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◤書籍化&コミカライズ配信中!(検索!) ◢極悪令嬢の勘違い救国記 ~奴隷買ったら『氷の王子様』だった……~  作者: 馬路まんじ@サイン受付中~~~~
第三部:『地獄狼』決戦扁

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85/133

85 幕間




「ひぃ~怖い怖い。『地獄狼』連中はアタマ沸いてるからなぁ。ヘタに居合わせて殺されるのは勘弁だよ、ねぇ兄さん?」


「おまえがそう思うならそうなんだろうな、弟よ」


 

 オーブライト領の郊外。そこには寂れた街を見眇める、異様な二人組がいた。

 


「あんな連中に目を付けられるなんて、レイテ・ハンガリアはバッドエンド確定だね」



 一人は美しい少年であった。白絹の民族衣を纏った、妖精のような美少年だ。



「そうか。おまえがそう言うなら、そうなるんだろうな」



 一人は麗しい青年であった。黒絹の民族衣を纏い、人形のような眼で少年を見ていた。


 さながら眉目秀麗の兄弟といったところか。両者の顔から下を見ただけなら、誰もが二人を絶賛するだろうが――しかし。



「あ~あ。せっかくこの街を、魔物の苗床にしようと思ってたのに」



 二人の頭部からは――それぞれ一本、側頭部に『魔物の角』が生えていた。


 彼らの名はハクヨウとコクヨウ。


 人の身にして人類ならざる存在であり、ハンガリア領とは――レイテ・ハンガリアは知らないが――因縁浅からぬ関係にある二人だった。



「ここの土はいい。領民は雑魚ばっかりだったからねぇ。スライムの栄養にして分裂させて、もう一度(・・・・)ハンガリア領を襲ってやろうと思ってたのにな~」



 そう。先日起きた『魔獣大襲撃事件』。この大陸にはいないはずの暗黒破壊龍ジェノサイド・ドラゴンまでもがハンガリア領を攻めた一件には、彼らこそが絡んでいたのだ。



「雑多な魔物でも、ボクらが少し感情を弄れば、殲滅兵器に成り果てる。ボクらにはその力がある」


「ああ。ハクヨウがそう言うなら、そうなのだろうな」



 ――そうして滅びてきた小国は数知れず。

 このストレイン王国もまた、最大の要害であるハンガリア辺境領を始めとし、数日前に滅びる予定……だったのだが。



「……はぁ~。まさか、数千を超える魔物や竜種すらも、一切合切やっつけちゃうような王子様がいるなんてねぇ」

 


 ガックリと肩を落とすハクヨウ。

 二人の計画は、トンチキな王子により見事に打ち破られてしまった。

 そして要害は王子だけではない。他にも一線級の異能力者が領地には集結しており、兵士もまた恐れることなく魔物の軍勢に立ち向かい、滅ぼしてしまったのだ。

 恐ろしい。あの領地に集う戦士たちと――なによりもソレを集めた辺境の姫、レイテ・ハンガリアが恐ろしすぎる。



「そして……『地獄狼』の親分、ザクス・ロアもね。あの戦争狂いの獲物を取るのは、怖すぎる」



 ゆえにハクヨウは撤退を判断した。

 おそらく明日にも、この付近の土地はハンガリア領と傭兵結社の戦争で、滅茶苦茶になるだろう。

 横やりを入れるのも手だが、下手をすれば間に挟まれて擦り潰されかねない。


「いこうか、コクヨウ兄さん。コンティニューもあえなく失敗。しばらく裏手に回るとしよう」


「そうか、おまえがそう言うのなら付いていこう」



 街を去りゆく異人たち。

 されど、諦めたわけではない。



「見ていろよ、レイテ・ハンガリア。いつかおまえを人間らしく泣かせてやるよ」



 ――魔少年は惨酷に笑う。

 かの少女が死に、かの王子が死に、そして人々が一切合切死に絶える最悪の未来を夢想して、笑う。笑う。


 なぜならそれこそ至上命題。

 悪神――『闇の神アラム』の血を引く者たちの、使命であり本能であるのだから。



「けどレイテ、ボクらと遊ぶ前に」



 最後にハクヨウは、呪いのように言い残す。



「ボクらの従弟(いとこ)に、殺されちゃうかもねぇ?」

 



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― 新着の感想 ―
従姉妹くん多分もう光堕ちしてる
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