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102.あー本当にこれ。どうやって隠蔽しようかしら(SIDE:ロッテン) ※ 2度目の害虫貴族駆除回(その2)

悪夢は終わらない ~滴り落ちる血の雫~


コワレロコワレコワレコワレテユケ!

コワレロコワレコワレコワレテユケ!!

コワレロコワレコワレコワレテユケ!!!

コワレロコワレコワレコワレテユケ!!!!



※ ネタがわからないなら『EXEC_over.METHOD_SUBLIMATION/.~ee wassa sos yehar』でググりましょう

「「「「「コワレロコワレコワレコワレテユケ!!コワレロコワレコワレコワレテユケ!!」」」」」


「「「「「アーーーーーーーッ!!!!」」」」」


 王国陣地で繰り広げられた阿鼻叫喚としか言いようのない地獄。

 現実から切り離されたかのような、正真正銘の地獄絵図。

 民兵達の狂ったかのような声をかき消すかのように上がる犠牲者達の悲鳴。


 その光景は昨夜の灼熱地獄。

 自陣地を火の海にして敵兵を多数焼き殺す光景を愉悦な表情で眺めていたロッテンすら顔をゆがませ、お付きの部下や海の荒くれの一部は耐えきれずリバース。教会関係者に介抱されながら避難するほどであった。



「あの……ロッテンお嬢様。さすがにこれはやりすぎではないでしょうか?」


「カナリア。さすがに私もちょっとうかつだったと反省してるわ。でも……これ、今さら止めれると思ってる?

 下手に止めようとしたらあいつらの矛先、私達に向くわよ。今あいつらに襲い掛かれたら、私達壊滅必須じゃない」


「ですよねー。しかし、あいつら最初っからあのテンションで戦争してたら勝ってたんじゃないすか?」


「船長の言う通りだわ。ハイド曰く戦争は数より戦術が大事とは言ってたけど、結局数の暴力には敵わないってわけよ」


「いえお嬢様違います。クズ達の敗因はたった一つ。とてもシンプルな答え……クズ達は民衆を怒らせた。これに尽きるでしょう」


「それは……あながち間違ってないだけあって否定できないじゃない!!とにかく私達もこいつらみたいな末路をたどらないよう、今後も謙虚で居続けるわよ!!!」


 そう決意を固めたロッテンはこの地獄の後始末をどうすべきかと頭を悩ませながらも、現場責任者として捕虜貴族の末路をしっかり見届けるのであった。






 こうして朝から始まった民兵達の拷問まがいの処刑だが……

 民兵達に拷問のプロでも紛れていたのか、大半が夕方になっても死ぬことなく生き続け……

 全員が死んだのは、日もどっぷり沈んで真夜中になってからであった。


 そして、処刑の最中はあれだけハイテンションだった民兵達も最後の一人が息絶えた瞬間に憑き物が晴れたかのごとく正気へと戻った。

 そう、本当に憑き物が晴れたかのごとく……だ。


「ロッテン、気付いてた?あの民兵達の様子がおかしかった事に……」


「ヨーゼフ兄さん。私も違和感に気付いてはいたけど止めに止められなかったのよねぇ。その結果がこれなわけで……一応聞いてみるけど、どう後処理すればいいと思う?」


「えっと……これ、やっぱりそのまま報告はまずい……んだよね?」


「当たり前だ!!……あー本当にこれ。どうやって隠蔽しようかしら」


「と、とりあえず民兵の皆さんには今回の処刑を他言無用にしてもらう方向でいいんじゃないのかな?その他諸々の事を考えるのはそれからで」


「そうね……まずは口止め。そして影を総動員させて処刑現場の清掃。後はもうそれから考えましょうか」



 そんなわけで、ロッテンは頭を抱えながらも共犯となってくれた教会陣営と協力して処刑の痕跡を徹底的に隠蔽。

 報告書でも彼等の死因は拷問死ではなく戦傷によるものと偽わった。


「まぁ、こんなので騙しきれるとは思えないけど」


 だが、ロッテンの心配とは裏腹に世間はこれから起きる王都の騒ぎに注目していた事もあってか、王家と公爵家との間に起きた戦争には大した興味を示さなかった。


 そのおかげで、後の歴史上では今回の凄惨な処刑がなかった事にされたのである。





 ちなみに、今回処刑された貴族達は戦死したという偽りの報告書のおかげで後世では多少マシな扱いを受けたのは余談である。














 ……………………



 一方、少し時間を巻き戻した王都の騎士団長家であり、ペーターの生家でもあるシュバルツ家。

 こちらではアムル領から王都へと秘密裏に帰還し、トビアス王との裏取引で王権を奪取していたアーデルとその手勢が潜伏していた。


 そんな王妃代理改め女王(仮)となったアーデルの元に戦争の結末を記した一報が届いた。

 その一報を読み終えたアーデルはにやりと笑う。



「想定以上の大勝利だなんてさすがハイドとロッテンね。これは私も頑張らなくてはいけないわ」


「うんうん。王城や王都内での根回しはすでに終えたも同然だし、次は最後の仕上げだよね。お義姉ちゃん」


「こらこら。今は身内しかいないからいいけど、外では……」


「わかってますわ。お義姉様」


「ならばよし。さて、向こうはロッテンとヨーゼフ兄さんに戦後処理を任せてハイドとマイヤーがクズを連れて王都に戻るそうよ。到着は明日の夕方だから王都に残ってる貴族にはあの愚王かっこかりに『王国軍敗北』と朝一での登城命令を送るよう知らせてきて頂戴。それと明日の謁見がスムーズに進むよう、例の大掃除は今夜にでも決行しましょうか」


「それはつまり……」


 メイのつぶやきに合わせてアーデルは即座にアムル領から連れてきた実兄(北〇4兄弟)私兵(モヒカン)達を招集させた。

 彼等の大半は国境警備の要。抜けたら防衛が疎かになるのだが、叔父である騎士団長と直属の近衛兵に防衛任務を代わってもらったのだ。


 そんなアーデルの直属の親衛隊ともいえる立場となった実兄(北〇4兄弟)私兵(モヒカン)に向かってアーデルはとても良い笑顔で宣言する。


「皆も王都に来たはいいけど、今までずっと隠密行動や穏便な対処ばかりでいろいろたまってるでしょう。掃除方法は現場の判断に任せるから今夜は思う存分……『お義姉ちゃん!!』……ではなく、王宮の財政が芳しくならないよう、なるべく金銭被害出さない程度に暴れてきなさい(ヒャッハー!しなさい)!!後、経費を超えた場合は実費で負担しとくように!!」


「「「「「お、仰せのままに……」」」」」


 商人らしく被害総額を気にするクラーラが鬼の形相で睨んでるせいで若干締まりが悪いながらも、アーデルの命令を遂行する意思は変わりないっと動き出す面々。


 その日の夜、王都の貴族街では王国軍敗北というニュースなぞ些細な事として処理されかねない程の騒ぎが起きたのであった。

地獄はまだ終わらないZE☆


次回


王都は赤く燃えている!?


……の前に、少し閑話が入ります

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― 新着の感想 ―
漸く正気に戻った。……オサケデモノンデタ?ナンカタベタ? ダイジョウブですよ、「木を隠すなら森の中」といいますから。つまり、もっとすごいことが起こるんだから♪ 祭りの前こそ盛り上がるぜ!さあ、最高の…
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