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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
不良少女 ホスヰ
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苦しい言い訳

 ロウア、そしてアルとシアムはホスヰの家を後にした。


「またね~、ロウアお兄ちゃんっ!アルお姉ちゃんっ!シアムお姉ちゃんっ!」


 ホスヰは手を振り、ホスヰの母親は頭を下げていたが、アルとシアムは困惑していた。


「ロウアァ~、後で説明してもらうからねっ!!!」


「今度の事は私もよく分からない、にゃ……」


「アハハ……」


 ロウア達が家に着くとアルとシアムの尋問が始まるのだった。ロウアは片言なナーカル語で説明をするのだが、うまく説明も出来ずしどろもどろしていた。


「やだやだやだ~~~っ!授業を抜けて出ちゃうとかあり得な~いっ!」

「教室を勝手に出ちゃダメだよ……。ロウア君……」


「授業の先生がお家に電話して、おばさんが私たちに連絡してくれたんだぞっ!」

「おばさん、すごく怒っていた、にゃ……」


「どうやってあの家に入ったのよっ!」

「あのお家鍵が掛かっていたよね……?

私たちがついた時に、たまたまあの家の人がお家に帰ったところだったから入れたんだよ」


「んで、どうやってあの子の病気を治したのさっ」

「あの家の人すごく感謝していたよね。お薬でも発明したの……?」


「大体あの子は何なのよっ!」

「同じ教室の子?」


 二人の猛攻に何も言い訳が出来ず、ロウアは最後にはこんな言葉しか出てこない。


「オミマイ ダケッ!」


「はぁ、もう呆れて何も言えない……」

「おばさんにも説明しないと、にゃ、ロウア君……」


 この後、二人が帰ると母親が二階に上がってきて、同じような説教が始まった。


「ロウア……、授業を抜けるなんて……。

今回のことは、許さないよっ!

お前は言うことを聞かない子だったけど、悪いことはしなかったというのにっ!」


「あぁ……」


 ロウアは21世紀の母親を思い出して、蛇に睨まれた蛙のようになっていた。


 だが、あの時と違うのは、その話している母親の心の奥に優しさを感じる点だった。口調は強いがロウアを思っているのがわかった。


「えっと……、ゴメンナサイ……」


「明日、その子の家に謝りに行くから今日は寝なさい……。

後で先生にも電話で謝っておくから……。

あなたも先生に謝るんだよっ!」


「ハイ……」


 そんなこんなで慌ただしく一日が終わった。


 ロウアはベットで今日の出来事を反省するのだった。


(や、やり過ぎた……)


(無断で授業を抜けて、無断で他人の家に入り込んだんだからなっ!)


 魂のロウアは困り切ったロウアを見てからかうように話した。


(そうだよね……)


(まあ、でもお前は良いことをしたんだ)


(えっ?)


(それは俺が保証してやるよ……)


 魂のロウアは恥ずかしそうに話していた。


(あ、ありがとう……)


 ロウアは青髪の女の子も気になっていた。


(しかし、あの青髪の女の子は一体何者だったんだろう……。

自分のことを知っていたみたいだし……)


(さっきもそんなこと言ってたな。誰だよ、青髪って)


(えっと……)


 ロウアは青い髪の女の子について説明した。


(未来が変わったって?何だそりゃ)


(ホスヰの未来が変わったと話していたんだと思う。

未来ではあの子は幼くして命を落としていたから、それが変わったんだろうか……)


(お前が未来から来て、ホスヰを助けたからホスヰの未来、やまいだっけ、そいつの未来が変わったって?)


(うん、多分……)


(んなことあり得んのかよ。

どっちにしても、確認のしようも無いから気にするな。

それに時間が止まっていたっていうのも信じられないんだが……)


(そう感じていただけかもしれないけど、とにかく不思議な体験だったんだ)


(まぁ、様子見だな)


(うん)


 ロウアは、ぐったりとして眠るのだった。


2022/10/08 文体の訂正


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