織部秀明の憂鬱
今回はマネージャー織部視点です。
前回、作者にしては長めだったせいか、少しばかり疲れました。そんなわけで今回は短めです。
子供というのは扱い難い。
現実の厳しさに目を曇らせた大人と違い、その純粋さ故の理想から、真実を語ることが決して少なくないからだ。
ただ、先に述べたように現実は厳しく、それを受け入れるのが難しいことが多い。
間違えた意見なら、言って従わせることも出来る。
だが、時として正しい意見を述べるからこそ、扱い難かったりするのだ。
何が言いたいのかといえば、リトルキッスの二人と御堂玲、この三人が先日、やらかした件だ。
訊けば、夏祭りで一般人と揉めたと言う。
その事はネットで話題となり、危うく炎上する寸前だったと聞いている。
幸いにして、良識のある者によるフォローにより、事なきを得たというが、問題ある行動は慎むべきである。
おかげで、私と聖さんは、上のほうから散々と絞られる羽目となったのだ。
「あの場合、仕方ないでしょ。
しかも、こっちはプライベートですよ。
それでも、こっちが悪いってんですか!」
「揉め事を起こすなと言ってるだ」
「冗談でしょ。理はこっちにあるってのに。
世間もそれを認めてるからこそ、オレ達の方を支持してるんだし、騒ぎも収まりつつあるんだろ。
それに一応、こっちはまだ子供だし、相手は大人。
なら、大人らしい対応を求めても良いと思う。
事務所側にしても、所属タレントを護る義務だってあるはずだ」
「全く、口ばかり立つ」
と、いうわけである。
「オレとしては、ファンに媚びるばかりじゃなくって、こっちもファンを選ぶべきだと思う。責めて良識を求めるぐらいしたって良いはずだ」
確かに、その通りだとは思う。
多少言い過ぎなところはあるが、ファンの方にも良識があれば、起きなかった問題というのはよくある話なのだ。
このように正論を出されると、なんとも返答に困るのである。
全くもって、子供というのは扱い難い。
しかも純の場合、アイドル『早乙女純』としてでなく、ソングライター『JUN』としても、上から期待されているのだ。
そういったわけで、粗略に扱うことも出来ない。
本当に、厄介な子供と関わってしまったものだ。




