おまけ:バッドエンディング
ロウアがホセイトスの船に乗って現れた後の話です。ちょっと荒っぽい感じです。
こっちじゃなくて良かったかもと思ってます。
「そうでしょ?」
アマミル先輩のご指導のおかげですっ!
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アマミル達を乗せたバスは、ロウアの船に移動していた。シアムは、彼に駆け寄ったが、彼の悲しみに溢れた姿にそれ以上近づけず、その足を止めた。ロウアの横には、ホセイトスが居たのでシアムとアルは何故彼がいるのか分からず戸惑った。
「遅くなってすいません。遅くなってしまった……、全てが遅くなった……」
「カミ君……」
「カミィ、どうしたんだよ……」
アマミルとイツキナもどうしていいか分からずに居た。
「やだやだやだぁ……、遅くなってどういうことだよぉ。まだ、みんなを助けられるじゃんっ!」
アルは、ロウアを励ますようにそう言った。
「アル、駄目なんだ……」
「永原……ホセイトス、船を降ろしてくれっ!!!な、なるべく多くの人を乗せるんだっ!」
「……無理だよ……、分かってるだろ……」
ホセイトスは力なくロウアの言葉に力なく答えた。ホセイトスの連れてきた船団は数が限られていて、その登場できる人数にも上限があった。
「私の勝ちだぁぁぁぁ、はぁぁぁぁっ!」
「カ、カミィ、あのままで良いの?」
「カミ?」
アルとシアムの声にロウアは悲しみに包まれた目で答えた。
「……も、もう、間に合わない……ごめん」
「え?間に合わないって?」
「地球の浄化が始まってしまった……」
「じょ、浄化ってなんだい?!」
ロウアは拡散器を使って船からムーの国民達にホセイトスの船に乗れと叫んだ。彼の大きな声は拡散されたが、その言葉の最後はもどかしさのため、途切れ途切れになっていた。
「カ、カミィッ?!」
この場に居る生きている人々はできるだけ聖域とホセイトスの船に乗った。しかし、彼を信じない人々も一定数いた。
「その船に乗ってどうなるんだっ!神殿は破壊されたのだぞっ!」
「そうだっ!なにがロウアの船だっ!」
「大体、乗り切れる大きさかっ!」
「俺はここから逃げるぞっ!」
「……みなさん、信じて船に乗ってください。この後、大陸が沈んでしまうんです……」
「大陸が沈む?そんなことあるかっ!」
「何を証拠に言っているんだっ!」
「ほら、みろ、愚かなミカよぉぉぉっ!これが愚かなん人間だぁぁぁ」
地上ではケセロが国民達の逃げる姿を高笑いで見ていた。
ロウア達は船に乗った人々共にムー大陸を離れた。
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それは突然起こった。善人も悪人も関係なく全てを飲み込んだ。地球の一大文明は一夜にして海中に没した。
地球上の月の直径三つ分もあった大地が海に沈んだ影響は、計り知れない。太平洋から発せられたその衝撃は巨大な津波を呼び起こし、放射線状に今のアジア大陸、南北アメリカ大陸へ伝わり、海から数キロ離れたところまで海が入り込み、多くの命を海に引きずり込んだ。
また、大陸が地球に深く沈み込んだ衝撃は巨大地震にもなって地球中をしばらく揺らし続けた。この衝撃によって大地は裂け目を作り、しばらく火山を活発にした。
大陸からはアメリカ大陸を越えた先にあったアトランティス大陸も例外ではなかった。この後、文明の中心はこの大陸に移っていくが、この地の建物は、ムーの陥没によって崩壊していった。
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「やだやだやだぁ……、た、大陸がなくなっちゃったよ……」
アトランティスの船に乗った部員達と神官と国民達、そして彼らを救ったホセイトスは、甲板から見る巨大な渦を見て涙を流した。大陸の陥没によって、巨大な津波が広がっていくのが見え、その行く先に恐れをなした。
「聖域だっけ?そこにいくぜ……」
ホセイトスは、行き先をそう告げた。
宙に浮いた聖域は当然浮いたままだった。船は聖域に着くと神官達と合流した。
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しかし、それ以降、食事もままならない状況で少ない食事を分け合う日々が続いた。聖域は、ホセイトスのお陰で引っ張って何処ともなく移動し始めた。
「池上、どこへいくんだよ」
「日本だよ、日本に行こう」
ホセイトスの言葉に、ロウアはそう答えた。自分達がやって来た場所、日本がそこにあるはずだった。
「あぁ、そうか……しかし、まだ日本に当たる島々は無いはずだぜ?」
「いや、ある」
「そうなのか?」
「正確には、ムー大陸が落ちた事で海が深くなったはず……」
「ま、まさかそれで日本大陸が現れたっていうのか?」
「うん……。この時代はユーラシア大陸とつながっているけど、海が上昇することで島になっているはず」
「そうか……」
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そして、数日かけて彼らは、日本にやって来た。
「あぁ、あれは……」
「富士山だ……」
ホセイトスの言葉にロウアはそう答えた。彼らが未来で見た霊峰 富士山だった。
ムーの人々は、文明と文化を失った生活を始めた。聖域は推進力を失って地上に落ちていた。
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しかし、日本大陸も安定していなかった。彼らが到着してしばらくは、大きな地震が続いた。
「ま、まずい……」
「ど、どうしたのカミィ?」
すると、ロウアは空に飛びだって何処かに行こうとした。
「え、えぇ?どこへ」
「シアム、元気で」
「えぇ、な、何をしようとしているの?!」
ロウアは自らの命を絶つとその魂を巨大にさせて日本大陸と一体化して安定化した。
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しばらくして
「シアム、どうしたの?地面に顔なんてくっつけて」
「うんとね、こうするとカミを感じるの」
「そっかぁ、私もやってみよっとっ!」
二人は頬を寄せた大地に未来からやって来たロウアの事を思って涙した。
「……ホントだね、グスッ……、へ、へへ、あいつのことを思い出しちゃう」
「うんうん……うぅぅ」
「なあに?アルちゃん、シアムちゃん?」
「何やってるの、早く行こうよ。今日はニホンに来てやっと一年経った記念式典だよ?女王様が待っているぞ」
「あ、アマミル先輩っ!イツキナ先輩っ!」
「はい、にゃっ!急ごう、アルちゃんっ!」
二人は立ち上がると急いでアマミルとイツキナの後を追った。
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ロウアの舟は、後に伝説となって箱船と呼ばれるようになり、ロウアという名前も変化してノアの箱舟と呼ばれるようになった。
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アーカちゃん
ここに彷徨っている人達も1万年過ぎたらいなくなっているよ。
それでも悪意が強ければ、人間としての記憶は消えて所謂悪魔そのものとして存在することになる
妖怪、悪魔、魑魅魍魎、ぜ~んぶ、元は人間さ。
本人が忘れちゃってる
集団としてのカルマさ
これに巻き込まれる善良な人もいる
だけど、宇宙の進化に比べたら小さいものだよ。
銀河系はいくつあるか知っているかい?
それでは宇宙は?
人類はどれぐらいの数が済んでいると思っているんだい?
助けることは難しい、君たち人類が選んだ選択だから。
もはや、止められない。
さあ、21世紀の人類はどういう選択をするんだい?
僕にそれを見せて欲しい。
お父様にご報告したいんだよ。
さあ帰るんだ元の時代に。
君の努力でほんのちょっとだけ好転した未来にね。
「君には感情は無いのかい?」
人として生きるなら必要だろうね。
僕だって人間だった頃はもっていたさ。
この宇宙が出来る前の宇宙でだけどね。
君が悲しんだりするのは分かるさ。
分かるんだけど、どうすることも出来ない。
僕は絶対的な記録係と報告者だから。
いや、これは人的な表現だな。
僕だって君たちと同じ考えるエネルギー体だよ。
少し毛色が違うけどね。
それじゃあね




