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第四部:学園の聖女扁

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125/133

125:証明失敗

誤字めちゃしちゃう・・・!(´;ω;`)

報告修正ほんまありがとうございます!

誤字しなくなる方法ありますかね・・・

「ジャ、ジャック……おまえ……」



 目を見開くハイネ。絶望に染まっていたこの子の瞳には、今、カザネの前に立ちはだかるジャックくんの姿が映っていた。



「貴様……こいつが殺人犯ではない、だと……?」


「っ……は、はい……!」



 軍務科トップであり、容赦がまるで一切ない男・カザネ。そんな彼を前に、ジャックくんが食い下がる。



「なにか証拠でもあるのか?」


「あ、ありません。でも逆に、ハイネくんが殺したっていう証拠もないでしょう……!?」


「む……ッ」



 それはたしかにそうね。

 今回起きた密室殺人。ハイネはそれが可能となる異能と、被害者のセルケト先輩を恨むような動機と、短絡的にやりそうな人格評価を持っている。

 が、しかし。どれも客観的な考察材料にしか過ぎない。物的証拠は一つもなかった。



「だからカザネ先輩、せめて『殺人犯』と呼ぶのはやめてあげませんか……!? 彼はまだ容疑者であって、決めてかかるのはよくないですよ……!」


「……ちっ。予想外に口の上手いやつ。やはり貴様、虐げられていた態度は演技だったか?」


「いやいやっ、そんなことはっ」



 カザネは酷く不機嫌そうだ。だけど下手な反論はしない。ジャックくんの言葉に筋が通っているからだろう。

 彼は舌打ちをしつつ、わたしのほうを睨んできた。



「なによ」


「ふん、師匠が師匠なら弟子も気に入らんと思っただけよ。揃いも揃ってこのカザネに食って掛かりおって」



 文句を言いながらハイネに繋がる縄を引く。けど、先ほどの強引なものとは違い、少しだけ力加減が丁寧になっていた。

 ジャックくんの意見に冷静さを取り戻したからだろう。それでも不満げだけど。



「師匠たる貴様のこざかしさを真似したんだろう。ああ、貴様に比べたら、拙者の師は寡黙で、背中で語る武人然とした人で――――いや、()()の話はともかく」

 

「?」



 不意にしだした師匠自慢を、しかしカザネは咳払いをして自分で打ち切った。なんなのよ。



「ともかく、ハイネ・フィガロを殺人容疑者とすることは絶対だ。拘束もする。本国への通報もさせてもらう。よいな?」


「……ええ、かまわないわ。流石に仕方がないでしょう」



 新政権でいきなり大臣の身内が殺人容疑か。新国王様(ヴァイスくん)は大変になるわね。

 もしも本当にハイネがやってたなら、どうしようもなく致命的で――ああ。



「なるほど、そういうことね……」


「む? なんだか知らんが、連れていくぞ」



 わたしが全てを察した時だ。まるで答え合わせでもするように、「カザネ様っ」と呼ぶ声と駆けてくる者たちが。

 彼らは一様に『風紀』と描かれた腕章をつけていた。 カザネを前に、彼らは恭しく敬礼する。



「この子たちは?」


「風紀警備隊の部下たちだ。それでどうした、報告せよナナシ副隊長」



 カザネの呼びかけに、ナナシと呼ばれた長身三白眼の男が「は!」と応え、先頭に出る。



「レイテ様とのご歓談中、失礼します!」


「いや別に(よろこ)んでないが」


「容疑者ハイネの部屋から、こちらが!」


「聞くでござる!」



 カザネを無視し、彼は袋に包まれたナニカを突き出してきた。

 ああ……それは。



「包丁、でござるか……?」


「はっ。表面上はよく洗われていたようですが、しかし」



 ナナシが包丁の付け根を指差す。

 柄に包まれたそこにはじんわりと……ごく少量の血液が滲んでいた。それを見て、カザネが麗しい目を見開きながら「なるほど……」と呟いた。



中子(なかご)と柄の隙間か。安い刃物では、刃に伝った血がそこに入ってしまうのはよくあることよ。くくっ……」



 瞼を瞑って笑うカザネ。次に開かれたときには、彼の視線は絶対零度に墜ちていた。



「ふざけおって」



 ぎしィッ、と強く縄が引かれた。ハイネが「うぅ!?」と呻くが、もはやカザネは斟酌しない。彼は容疑者に無言で平手打ちを喰らわせると、ジャックくんのほうを強く睨んだ。



「おい小僧。たしか、証拠がないとか喚いてきたな?」


「そ、それはっ……」


「かくして証拠は挙がった。しかも工作の跡までな」



 カザネは縄を引きながらジャックくんに近寄ると、鼻先が触れ合う距離まで顔を寄せ、一言。



「まだ、『殺人犯』を連れていくことに文句があるか?」



 ――そう恫喝する彼を前に、ジャックくんは何も言い返せないのだった。




書籍版最新3巻が4月に発売されました。“覚醒レイテちゃん”の表紙が目印です。

今回も各種店舗特典があります。よろしくお願いいたします。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


えのきのえ様によるコミカライズ第1巻が発売&配信されております。

発売日は5月です。よろしくお願いいたします。


↓以下ご評価もお待ちしてます。

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― 新着の感想 ―
ふうむ、犯人はどうやって密室を作ったんだろう?( ˘ω˘ )
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