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103.笑いながら『ざまぁwwww』とか言ってやった方がいいのかな?(SIDE:モブ死神) ※ 1度目の害虫貴族駆除回(裏)

ちょっとした閑話というか、人外からみた戦争の裏事情。


そんな人外から『馬鹿め』ならぬ『ざまぁ』といわれるほど、クズ達はどうしようもなかったらしいwww

「ちたたぷっ!!チタタプッ!!」


「ハイクヲヨメ!!カイシャクシテヤル!!!」


「これから毎日貴族を焼こうぜ!?」




「なっ、なっ、な……」


 死者のお迎え要員として戦場へと出てきた見習い死神である私、キナコは目の前の光景。

 阿鼻叫喚ともいうべき、地獄絵図に愕然していた……







 ……………………


 時間を少し遡ったある日の冥府。


 死神学校を卒業し、新人の見習い死神としてフランクフルト王国に配属されたキナコは死神を統括する閻魔様から近々王国で起きる戦争での戦死者お迎え要員としての出動が要請された。


 下見的に自分の担当とされてる遠方の田舎での業務をこなす傍ら王都へと訪れて内情を調べたら今回の戦争は悪魔。上手く褐色肌の姉妹娼婦に擬態してるようでも死神の目、まだまだ未熟な見習いであってもきっかり正体を看過できた二人の悪魔に誑し込まれたクズ王太子が発端で起きたのだとわかった。


「でも王都の状況からして、わざわざ悪魔が誑し込むまでもなく戦争引き起こしてたんじゃ……?」


 少なくとも、クズの周囲に群がってる貴族達は悪魔が誑し込む必要ないほどの愚かっぷりを発揮しており、民兵も無理やり招集されたせいで不満たらたら。

 何かキッカケがあれば即座にクーデターが起きてもおかしくない程の内情だ。


 対して対戦相手となるゼーゼマン公爵軍は多少気品が劣ってても、上も下も一丸となって戦争準備を行っている。

 通常なら開催前の時点ですでに王国軍の敗北が確定してるわけだが、今回は悪魔が関わってるのだ。まずタダで終わるわけがない。


「この規模の戦争だと通常なら500人。多ければ1000人程度だけど、王国軍の指揮官達の愚かっぷりからすれば倍の2000人はいくかもしれない。

 対して今回派遣される死神の総数からみて2000人なんてデスマーチ案件。これは増援が必要というか……

 もしかして私がその増援要員として選ばれた!?」


 本当にそうかわからないが、状況下からみてあながち間違いではないだろうと判断。


「つまり、私は見習いながらも期待されている!!これは頑張らないと!!!」


 こうして知らず知らずブラックの罠にかかったキナコは気合を入れて当日の戦争を見守るのだが……







「貴様ら何かってにうg……(グサー)あべし!?」


「き、貴様上官にさかr……(サクー)たわば?!」


「な、何をするきさm……(ドゴー)うわらばっ!?」



「エッジ!!こっちは片付けたぞ!!そっちはどうだ?!」


「ヴィクス!!敵兵さんは降伏を受け入れてくれたぞ!!戦線離脱するなら追撃をしないとの事だ!!!」


「よし、皆聞いての通り!!このくだらない戦争で死にたくないっていうなら、ここからずらかるぞ!!」







「あるぇ~~?」


 兵同士がぶつかってそのまま交戦が始まったと思ったら、王国軍の一卒兵らしき(ヴィクス&エッジ)者が部隊長とその取り巻きをグサーしてそのまま民兵を引き連れてのとんずら。


 公爵軍も逃げる王国軍に追撃を入れず立ち去るから、死者はたったの3人だけ。



 そんな光景が……交戦と同時に王国軍の一卒兵らしき者が部隊長とその取り巻きを殺して逃走する図があちらこちらで発生。


 人間の『絶望』や『嘆き』といった負の感情を集めるために待機していた木っ端な悪魔達も、兵士達の闘争心を煽って戦闘を促すような真似をせずに味方からグサーされた被害者を『プギャー』と笑いながら負の感情の回収だ。


 同じように戦争中に善行を積んだ人間を祝福するために待機していた天使達も悪魔とほぼ同様。

 自らの正義と良心のため、処罰覚悟で上官殺しを行った者達を祝福する傍ら、その上官達をチラ見しては『プークスクス』とか笑っているのだ。


 しまいには悪魔と天使が一緒になって笑う辺り、あいつらは本当どれだけ忌み嫌われてるのか……


「いや、私も私であれは相応のインガオホーだと思うし……笑いながら『ざまぁwwww』とか言ってやった方がいいのかな?」


 そんなつぶやきが悪魔と天使に聞こえたのか、二匹はとてもいい笑顔でサムズアップしてきたのでついサムズアップで返してしまったキナコであった。





 そんなこんなと昼の戦闘は死者が圧倒的少数のままで終了。



 夜には公爵軍の陣地に王国軍を誘いこんでの焼き討ちで50人近い死者は出るも、公爵軍の夜襲を受けていた王国軍の陣地では10人程度の犠牲者を出した所でクズ生け捕りで戦争終了。


 蓋を開けてみたら、2000人を想定した死者は1割の200人程度。

 拍子抜けと言わざるを得ないぐらいの死者数で戦争が終結したのであった。

ちなみに怪我人は相応の数がいると思う。


ただ、それが何人かと言われると……こうした戦争の怪我人って何人ぐらいが適任になるんすかねぇ?

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― 新着の感想 ―
あれぇ~~?ここで起こったのは戦争だよね。 悪魔が係わったら阿鼻叫喚の嵐でまさに血で血を洗う状況になって怨嗟の世になるはずなんだけど…… 天使も戦死した者を向かえる予定?勇者の選定?だったのかな。 仲…
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