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第三部:『地獄狼』決戦扁

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『ウォオオオオオーーーーッ! レイテ様ッ! レイテ様ッ! レイテ様ァーーッ!』


「……どうしてこうなった……」



 現状、出撃の準備が整えられている真っ最中だ。

 もう本当に時間が無い。敵の軍靴が響き渡る距離とか、マジで目と鼻の先まで来てるでしょ。準備前に死ぬかもね。

 いやそこはいいのよ。よくないけどいいのよ。敵がこんなトンチキ急襲をかましてくるのは予想外だけど、領主としてはそれすら予想して対策しないとダメだった。それで死ぬなら、わたしの無能さを素直に認めて死んでやるわ。

 けどそんなことはいいとして――、



『レイテ様ッ、ブン殴るの頑張ってくださァァァーーい!』


「(うおおおおおおおおんッ!?)」



 ――わたしッ、ついノリと勢いで、敵大将を直接殴るって宣言しちゃったわァーーッ!

 どうせ戦えないから、街に引きこもって指示出しだけする予定だったのに!

 わたしッ、なんか最前線に出ることになっちゃったよぉおおおーーーーー!?



「うひぃぃぃぃ……いざとなったら、領民を守備表示にして(ライフ)守る計画が……」



 そんなわたしの呟きは、領民どもの『レイテ様さすがぁああああッ!』という大歓声に掻き消された。さっき石ぶつかって失神したヤツも復活し、「この傷こそレイテ様に与えられた聖印です!」とか言ってタンコブ自慢してる。嫌味かっ。



「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎっ。民衆ども、アンタらの魂胆はわかるんだからぁ……!」



 わたしがうっかり言っちゃったのをわかってて、敵の前に出して謀殺する気でしょコノヤロー!

 クソがァーッ。こいつらやっぱりわたしのこと嫌いすぎるでしょッ!

 うぇぇぇえん……。



「――レイテ嬢」



 と、わたしが顔面だけ凛としながら、内心で泣いていた時だ。

 ぱかぱかと石畳を蹄が打つ音と共に、ヴァイスくん(on国王号)がやってきた。



「フッ、見事な宣誓だったぞレイテ嬢。あのザクス・ロアに殴るなんて言った少女は、本当にキミだけだろう」


「うぐっ」



 いや、それは場の勢いというか――、



「ならばこそ、俺がキミを導こう」



 瞬間、ふわりと。馬上から手を伸ばしたヴァイスくんに引き上げられ、わたしは一瞬の内に、彼の背後に座らされていた。



「わわわっ、ヴァイスくん!?」


「どのみち俺はザクスと決着をつける。その時に殴ってやればいい」



 ――先方も、それを望んでいることだしな、と。そう言ってヴァイスくんはオーブライト領のほうを睨んだ。



「そうね……本当に厄介な奴がいたものね」



 消える間際、ザクスはわざわざ宣言した。

 

 ――丘を越えた向こう。

 ――俺は、オーブライトの屋敷で待っている。

 ――俺を討ちたくば、死の河を超え、五匹の大狼を下し、血の道を造りながらやってこい。

 

 ……そう言われたら行くしかないでしょ。

 極悪令嬢の辞書に、〝敵の誘いを断る〟なんて腑抜けた文章はないもの。



「さて、そうなると道中だけど……」



 死んでも死なない死兵軍団はどうするか。

 ヴァイスくんがフルパワーで戦えば何とかなりそうだけど、彼は元々ザクス・ロアに負けたことがある。わずかでも消耗させたらその時の二の舞だ。

 また他の異能持ち(ギフトユーザー)たちを死兵対処に当たらせたとて、ヴァイスくんほどの殲滅力は期待できない。そして彼らもまた消耗が酷くなれば、『五大狼』の連中に打ち破られてしまうだろう。



「ぅぅ……死兵の要となる『おぞましきエルザフラン』は、決して前には出てこないでしょうし、そもそも不死らしいし……じゃあ死兵はどうすれば……」



 少ない時間の中、必死に頭を回していた、その時。



「――レイテくぅ~ん。領地経営以外の頭脳労働は、私のお仕事じゃないか~い?」



 そんな、おちゃらけた声が聞こえてきた。



「……ドクター」


「ウン、私だよー。よくワカッタネー」



 ……そりゃわかるわよ、バカ。

 熱くひりついた雰囲気の中、こんな空気読めてないふざけ調子で話せるのは、アナタだけだもの。



「私が民衆を指揮しよう。ついでに『五大狼』の一匹くらい、ちょっと討ち取ってこようカナーと」


「ちょ、でもっ」


「死兵の件を悩んでたんだろう?」



 っ、完全に見抜かれている。



「フフ……安心したまえよ、お嬢さん」



 ――彼は優雅に礼を執った。

 ふざけた空気感が一瞬で消え、上級貴族もかくやという洗練さと静謐さを滲ませながら、わたしに微笑み、宣言する。



「どうか信じてくれたまえ。キミが拾った男の技術力を。そして、『力なき民衆の力』というモノをねぇ?」



 彼の背後には、戦意に満ちた領民たちが立ち並んでいた。



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