143.ま、まずい!!真面目モードが長すぎてアーデル(様)の集中力が切れかかってる!!!? ※ クズ5度目のざまぁ回(その6)
おや、女王アーデルの様子が……?
トンテントンテントンテントンテン♪
「このクズ野郎が!!」「俺達をなんだと思ってやがる!!」「死んで償え!!」
「ち、違う……これはアーデルの陰謀だ!!俺は悪くない!!!」
周囲からの罵声に対してクズはまだ自分が悪くないっと声を張り上げも。クズ断罪の空気が完全に出来上がった今の状況ではもはや火に油を注ぐ行為であろう。
逆にアインとツヴァイは自分の立場を正しく理解し始めた事もあって、真っ青になっている。
このままでは周囲の王都民達に襲われてなぶり殺しにされるのではっと戦々恐々だ。
だが、今ここで民衆に暴動を起こされたら本当に収拾がつかなくなるのでアーデルは再度周囲に語りかける。
「皆さん、クズな元王太子を恨む気持ちはわかります!!だが、あえて私は宣言します!!
この度の責任は私にもある!!私は婚約者としてこのクズを諫めなければならぬというのに、その義務を怠ってしまいました!!だから私は償いとしてクズ達の責……5000憶Gの損害を私が責任もって埋め合わせます!!!
皆さんには一切の責任、具体的にいえば税を取り立てません!!取り立てない上で新たに5000億Gを国庫に入れます!!!
その功績でもって怒りを納めてください!!!」
「元国王でデルフリの元父である余も宣言する!!
デルフリはすでに王籍も抜いてるが、それでも余の息子!!実の息子をどうしようもないクズへと育て上げてしまったクズ父であるが、この段階まで来たのだ!!
王としてだけではなく親としても皆が納得する処分を下すと誓う……いや、誓わせてほしい!!!この通りだ!!!」
王の宣言というか、ある行動に周囲は静まった。
この調停式はある程度の流れは予定調和であるも、王の行動……
倭国名物のDO☆GE☆ZA!!に周囲は静まった。
これにはさすがに二の句が告げなくなるも、このまま無駄に時間を流させるわけにはいかないと思われたのか。調停式を取り仕切るヨハン大司教補佐が声をあげた。
「皆よ!!各自思うところはあるだろうが、今はまだ戦争が終わっておらぬ!!
ゼーゼマン公爵軍代表との調停が結ばれて初めて戦争が終結する!!
そのため、ここでくz……デルフリ氏の処分を検討するよりも調停式を先に進めさせてほしい!!どうだろうか!?」
「その通りでございます!!今はクズの処分より戦争の終結が何よりも先決!!!すぐに調停の手続きをいたしましょう。あせあせっと……」
「「「「!!!!??(ま、まずい!!真面目モードが長すぎてアーデル(様)の集中力が切れかかってる!!!?)」」」」
最後の言葉は小声だ。
舞台の上の限られた者にしか聞こえないほどであっても、その後の動きからして少々化けの皮がはがれ始めていた。
これ以上長引かせれば完全に化けの皮がはがれて誤魔化し切れなくなる。
そうなれば……
そうなれば……
……
…………
………………
「「「「…………(化けの皮はがれても問題ある……のか?)」」」」
調停式はクズのせいですでに形式も何もあったものじゃないカオスな場になり果ててるのだ。
ここでアーデルが本性現して大暴れしても……クズをぶちのめしても誰が咎めるというのだろうか?
というか、皆よくやったとばかりに褒めたたえられる可能性がある。
アーデルも割りとノリが良い性格だ。皆の歓声に応えながら意気揚々とクズのサンドバックショーを行うだろう。
むしろ…………
「「「「…………(ちょっと……みてみたい……かも)」」」」
舞台の上に居る者達も場を支配するカオスな空気にあてられたのか……
少々正常な判断を下せられなくなっていたのであった。
だが、そんな空気の中であっても動じない者はいる。
「フランクフルト王国アーデル新女王陛下の言葉通り、公爵軍としてもこれ以上の戦争は望んでないので速やかに調停式の再開を希望する!!いいだろうか?」
ハイドである。
彼は場にカオスな空気が満ち足りてきた中であっても、出番だと判断すれば場の空気なぞ全く意に介さず躊躇なく行動できるのだ。
よって、ハイドは呆然としてるクズ達を押しのける形で舞台へと上がってきた。
アーデルも愛するハイドの前で無様な姿は見せられないっと気合を入れなおす。
「もちろんでございます。むしろ王国のごたごたに巻き込んでしまって申し訳ございません。ゼーゼマン公爵軍の大将でクールーラオロウ帝国の第4皇子ハイド様」
「なに、ちょっとした余興と思えばむしろ楽しめたというものよ!!はっはっは」
「えーごほん!!両軍の代表者が席に着いた事で、改めてこの度の戦争の調停式を執り行う。なお、この調停式は審判の神の名のもとに大司教補佐ヨハンが公平無私の精神で取り仕切る事を誓わせてもらおう。相応同意してもらえるか?」
「フランクフルト王国女王アーデルの名の元に、ヨハン大司教補佐ヨハン様に審判を委ねます」
「ゼーゼマン公爵軍大将でありクールーラオロウ帝国の第4皇子ハイドの名の元に、ヨハン大司教補佐ヨハン様に審判を委ねよう」
「よろしい。では、調停式を始める」
ニアB(進化キャンセルボタン)
女王アーデルの進化はキャンセルされました……。




