138.これは一体何がどうなってるんだ!?(SIDE:アイン&ツヴァイ) ※ クズ5度目のざまぁ回(その1)
何がどうなってる?
決まってるじゃぁないですか……読者お待ちかねのクズざまぁ回が始まるのさ(゜∀゜)o彡゜
「アーデル!!貴様何のつもりだこれは!!!」
デルフリが叫んだ。
これから戦争の調停式が行われようとする中、関係ないっと言わんばかりな態度で舞台へと乗り込んだ。
舞台を守る兵達も相手が王太子なだけあってそのまま素通りさせてくれるも、中央のペーターが率いている近衛兵だけは立ちふさがった。
その不敬ともいえる態度にデルフリが声を荒げる。
「貴様等、邪魔をするな!!どけ!!」
「いいえ、どきません」
「ペーター!!もう一度言うぞ……そこをどけ!!」
「どきません」
アーデルを守るべく、一歩も引かないペーターと近衛兵達にデルフリは切れたようだ。
もう埒が明かないっとばかりに力尽くで突破を図るも……
ばきっ!!
「ぶげら!?」
ペーターからの拳を顔面に受けた事であっさり後退ついでに地面を転がされた。
「き、きさま……王太子たる俺に手をあげたな!!処刑だ!!今すぐこいつを処刑しろ!!!」
デルフリは叫ぶ。
周囲の近衛兵や衛兵に向かって叫ぶも、彼等は動かない。
さらにいえばアインとツヴァイも動かない。
っというか、動けなかった。
二人はここに来て、ようやく自分達の置かれている立場に……
舞台を取り囲んでいる大勢の王都民からの視線、デルフリと自分達をみる冷たい視線に……
中には『コロシテヤル』っと言わんばかりの殺意さえ込められた視線に……
貴族席にはクズの派閥ともいえる王家派の貴族家の者が全く居ない事に……
王都に残ったであろう同級生の姿すら見えない事に……
自分達の味方が全く居ない事に……
今頃になってようやく気付いたのだ。
「アイン!!ツヴァイ!!貴様等もなにをやってる!!さっさと来い」
「「は、はい!!」」
このままデルフ……クズに従っていては破滅する。
頭ではわかってるはずなのに、長年の習慣のせいでクズから呼ばれたらつい目の前まで駆け付けて助け起こしてしまう。
だが、クズから近衛兵を倒せと命令されても……
「ヒャッハー!なんだぁ~?俺達には刃向かうってんなら、汚物として消毒してやるぜ~?」
「ヒャッハー!今宵の『何と人間砲弾』はいつもの3倍はとぶぜ~!?」
「い、いえ……その……」
王を守るという名誉ある立場なのに粗暴っと言わざるを得ない振る舞いをする近衛兵から凄まれたせいで、残り少なかった気勢を完全にそがれてしまった。
とにかくここをなんとか切り抜けなければっと周囲を探ると、丁度二人のやり取りを見守っていたクラーラと目が合う。
「ク、クラーラ……殿下を助けてやってくれない……か?」
なぜ彼女がアーデルのそば仕えと言わんばかりの位置に居るのか、少々疑問に思うところはあってもクラーラは近衛兵からも人気が高いと聞く。
そんな彼女が口添えしてもらえればっと思って声をかけたら……
“はっ?なんで私があんたらを助けなければいけないのさ”
と言わんばかりの冷たい視線で返された。
クズとクラーラは『真実の愛』で繋がった相思相愛の仲と信じていた二人にとって、クラーラの対応は予想外である。
「ま、待ってください!!クラーラはデルフリ王太子の事が」
「クラーラ嬢もおさがりください。こんな奴等とまともに相手してはなりません」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて今は下がらせてもらいます」
一体どういう事かと問い詰めようとするも、別の近衛兵達が後ろへと下がるクラーラを守るかの如く立ち塞がった。
「ク、クラーラ!!なんで下がる!!!貴様!!!どけ!!!」
「いいえ、どきません」
クズもクラーラの姿に気付いたのか、同じく問い詰めようとするもそれはペーターに阻まれる。
しかもアーデルと違ってクラーラは完全に舞台裏へと引っ込んだのだ。
どうやらクラーラはクズと話をするつもりすらないらしい。
((な、なんだ……クラーラ嬢がデルフリ王太子を見限るだなんて、これは一体何がどうなってるんだ!?))
最早どうすればいいのか。混乱の極地に達したアインとツヴァイは舞台上で情けなくオロオロするばかりであった。
オロオロヽ(・ω・ ;ヽ)三(ノ ; ・ω・)ノオロオロ
うろたえるな小僧ども!!(ノ`Д´)ノ-----┻┻☆)゜ロ゜)ノ グハッ




