からの拷問内容を話し合いながら去っていく侍女3姉妹。


 彼女達が拷問室から出ていけばそこに残されたのは……



 壁の鎖に繋がれたまま気絶した……床へ寝転がる事さえ許されないクズと……


 そんなクズを見下ろす二つの影であった。





 “オッホッホッホッホ……クズノモトカラタチサルサイニオトシタパンクズノミチシルベヲテガカリニスルトハ、オニオンモナカナカシャレタコトヤルデハナイデスカ”


「洒落たというか、悪意の塊しかないっすけどね」


 “アクマデスカライイデハナイデスカ。ソレニテガカリヲノコスハツゲンニウソハイッテオリマセンヨ”


「その手掛かりとされてるパン屑の道しるべも畜生共に食われた今ではきれいさっぱり消え去ってるんすけどねぇ……」


 “ソレガイイノデスガ、ナニカモンダイデモアリマスカ?”


「いんにゃ、このクズに同情の余地ないのは確定っすからもう好きにすればいいんじゃないすかね。でも……」


 “ワカッテオリマス。イママデモソウデスガ、コレカラモキメラレタキソクハマモリマスヨ。アンコサン”


「そうしてくれると助かるっす。あっしもレアちゃん(クレア)にルール違反の警告を行う役目なんて背負いたくないっすから、僚友にもよろしく言っといてくださいすよ。チャカボの旦那」


 元々仕事合間のついでとして様子見に来ただけらしく、これで用事は終えたとばかりに立ち去る死神(アンコ)

 それを見送った悪魔(チャカボ)も遅れてやってきた僚友と共に姿を消した事でこの場にはクズだけが取り残された。



 そんなわけで、クズにはもうアーデルとクラーラの行方につながる手掛かりは残されていないのだが……

 クズどころかメイ達ですらその事実を知る由もなく、結論からいえばクズはアーデル達が帰ってくるまでとにかく拷問される日々を送るのであった。

これだけでも酷いざまぁな目にあってるクズだけど……

全ての黒幕である女神様や魔女のお姉さんにとって、この拷問は生き地獄へ堕とすための下ごしらえ程度にしか思ってなかったりする。


まぁつまり何が言いたいかというと……


クズはまだまだ悲惨な目に合うということである(南無……)

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