続 入試はやっぱり不安です
2月に入った。
先月は美咲ちゃんの推薦入試があったが、今度はオレ達の一般入試の番だ。
「今度は純くん達の番だね。
受験、がんばってね」
全く、自分は逸早く合格をもらったからって、随分と余裕なもんだ。
この間までは、不安に圧し潰されそうにしてたくせに…。
ここはひとつ、美咲ちゃんにも現実というものを思い出してもらうとしよう。
「美咲ちゃんも、そんなに余裕そうにしてて良いのか? 一応、公立も受けるんだろう?
それに、最後の学年末試験もあるってのに」
「まぁ、いいんじゃ無ぇの?
最低でも、私立は学校は決まってんだし、学年末にしたって、公立の試験の後じゃ関係ないだろ」
確かに真彦の言うとおりだけど、それって公立を諦めてる奴の台詞だろ。
「へぇ〜、真彦は公立は諦めてるんだぁ。
アタシ達が公立に通うことになったら、真彦は住む世界が別の人になっちゃうんだぁ」
「おい、由希、その私立の人間を見下したような台詞は問題ありだぞ」
まあ、真彦のやる気を削ぐような台詞もどうかと思うけど。
「別にそんなつもりは無いわよ。
そもそも、私立って言ったって品から切まであるでしょ。
アタシが言いたかったのは、偏差値の低い学校だと、学力に大きく差が開くって言いたかっただけよ」
由希はああ言うけど、偏差値が全てってわけじゃないんだけどな。
確かに、そういう学校もあるかもしれないけど、そういう学校には、そういう学校ならでの利点っていうのが有るわけだしな。一概になんとも言えるもんじゃない。
実際、美咲ちゃんが推薦を受けた学校も、そんな学校のひとつだしな。
「まあ、みんな今までがんばってきたんだし、きっと大丈夫だよ」
「ま、そうよね。
いまさら、じたばたしてたって仕方がないものね。
ここまできたら、人事を尽くして天命を待つってやつよね」
「そうだな、後は全力を尽くすだけだな」
ああ、由希の言うとおりだ。
そして、天堂の言うように、後は自分を信じるだけだ。
「はぁ、お前ら優等生は気楽でいいよ…」
真彦がなにか没妬いてるけど、気にすることもないだろう。
やはり人生は前向きに、『Take It Easy』と行きたいものだ。
※作中の『品から切まで』ですが、この『ピン』と『キリ』には『一』と『十』を当て、『一から十まで』と、どちらにしようかと結構迷いました。結局のところ、『品格』の『品』と『切捨』の『切』を使用することとしたのですが、どちらが相応しいかったのでしょう。今でもまだ迷っています。
※作中のルビには、一般的でない、作者流の当て字が他にも混ざっております。ご注意下さい。




