全国高温バトル! 2020 最終結果
2020年高温バトル、最終結果です。
前置きは省略して早速結果を見てみましょう。
10位 中村(高知県) 88.50P
天候不順な序盤は効率よくちょこちょことポイントを稼いでいたが、
暑さの本番を迎えた中盤に一転攻勢、超高温レースを仕掛けるという緩急をつけたトリッキーな戦いを繰り広げた。
自己ベスト更新もあり、一時は暫定トップにまで上り詰めたのだが、後半は他の強豪アメダス達に力負けする日が増え始め徐々に失速、終わって見ればかろうじて10位と活躍の割にやや物足りない結果となった。
9位 桐生(群馬県) 90.50P
2015年の移転で強化された北関東のnew四天王、桐生が9位。
8月11日の40℃突破の功績が大きいが、西日本有利の後半戦でも継続的にランクインしており、粘り強い得点も目立った。その甲斐あってか最後は先輩の伊勢崎を逆転、久しぶりのトップ10入り&初の群馬ナンバーワンの座に上り詰めた。
関東中心のホーム戦での勝率を高めればさらに上位も狙えるだろう。
8位 高梁(岡山県) 94.25P
猛暑日記録で新たな伝説を作った岡山の奇才、高梁が8位!
しかし当の本人は「8位?こちとら連続猛暑日にしか興味なかったよ」と言わんばかりの立ち回りで気が付けば上位に入っていたという印象だ。
一応39.3℃を出し自己ベストも更新しているのだが、単純な高温勝負は他の地点がヤバすぎて霞んでしまった。
しかし継続は力なり、猛暑日をたくさん出せばそれだけ得点の機会も多く終盤の山陽祭りに乗っかって見事トップ10入りだ、まあぶっちゃけ総合8位はおまけで本命は連続猛暑日日本一の称号だろう、おめでとう!
7位 江川崎(高知県) 97.45P
2020年の展開は西日本よりの猛暑でしかも西風基調だった為、江川崎の大躍進が期待されたが、予想程の高温は出ず結果は100Pに届かない7位とあまり奮わなかった。
他の高知勢や南九州では39℃台後半が出ていたのに、江川崎だけなぜ不調だったのだろうか。
とはいえ39℃以下の戦いでは普通に強く、中村の得点もなんやかんや上回り四国1位になるのは流石といったところか。
2013年が特殊だっただけで本来は2017年の様な不順な夏の方が実力を発揮しやすいのかもしれない。
6位 三条(新潟県) 99.90P
唯一の40℃超え・超熱帯夜双方の記録を持つ三条が100P寸止めで6位。
9月3日の40.4℃で85.4Pも稼いでしまいコツコツ稼いできた他のアメダス達が可哀そうになるが、それだけこの気温が異常な記録だということなのだ。
しかしこの40℃以外の日はあまりランクイン出来ず、最終ポイントは3桁寸止めでもう一歩という結果に。
長期猛暑の夏だったらランクインは出来なかったかもしれない。
5位 多治見(岐阜県) 106.00P
2020年の多治見は『多地味』この一言につきるだろう。
2018年は40℃超を連発、2019年は日順位1位や上位入賞を連発し優勝しているが、今回はあまりキレが無く40℃超えは無し、5位以上の日も数えるほどしかなかった。
そのかわりランキング回数は14回と全体2位の多さで、日本海ターンでも西日本ターンでもお構いなしにランキングしていた部分は今までにない部分だが、いかんせん順位が低く極値更新祭りの2020年においては効率の悪さが目立ち最終順位は5位と多治見にしてはなんとも微妙な結果になってしまった。
唯一のトップ10皆勤は継続中、移転の噂もある為、それまでにどこかで大記録を出して欲しいところだ。
4位 中条(岐阜県) 107.80P
あの多治見を上回りフェーンの達人中条が4位
ポイントの大半は9月3日の40℃&極値ボーナスだが、その前後にも台風が襲来して1位を連発したのも大きく、わずか1週間程度でこの得点を稼いでしまった。
持ち前の突破力も遺憾なく発揮し9月ホルダーは三条に譲ったものの、新潟最強の力を見せつけた。
なお、中条アメダスは2021年より新天地に移転した模様。
移転後の気温を見ると以前より海風が入りやすくなっている印象で、程度はまだ分からないがフェーン以外の強みが失われたという部分で弱体化を受けたと言えるだろう。
とはいえ本格的なシーズンにはまだ入っていないので、猛暑日クラスの戦いでどう影響するか注目したい。
3位 鳩山(埼玉県) 119.30P
西日本優勢年なのに、なんと東日本の鳩山が3位に入った。
今まで鳴りを潜めていた終盤の追い込みが久しぶりに発揮され、前半の40℃超えより後半の単独入賞の方が印象に残っている。
他の関東勢を寄せ付けないばかりか西日本勢を差し置いて上位にランクインするその姿は、まさにかつての館林そのもので、ここで鳩山がそれをやってくるというのは感慨深い。
館林移転後の関東No.1の座は2018、2019年が伊勢崎、2020年鳩山となったが猛暑の期間が短いのもあってまだ何とも言えない。
2010年代前半に頻発していた北関東無双年が最近来ていないので、他地域に邪魔されない状態での実力も確かめてみたいところではある。
2位 浜松(静岡県) 153.80P
準優勝はやはり来たか、日本記録に並んだダークホース浜松!
移転で強化されたのは把握していたが、まさか熊谷の記録に並ぶとは思わなかった。
さらに、同郷の天竜で40.9℃を叩き出した前日の8月16日がフェーンのピークとされていた為、(17日の浜松の予想最高気温は38℃)、17日は消化試合という雰囲気の中ぶっこんで来たというのもインパクトを大きくさせた要因だろう。
昇温ペース的には42℃に到達してもおかしくなかったが、もう少しというところで日照が途切れてしまうのはもはやお約束なのか、コンマ0.1℃の壁が非常に高い。
総合ランキングも大量点で首位に躍り出た時は優勝確実と思われたが、この2日間以外の活躍はほとんどなく、停滞している間に奴に差を詰められ、最後の最後で抜かれてしまった。やはり高温バトルはそんな甘くはなかった。
1位 日田(大分県) 157.5P
2020年の栄えある1位は九州王者、日田!3年ぶり3回目の優勝!
2020年は短い期間の中での高速レースだった為、浜松や中条など一撃狙いの地点が有利だったにも関わらず、コツコツと堅実にポイントを稼いでの優勝は流石王者の貫禄といったところ。
順位が目まぐるしく変わる中でもペースを一切乱さず、途中の集計ミスで順位が下がっても全く動じない鋼のメンタルも見せつけるなど日田らしさが全開。
極めつけはラストポイントとなった9月1日、この日も日田が1位だったが、実は9月極値を更新していないと
浜松を逆転出来ていないのだ、どこぞの主人公のみたいな事をやってのける日田、これだから高温バトルはやめられない!
一つ心残りがあるとすれば、連続猛暑日の記録が高梁に塗り替えられたことか。
熊谷の9月記録が破れたり、浜松が8月の記録を更新したりと記録破りの夏となった。
30位までの順位、西日本優勢ながら東日本の地点もそこそこ健闘した。
兵庫1位が豊岡じゃないのは史上初か?
甲府勝沼は総合ランキングでも仲良く隣同士、29位波照間の異質さが光る。
2020年MVP:浜松
流石にこれは浜松で確定、連続猛暑日の高梁も候補だったが40℃を絡めていない為、惜しくも落選。
県別ランキング
10位 埼玉県 172.6P
関東の強豪県として有名な埼玉県、その中で鳩山が素晴らしい活躍をしたが、もう一つのポイントゲッターの熊谷はイマイチで、その他の地点もパッとせず結果は10位と奮わなかった。
熊谷がもう少し頑張れば中位も射程圏内だっただけに、非常にもったいない。
熊谷は西風が吹かないと覚醒出来ないのか・・・
9位 大阪府 185.33P
面積は最小クラスながら恵まれた選手層で戦う大阪が鳩山率いる埼玉をなんとかかわし9位に滑り込んだ。
極値をバンバン出していたという訳ではないのだが、山陽地域の延長線上にある為、岡山の高梁や兵庫の西脇に大高温をもたらした謎の猛暑パワーの影響が少なからずあったのではないだろうか。
その説を裏付けるかのように府内トップは兵庫県との境にある豊中78.3Pで、2位の八尾44pに大きく差をつけている。
2018年は堺、2019年は枚方と毎年トップが変わっておりどこかに依存していないのが大阪強みだ、とはいえ決め手に欠けるのも事実で上位には長年行けていない、40℃を出せるような爆発力も欲しいところだ。
8位 岐阜県 209.28P
2018年は圧倒的なパワーと数の暴力、2019年は絶妙なチームプレイで優勝した岐阜だが、
2020年は多治見の得点に反し8位と微妙な順位に。
それもそのはず、多治見以外の地点が不調で県別2位が美濃35.33Pとかなりポイントが少ない。
近畿以西の地点が岐阜勢にも劣らないハイレベルな戦いを繰り広げた為、10位の足切り値が非常に高くなってしまったこと、西風フェーンの熱気が岐阜県内に留まらずに静岡西部にも流れ出してしまったことの2つが原因として考えられる。
西風発動時の岐阜に真っ向勝負で勝てるのは北関東と山梨くらいだと思っていたが、令和の夏にそんな常識は通用しなかった。周りがもっと暑かったのが敗因では対策のしようがない、次は大人しくしてくれるよう祈るしかないだろう。
7位 群馬県 214.05P
ライバルの埼玉や岐阜に勝てたのはいいが、ポイントの半分以上が8月11日の40℃超えの日で占めている為、ランクイン頻度は上述の2県より低く内容はあまり良いとは言えないだろう。
2018、2019年は微妙だった桐生が活躍したのは好材料だが、代わりに2019年強かった前橋は定位置(23.45P 60位)に逆戻りし、相変わらず館林も空気だったりと安定感に欠けている。
唯一のTOP10皆勤県なだけに今後もしっかりランクインし続けて欲しい。
ボーナスに頼り切らない戦いを心掛けてもらいたいところだ。
6位 高知県 221.30P
地点別ランキングに江川崎・中村の2地点を送り込んだ高知県、この2大巨頭の活躍に宿毛の覚醒もあり久しぶりの上位ランクインかと思ったが、意外と得点は伸びず6位止まりとなった。
実は上記3地点のポイントが県全体の90%以上を占めており、中村とよく連動する須崎や高知佐賀が得点に絡めず得点の底上げが出来なかったのだ。一応健闘はしていたのだが、宮崎内陸部や山陽地域があの状況ではランクインは厳しかっただろう。
江川崎か中村のどちらかが40℃を超えていれば、もしくは日田のように持続力があればもっと上位に行けていたはずなので次回はそこを改善して欲しいところだ。
5位 宮崎県 245.20P
2020年の宮崎はとにかく内陸部の大爆発が印象強い、なにしろ主要の内陸部地点は全て極値を更新してしまったのだから。
特に加久藤と都城は前年までの自己ベストが37℃台だったにもかかわらず、39℃を軽々と超えてきた。
どういう原理であそこまでの高温になったのかいまだに見当が付かない、分かる人がいたらぜひ教えてください。
ニュース等でも内陸部の活躍ばかりが取り上げられていたが、実は沿岸部も割と活発で宮崎県庁や赤江などが前半にまとまったポイントを稼いでしている。県全体が満遍なくランクインしたおかげでライバルの高知にも勝利した。
しかし「個」の成績を見てみるとトップが西米良の62.4P、次点で宮崎の42.4Pとやや物足りなさを感じる。全員プレーをしたのは良かったが面子は日替わり状態であまりにも分散させすぎてしまい、地点別ランキングに2地点を入れた高知とは対照的に宮崎の地点はランクイン出来なかった。こちらも全体的にもう少し個々での持続力が欲しいところだ。
4位 大分県 259.95P
2020年の大分県は高知県と似たような境遇。
日田と犬飼の2地点が大暴れし、後は竹田が少々といったところ、これでほぼ全部。
日田の粘り強い得点で4位まで順位を押し上げたものの、2020年のレベルでこれより上を目指すとなると流石にもう1、2地点は戦力となる地点が欲しい。
昔は玖珠と中津が日田にも劣らない活躍を見せていたが、今は見る影もなく、他もハイレベルな戦いは苦手な地点ばかり。
現状は日田と犬飼の負担が大きい為、移転による強化か突然の覚醒を祈る必要がありそうだ。
3位 兵庫県 269.90P
今年(2020年)の兵庫はどうしたんだ、今まで散々豊岡に頼りきりだったではないか。
兵庫県と言えば豊岡と愉快な仲間たちが集う県、豊岡の得点割合は7割、8割は当たり前、
年によっては90%以上を豊岡のポイントで占める事もあるほど豊岡依存が強い県だったはず。
それが今回は豊岡の割合はわずか27.7%しかない、こんな兵庫県は初めて見た。
やはり西脇・福崎ペアの怒涛の連続ランクインが大きいだろう、他にも姫路やら生野やら洲本やら日本海から淡路島まで多様な地点が得点していた。
前々から兵庫がチームプレイをしたらかなり脅威となる、それだけのポテンシャルはあると伝えていたがまさかここまでとは・・・これは次回以降も期待できそうだ、この勢いを維持して是非優勝まで行って欲しい。
2位 静岡県 320.80P
準優勝は静岡県!
戦力は多いが決め手に欠ける県との評価はどこへやら、浜松の41.1℃が光るが天竜の限界突破も大貢献、そこに他地点の援護射撃も加わり、短期間で大量得点するというこの夏らしい稼ぎ方だった。
浜松がポイントの大半を占めてると思いきや、意外にも浜松の占有率は50%を下回っており、天竜の他に静岡市の前半での稼ぎ、佐久間や川根本町も健闘と周囲のアメダスの活躍も大きかった。
3位とのポイント差からも優勝は確実と思われたが、最後の最後であの県に抜かれて優勝は逃してしまった。今回東部のランクインはほぼなかった為、まだ改善の余地はある。めげずに次回も頑張って欲しいところだ。
1位 新潟県 395.85P
優勝は季節外れのパワーと数の暴力の応酬で大逆転を果たした新潟県!
2020年は宮崎や兵庫など3地点以上でのチームプレイで入賞を果たした県が多かったが、新潟はその中でも常軌を逸していた。
しかも宮崎や兵庫がやっていた一方が苦手な気圧配置の時にもう一方がフォローするような連携ではないし、台風が接近してフェーンが起きた時に、フルパワーで全軍突撃。ただそれだけだったのだがこれについて来れる他県のアメダスはなくランキング上位独占を連発。
それでも攻勢に出たのが8月下旬というのは流石に遅すぎであり、優勝は厳しいとの見方が大半だったのだが、じゃあ40℃を出せばいいじゃない!と三条と中条が名乗りを挙げ、熊谷の聖域を犯すという誰も考えなかった暴挙に出たのが優勝の決め手となった。
この状態の新潟を止められる県はあるのか?東日本優位年なら岐阜がかろうじて受け止められるかもしれないが、それでも台風の数次第では厳しいだろう。華麗なる逆転優勝おめでとう!
全都道府県の順位。
西日本の地点が上位なのは予想通りだが、福島が100P超え、山形も70P稼いでいる。
新潟を暴走させた台風の影響が東北にも出ていたようだ。
高梁の活躍で岡山が中国地方トップと思いきや、こちらも台風パワーで山陰の方が稼いでおり鳥取、島根が上位。
地域別ランキング
こちらは一括発表。
九州と東海甲信は最初から最後まで一歩も譲らないデッドヒート、最後は九州が鼻の差で1位をもぎ取ったが、その差わずか3.3Pの大接戦だった。
近畿を引っ張ったのは大阪でも京都でもなく西脇福崎が大活躍した兵庫県、逆に京都はイマイチ。
関東は群玉の2県とその周辺のアメダスで完結するお馴染みの展開、40℃ボーナスの上乗せがなかったら北陸に抜かされていた、恐ろしい。
中国と四国は相変わらず仲良しでまた並んでフィニッシュ、山陽地域の活躍で中国地方に軍配が上がった。
東北は台風フェーンで福島山形が検討、離島は7月の連打で2017年以来の50P超え、北海道は熱波に恵まれず無得点に終わる。
7月は全国的に低温だったが、8月に入ってからは超濃厚な高温バトルが繰り広げられ、
瞬間火力では2018年にも引けを取らないハイレベルな戦いであった。
以上、終了!解散!
2021年の高温バトルも始まってしまったのですぐに取り掛からないと・・・
まぁ怠けてたツケが回って来ただけなので自業自得なんですが。
では、2021年編でまたお会いしましょう!




