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154.さぁ我が配下達よ!!愚民達を殺せ!!この場を地獄に作り変えてやれ!!!

魔王クズは仲間を呼んだ。


「しっとの心は~!!」「父心~!!」


なんと、しっと団達が応援に駆け付けた!?


まさかクリスマスの日に丁度この回がぶち当たるとは思わんかった(´Д`;)

これだとバレンタインにあの回がぶち当たるんじゃなかろうか……(;゜Д゜)

「ま、魔王……?」


 戦いが続いてる間、ハイドと共にクラーラの元へと駆けつけていたアーデルは思わず聞き返す。

 その問いに答えるかのごとく、クズは改めて宣言した。


「そう……俺は魔王だ!!俺こそが魔王!!!この世界の全てを支配する魔王デルフリ様だ!!!!」



 びりびりびり……


 クズの咆哮に大地が振るえる。

 心身に絶望を植えつけるかのようなその咆哮にアーデル含む多くの者は恐怖する。


 だが、アーデルは気絶中のクラーラを守るために気合を入れなおす。


「デルフリ!!魔王だなんて自分が何を言ってるの!?」


「そうか。まだ信じられないっというなら……これでどうだ!!ふん!!!」


 クズが足で地面を鳴らすと同時に、影から現れたのは……


 それは、腐臭や腐肉をまき散らす軟体生物(スライム)にサイズがあってない目玉を無理やり埋め込んだかのような化け物。

 それは、神経むき出しな肉の蛞蝓に巨大化させた人間の手と顔を融合させたかのような化け物。

 それは、頭だけが辛うじて人だとわかるようなおぞましい芋虫のような化け物。

 それは、汚い汁をまき散らしながら脈打つ心臓に足代わりの触手がついてるような化け物。

 それは、口らしきところから常にドロドロとした溶解液を垂れ流して自分自身を溶かしてる肉塊のような化け物。


 その他にも到底形容しがたい異形の魔物……いや、もはや魔物と呼ぶのも憚れるかのような化け物の群れ。生物なら見た瞬間に本能的な嫌悪感を呼び起こしかねない、神に見捨てられて奈落へと廃棄処分されてなお生き続けたかのような化け物達が次々とクズの影から這い出てきたのだ。

 そんな神敵ともいえる化け物を前にしてあちらこちらで悲鳴が上がり、歴戦の(つわもの)である衛兵や冒険者ですらも恐れおののきそうな化け物達にデルフリは命令を下した。


「さぁ我が配下達よ!!愚民達を殺せ!!この場を地獄に作り変えてやれ!!!」


「「「イーーーー!!!!」」」


 デルフリの命に従い、化け物達は一斉に周囲へと散開。

 広場は一瞬にして地獄絵図と化した。その様にクズは満足げに笑う。


「さぁどうだ?これで俺が魔王という証明になっただろ」


「な、なんて事を……本当に身も心も魔王となってしまったの!!?」


「その通り!!俺は魔王だ!!!世界を支配する魔王だ!!!アーデル、貴様は魔王に歯向かう愚か者として俺直々に殺してやる!!死ね!!!」


「危ない!!」


 アーデルめがけて無数の闇の炎の矢が放たれたのを見たハイドはアーデルの前に立つ。

 クズが放つ闇の炎は爆発を伴う。下手に迎撃すれば爆風に巻き込まれて吹っ飛んでしまうが、逆に迎撃せずどっしりと構えれば爆風含めて押しとどめる事が出来る。


 ロンジュとマイヤーの有様をみて、そう学習したハイドはマイヤーを真似てどっしりと構えて受け止める。

 その目論見は成功するも、クズはさらなる追撃っとばかりに闇の炎の矢を乱れ放つ。


「ハ、ハイド!!」


「大丈夫だ!!こんなチンケな矢なんていくら来ようとも問題ない!!!」


「ならばチンケな矢ではなく、槍ならどうだ?」


 クズの宣言通り、次に飛来したのは矢ではなく槍であった。

 槍と称するだけあってその威力は段違い。しかもそれが連続で放たれるのだ。


「ぬぐぅ……!!?」


 ハイドが唸る。

 さすがに槍ではハイドもたまらず後退してしまうも、その背をマイヤーが支えた。


「おやおや、この程度の攻撃で後退とは情けないですね」


「マ、マイヤー殿……」


「見せてあげましょう。アムル家の48の殺人技の一つ『マッスルディフェンダー』……その真髄を!!」


 次は自分の番だっとばかりに前へと躍り出るマイヤー。

 両腕で顔面を覆う『マッスルディフェンダー』の構えでもって迎え撃つも……









 あっさり吹っ飛んだ。






 ダメージそのものは防げても衝撃までは防げず、後ろにいたハイドに受け止められる羽目となった。


「馬鹿な、このような結末は……予想外すぎる!!」


「「「「「…………(うん、確かにこれは予想外過ぎたわ。いろいろと予想外過ぎたわ)」」」」」


 それでもマイヤーの行動は周囲に一筋の勇気と希望の灯を与えたのは確か。

 その行動に釣られるかのごとく、目の前の信じられない光景に惚けていたメイは動いた。


 あの日から……自分のミスで危うく死なせるところであった主であるアーデルを命に変えても守ると誓っていたのに、いざその場に来て怖気づいてしまった自分を叱咤するかのごとく、立ち上がってハイドとマイヤーへと並ぶ。


「僭越ながら、私も力になりましょう。非力な身ですけど最低10秒は耐えてみせます」


「はん。10秒とは情けない!!仮にも女王となるアーデルの盾となるなら10時間は持たせてみせろ!!」


「まぁまぁ、規格外な兄さんならともかく普通なら10秒持てばいい所なのは確か。ですけど、やはり30秒ほしいところ。よければこのドーピング剤を」


「要りません!!!結構です!!!!」


 外から割り込んできたのは片手間的に化け物を蹴散らしてた二人の大男、その内の一人にメイは思わず突っ込む。

 彼の薬は効果が高い代わりに重い副作用がついてくるだけに、メイは即座に拒否した。


「はっ、薬に頼るなんざ3流だ!!ここはやはり兵器に……」


「漢なら拳一つで勝負しろ。3流が」


「貴様、俺を3流だと……俺を誰だと思ってやがる!!」


「3流が不満あらば5流……いや、あえてランク外と呼んだ方がいいかな?」


「て、てめぇ……覚えてやがれ!!あのクズを始末したら次はてめぇの番だ!!」


「すまんな。俺は物忘れが激しいので、クズを片付けた後の事は覚えておけそうにない」


 さらに現れるのは、やはり片手間で化け物達を蹴散らしながら漫才染みたやりとりを行う大男の二人。

 その様にメイだけでなくアーデルやマイヤーも呆れる。

 だが唯一理解できないハイドはつい惚け気味に問いかけてしまった。


「済まない、貴殿は何者であろうか……?」


「我らは……」


「アーデルの……」


「実の……」


「兄だ」


「「「「そして……世間では我々はこう呼ばれている……『辺境の世紀末4兄弟』と」」」」

今まで会話等でしか触れられてなかったお義姉ちゃんの実兄達……

万を期して、遂に降臨!!


頼もしい援軍なはずだけど、どことなくかませ臭がするのは気のせいだろうか……?



余談だけど化け物達のモデルは竜冒険でトップクラスのグロさを持つマンイーター&カルマッソと最終幻想の正体不明達。

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― 新着の感想 ―
どうせならPシリーズも呼び出したら更にカオスったのに♪このシリーズの敵は恐怖の具現化されたものらしいから。 確か3兄がマンガだとその担当だったよね。ギャグ系だと2兄が恰好だけ担当していたりするんだな…
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