69:もどかしい男たち
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「じゃ、せいぜい頑張ることね~! おーーほっほっほー」
――高笑い響かせ去っていくレイテ・ハンガリア。
その小さな背を見送りながら、少年たちは「まったく」と同時に漏らした。
「俺たちが頑張っていられるのは」
「我らより、もっと頑張っている主君がいるからでござるよ」
苦笑するケーネリッヒとセツナ。犬猿の仲の二人だが、こればかりは同意見であった。
「レイテめ。日々書類仕事や魔晶石集めに忙しい癖に、暇が出来たらああして市井を見回る始末だ。もう少し休んで欲しいのだがな」
「聖人君主の鑑でござるが、少々わーかーほりっくでござるな。姫は昔からあんなに元気で気丈なのでござるか?」
「いや……。領主になる前は、チビで泣き虫でビビリだったんだがな」
その言葉にセツナは「マジでござるか?」と目を丸くした。彼にとってレイテは、例の襲撃事件にて顔を合わせた日から、強引な手段を使ってでも領民を幸せにせんとする女傑であったからだ。
かく言うセツナも幸せにされた者の一人。先日、商人のタゴサクを通す形で、アキツ和国より十億ゴールドを賠償金に『一族死罪撤回』の沙汰を知らされた。
ただし幕府も無罪放免にするわけにはいかず、一族まとめて国外追放となったわけだが。それでもセツナは幸福だった。レイテのおかげで、また家族と生きて再会できるのだから。
「あのレイテ姫が小心者とは。拙者の家族のことも、相談から一秒で『ウチにこさせなさい』と言い切る豪胆さなのに」
「本当にな」
去りゆく幼馴染をケーネリッヒは見つめる。
「レイテのやつ、無理してないといいんだが……」
遠い記憶の中の弱々しいレイテの姿。それを思い返しながら、遠ざかり、さらに小さくなりゆく彼女の背を眺め、呟いた。
「強くなってやる。そして、あいつをもう一度泣き虫にしてやるさ」
◆ ◇ ◆
「おっ、ととととっ!?」
不意の出来事だった。足がもつれ、わたしはバランスを崩してしまった!
「わっ――!」
そして転びそうになった、その時。
「レイテ嬢」
「あっ……」
力強い腕と熱い胸板が受け止めてくれた。こんなに安心感のある身体の持ち主といえば、
「ヴァイスくん」
「ああ、キミのヴァイスくんだ」
わたし自慢の最強王子様だった。
「怪我はないか?」
「うん、大丈夫よ。それにしてもアナタってばいつの間に側に?」
ちょっとボーッとはしてたけど、ヴァイスくんなら側に来ればすぐわかるのに。こう、オーラとか匂い的なあれで? いつからそうなったかはわかんないけど。
「隠密術でも身に着けたわけ?」
「いや、百メートルほど離れたところにいたぞ」
えッ!?
「だが、転びそうになるキミが見えてな。そしたら咄嗟に異能が発動して、抱きとめていた」
「ちょちょちょちょちょちょっ!?」
ひゃ、百メートルの距離を人が転びそうになるの見てから一瞬で詰めたの!?
「ど、どんだけの身体強化倍率だったのよ……」
「さて。もう解けてしまったが、十二倍くらいだったか」
ふぁ!?
「アナタ、前に大鬼倒した時は五倍そこらじゃなかったっけ? なんで日常でそんな強くなってるのよ……」
ヴァイスくんの異能『天楼雪極』。その詳細は、激情の度合いに応じた身体強化だったはず。
「なんかムカつくことでもあったわけ? こう、建設現場で悪口言われたとか。わたし怒鳴り込みに行くわよ?」
「いや大丈夫だ。現場ではむしろ、毎日拝まれてお供え物をされている」
出た神扱いッッッ!
「そ、そう。愛されてるならよかったわ。でもじゃあなんで『天楼雪極』がそんなに……」
「さてな。ただ」
ヴァイスくんは昔を懐かしむような眼をして、
「――ベルグシュライン師匠が言っていた。〝私とお前の異能は、似ているようで大きく違う。お前なら私を超えられる〟と」
「師匠って……ああ」
ムキムキソニアくんが話してくれたわね。老人なのにヴァイスくん並に強い、異能剣術のお師匠さんがいるって。
「師匠の能力は、憎悪や怒りだけを力に変えるものらしい。だが」
彼は自身の手を見つめ、そこから放射光をわずかに漏らした。蒼白の光が雪のように舞う。
「俺の能力は、『激情』を力に変えるものだ。つまりは憎しみだけでなく――」
と、彼がわたしを見つめながら、何かを言おうとした時だ。すんっと、かぐわしい香りが立ち込めてきた。
これは……!
「カレーねっ! それにしてもなんていい匂いなのっ!?」
「……」
「こんなに素晴らしいカレーの匂い嗅いだことないわ……! ちょっとそこの領民、これはなんなの? えっ、『シャキールくんたち公国民が、本場カレーの出店を始めた』!? なーんですってー!?」
「…………」
砂漠の国ラグタイムといえば、香辛料の名産地でありカレー発祥の地だものねっ。
これは味わいに行くしかないわ!
「ヴァイスくん、えぇとなんだったかしら?」
「いや、別に」
「そう!? それなら本場カレーを食べにゴーゴーよっ! ついてきなさぁ~い!」
人だかりのほうに向かうわたし。公国従者のアクガキが「押すな貴様らっ! ちゃんと並べ!」とわめいている当たり、すでに多くの行列が出来てるみたい!
「レイテ様にも食べさせなさぁい!」
マイスプーンを取り出して向かうわたしに、最後にヴァイスくんが呟いた。
「伝えるのは、またの機会にしておこう」
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