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165.ワ、ワタシハドコニ……ツレテイカレルンダ……??ア……アア……ウワアアアアアア (SIDE:害虫貴族) ※ 害虫貴族の末路回(その3)

さぁ?でも……「安心」なんてない所よ……少なくとも……


by鈴美

“ギャァァァァア!!イタイイタイイタイイタイ!!”


 最悪な事に、この軟体(スライム)となった身体でも痛覚はしっかり存在していたらしい。

 元テケトー伯爵は身体が半分えぐられた痛みにたまらず逃げ出そうとした。少なくとも頭は逃げようとしてるのに、身体は逃走を拒否するかのごとく動かなかった。動いてくれなかった。


 “お残しはだめだぞーお前はあいつを食うまで逃走禁止!!”


 “ナ、ナンダ……ト”


 “何惚けてるかー?ほら、目の前には餌があるんだぞー再生が終わり次第再度かみつけー!!”


 命令されるがまま、再生を終えると同時に大男(アムル家長兄オウラ)目掛けて襲い掛かり……


「ふん!!」


 シュトーン!!


 “ギョァァァァァァァァァ!!!!”


 今度は手刀(岩山両斬波)で身体を真っ二つにされた。

 本来ならこれは即死級。死んでもおかしくないほどのダメージでも、軟体(スライム)になった身体にとっては全く致命傷ではなかった。


 即座に再生して元通りになってくれる。

 多大な苦痛と引き換えに……だ。


 おまけに、再生したところで……


 グシャー!!


 この化け物のような人間(アムル家長兄オウラ)相手では即座に身体の半分をえぐられるかのような拳を受けて終わりだ。

 いや、これで終わったらどれだけよかったか……


 “何してるかーおまえらの役目はこの強そうな人間達の足止めだー文字通り身体を這って食い止めろー!!”


 “イ、イヤダァァァ!!ダレカタスケテクレェェェ!!”


 助けを求めて周囲を探ればダムラン子爵やムノー男爵も似たような人間(辺境の北斗4兄弟)相手に何度も襲い掛かっては返り討ちにされていた。

 他の連中は弱そうな奴等を襲ってるのに理不尽っと主人(仮)(ミル)にむかって抗議するも「あーあー聞こえんなー」っと一蹴された。


 “それより、待機部屋から今の今までずっと『食いたいオーラ』放ってたのに強者相手だと怖気づくお前にはがっかりだぞ。その程度の食欲しか持たないお前は罰として、明日からしばらくごはん抜きの刑だ!!”


 “ソンナコトヨr”


 “こらー!!手が止まってるぞ!!ほら、さっさと襲え!!体当たりだー!!”


 グシャー!!


「ほぅほぅ、まだ再生するとは面白い奴だ。なら、次は二度と再生できぬよう、塵にしてやろう」


 “ヤ、ヤメロ……”


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!」


 グシャグシャグシャグシャグシャグシャァァァァァァ!!!


 “ヤメロオオオオオオWRYYYYYYYY───── ッYYYッ!!!”


 元テケトー伯爵は拳の嵐(北斗百裂拳)の前にして何度も痛みを伴う破壊と再生を繰り返した。

 その痛みは最早この世の物とは思えないほどのものであり、全てが終わって塵になった時はさすがに死を迎えた。


 これで今度こそ終わったと思いきや……














 ささやき いのり えいしょう ねんじろ





 バシャ!!






 “ブギャ!?”


 何かの液体をぶっかけられた衝撃で目が覚めた。

 まず目に入ったのは、『蘇生薬』のラベルが貼られた空の瓶をダボダボの白衣の袖ごと掴んでる悪魔少女(サツマ博士)だった。一体何が起きたのか、考えてる内にもう片方の手でガシッとわしづかみにされた。


「よし、再生完了した。こいつはすぐに送り返しといて」


「いえすまむ~!!」


 そのままポイっと床へ投げ捨てられたと思えば、同じようなダボダボの白衣を着た小悪魔達に担ぎ上げられて魔法陣まで運ばれて行き……

 前回と同じく暗い通路を抜けた先は……



 “帰ってきたかーお前の次のターゲットだが……”


 主人(仮)(ミル)から一切の反論を許さんっとばかりに、新たなターゲット(Aランク冒険者PT)に突撃指令が下され……

 ボコボコにされて意識消失したと思えば……


 また謎の呪文と共にぶっかけられた薬で復活させられ……


 “歩に後退はない!!あるのは前進のみだ~!!とつげき~~!!”


 主人(仮)(ミル)の命令で絶対勝てないような相手に突撃させられ、ボコボコにされて意識消失すれば……

 やはり、同じように蘇生させられ……


 “はっはっは~マソイーターは滅びぬ!何度でも蘇るのだ~~!!とつげき~~!!!”



 そんな感じに突撃して殺されては復活してを何度繰り返したのか……


 とにかく、永遠に続くかと思われた戦いも黄金に輝く漢女(アーデル)が呼び出した黄金の猛牛に吹っ飛ばされた事で終結。


 デルフリを始めとした仲間が全員やられるという、戦いは完全な敗北と終ったが元テキトー伯爵は安堵していた。


 これで本当に全てが終わった。

 何度も破壊と再生を繰り返してきた苦痛に満ちた生が終わったと思うも……



 彼は知らなかった。










「さて、君達の次の派遣先が決まったよ。先方がお待ちかねだからすぐに向かってもらおうかな」


 “ワ、ワタシハドコニ……ツレテイカレルンダ……??ア……アア……ウワアアアアアア”


 この苦痛と絶望、後ついでに罰として受けてたしばらくごはん抜きの刑で空腹に喘ぐ生はこの先彼というか、彼等が歩む化け物人生の序章に過ぎなかった事を……






 なお、彼等がこの後どんな化け物生を歩んだかについてだが……


 しばらくの間はとある異世界のダンジョンを徘徊するレア魔物として登録され、冒険者達にレアドロップ目当てにサーチアンドデストロイされるという、「安心」なんてない生活を送る羽目になってるとだけ言っておこう。

こんなざまぁを迎えた害虫貴族達だけど、クズよりかは遥かにマシとだけ言っておこう。


えぇ、それだけ奴のざまぁは凄まじいのデス(*゜∀゜)ダカラドエスノドクシャハゴキタイクダサイマシ

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― 新着の感想 ―
コレ、ワザとだよね♪狙ってやったでしょ(笑)楽しいもんね♪ もしかして次の就職先は雪だるまの悪魔が出るゲーム?金色に塗り替えてたら……狩るぞ~!!オーーッ!!!
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