66:天楼雪獄
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「〝ストレイン流異能剣術〟奥義――『抜刀・斬煌一閃』!」
真昼の王城にて、大爆発が巻き起こる。
「まだだ! 〝ストレイン流異能剣術〟奥義――『滅尽・斬煌亂閃』ッ!」
重ねて響く十五連爆発。王の間が、客間が、会議室が、客室が、轟音を上げて吹き飛んだ。
半壊する外壁。飛礫と粉塵と巻き込まれた傭兵らの肉片が飛び散る中、老騎士ベルグシュラインは舞い散る瓦礫を踏み、天駆ける。まさに獲物を狙う白鷲の如く。
「我が王国を荒らした狗めッ!」
狙うは怨敵。その首のみ。
「これくらいで死ぬ器ではなかろうッ!? ザクス・ロアーッ!」
「――当たり前だァァアアアアーーーッ!」
瞬間、獄色の爆焔が噴き荒れた。視界舞う粉塵が唸りを上げて爆散を果たす。
「元気な爺さんだ! 若者として負けられねェなァッ」
地獄と化す中、傷一つなく立つ総帥ザクス・ロア。強き敵を前に、飢えた餓狼は駆動する。
「次はッ、俺様からいくぜェェエッ!?」
後背部より噴き上がる『放射焔』。ザクスは天へと抉るように駆け、中空より斬りかからんとするベルグシュラインを迎え撃つ。
「〝偽法・ストレイン流異能剣術〟奥義――『曝爪・斬魔轟』ッ!」
「ヌゥッ!?」
刹那、放たれたのは爆光剣技。
アリスフィア放射光の水に近しい性質を利用し、内部にて超加速抜刀を行うことで水中内爆縮を発生させる絶技であり――すなわち、
「それはッ、『抜刀・斬煌一閃』だと!?」
驚愕の叫びと共にベルグシュラインは吹き飛ばされる。そのまま弾かれるように城内のあちこちにぶつかり、突き抜けた大広間の壁に激突したことで、ようやく止まった。
「ぐぅ……ぬかったわ……!」
「――ハハハハッ。そのくせきっちり防いでるじゃねェか、爺さん!」
休む暇など一切ない。背にした獄炎の天輪より火を噴き、弾丸の如くザクス・ロアが迫る。
「引退の時間だジジイッ!」
「抜かせ小僧がァッ!」
そして再び起こる大爆発。ザクスの放った『斬魔轟』。対して老騎士は『斬煌一閃』を放つことで、二重起きた爆風が王城をさらに崩壊させる。
「――ひぃいいいいいいいッ!」
玉座の陰で喚く青年王。そんな彼の存在を一切忘れ、異能剣士らは大広間にて幾度と斬り合う。
瞬間十閃。頭蓋頸動脈心臓肝臓を容赦なく斬滅せんとする必滅剣技のぶつかり合い。老騎士は身体強化能力を骨子に、餓狼は炎の噴射を外皮に、超音速の斬舞を演じる。
「チィイイイイッ! ザクス貴様ッ! 先ほど放った技は何だぁ!?」
大剣の轟撃を長剣の腹で滑らせ弾き、反撃しながら老騎士は問う。
「アレはストレイン流の技だッ! なぜ貴様が使える!? 王家の血縁者にのみ伝わる奥義だぞ!」
「ハッ、馬鹿言えや老骨がッ!」
斬首を狙ったベルグシュラインの一撃。不可も防御も完全に不可。大剣を振り上げることも叶わぬ一瞬で、しかし餓狼は戸惑わない。迫る刃に裏拳を放つや、鋼が肉裂くまでの刹那に爆炎を噴いて弾き飛ばす。
「チィッ!?」
「よく聞けジジイ! 殺しの技を使うのに、貴賎なんざねェんだよッ!」
叩き付けられる大剣。咄嗟に防ぐ長剣。睨み合う二人。ゼロ距離の視殺戦の中、ザクスは明かす。
「かつてテメェから見て盗んて真似たッ、それだけだァッ!」
「なにィッ!?」
戸惑うベルグシュライン。だがおかしな話ではない。〝ストレイン流異能剣術〟は栄えある王家の伝統技法であれど、あくまで剣技である。
剣術試合で。討伐任務で。それこそ『弟子』との訓練で。ベルグシュラインは幾度となく振るってきた。
ならばそのどこかで、飢えた餓狼に窃視されても不思議ではなかった。
「あァ、ゆえにこう呼んでやろうか?」
床踏み割れるほどの力で鍔迫り合いながら、ザクスはニィッと笑い、
「アンタのことを、お師匠様ってなァ!」
「黙れェーーーッ!」
瞬間、老騎士の怒りが限界を超える。
「私をそう呼んでいいのはッ、愚かで可愛い『第一王子』だけだァーーーッ!」
「ッ!?」
超常の薙ぎが放たれ、ザクス・ロアが吹き飛ばされる。
先ほどとは逆だ。崩れた瓦礫に勢いよく激突し、粉塵舞い上げながら「カハッ……!?」と呻く。
「ッてて……老人の力じゃねェぞオイ……。そんなに弟子が可愛いかよ」
「ああ。そして貴様が呪わしい」
長剣を手に立つ老騎士ベルグシュライン。その細い体躯からは、目を焼くような白き光が溢れていた。
「異能臨界発動、『天楼雪獄』。それが、貴様を殺す刃の名だ」
ベルグシュラインの異能――『天楼雪獄』。その系統は身体強化系能力に属し、より正確には――、
「敵への『激昂』、『憎悪』滾るほど我が身強化する、悪を許さぬ呪いの異能よ」
ゆえに、今の老騎士は最強だった。
革命を成されし怒り。
王城を穢されし恨み。
そして、
「貴様のような殺人鬼が、唯一の弟子の座を侵すな……!」
脳裏に浮かぶ青年の顔。
不器用で、不愛想で、天然で、そして誰より誠実で勇ましい愛弟子――ヴァイス・ストレイン。彼への熱い信愛を胸に、赫怒の老騎士はいざ駆ける。
「絶滅するがいい『地獄狼』ッ! この城を、我が未来の主君へと明け渡すために――!」
身体強化倍率・最大値『十二倍』到達。それによって急上昇した血圧が血管を破り、老いた筋繊維が強化に耐えれず千切れるものの、知ったことかと老騎士は進む。
――元より革命の夜の致命傷に弱り、長くはない身と化していたのだから――。
「うぉおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーッッッ!」
ゆえに進む。ゆえに叫ぶ。白光吹雪かせ、死地へと踏み込む。
全ては国を救うために。きっとどこかで生きてると信じる、ヴァイスを王へと導くために。
命を燃やして、ベルグシュラインは悪を斬る。
「ザクス・ロアッ、覚悟ォオオオーーー!」
そして迎えた決着の時。瓦礫を背に立つ餓狼へと、光り輝く長剣を振り下ろさんとした――その刹那。
「……まぶしいねぇ……」
ザクスの放った、静かな呟き。たった一言。されど次の瞬間に、
「異能、臨界発動」
――解放『緋葬無慚焱、波旬ノ劫』――
冥府魔導の邪焔が唸り……総ての未来が、燃え堕ちた。
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