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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
不良少女 ホスヰ
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胸騒ぎ

 ロウアがいつものように授業を受けている最中だった。

 今日もホスヰは学校を休んでいるのだが、横のホスヰの机を眺めていると急に不安な気持ちがわき上がってきた。それは直感としか言えない何かだった。


(何だろう、この不安感は……)


(どうしたんだよ)


 退屈そうにしていた魂のロウアもそれを察したのか話しかけてきた。


(ホスヰが気になるんだ……)


(うん?いつもの休みだろ?あいつ身体弱いよな……)


(ロウア君……、見に行ってくれない?)


(あん?どうやって?場所がわかんねーよ)


(場所……、住所か……)


(……ツナクトノで調べろよ)


 魂のロウアは面倒くさそうだったが、何だかんだ言っても気になるようだった。


(へっ?調べること出来るの?プライバシーって無いのか……)


(何だよ、ぷらいばしーって。

ま、何でも良いけど、調べ方はさ……)


 ロウアは魂のロウアに調べ方を聞いて住所が分かった。


(しかし、気にしすぎじゃね?)


 魂のロウアは、心配しすぎじゃ無いかと考えているようだった。


(そこを何とかっ!)


(……分かったよ。良い奴だしな)


 いやいやながら魂のロウアはホスヰの家に向かって、文字通り空を飛んで行く。

 だが、しばらくしてものすごい形相で戻ってくるのだった。


(不味いぞっ!イケガミッ!)


(ど、どうしたの?)


(何かすげー苦しんでた……。

俺でも身体から魂って奴が抜けかけているのが分かったぜ……)


(えっ?えっ?

あぁ、悪い予感が当たってしまった……。

ホスヰが死んでしまうっ!)


 ロウアは授業中だったが、席を立って教室を抜け出した。


「き、君っ!どこに行くんだっ!」


 授業を教えていた先生は慌てたが、ロウアの足が速くて追いつけなかった。


 ロウアは校舎の入り口を出ると誰もいない裏手に回った。


(ロウア君、君についていくよ)


(へっ?あぁ、そうか。お前飛べるんだっけ……。変な奴……だけど、この際どうでもイイヤ。急ぐぜっ!)


(うんっ!)


 ロウアは力を使って空を鳥のように飛ぶのだった。


(急げっ!!急げっ!!急げっ!!)


 ロウア達はホスヰの家にと向かう。


2022/10/08 文体の訂正

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