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◤書籍化&コミカライズ配信中!(検索!) ◢極悪令嬢の勘違い救国記 ~奴隷買ったら『氷の王子様』だった……~  作者: 馬路まんじ@サイン受付中~~~~
第四部:学園の聖女扁

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113/133

113:『アリスフィア統合生徒会』


 がががが、学園寮の自室のシャワールームにて~~~~~休日の朝ァ~~~~~!



「クソがぁああああああああーーーーーーーーッッッ! なにしても聖女扱いされるんですけどぉおおおーーーッ!?」



 編入より数日ぅッ! わたしの『聖女扱い払拭計画』は失敗続きよチキショウッ!



「ちょっとエリィッ、どうなってるわけ!?」


「えっ」



 あわあわのお風呂に浸かったわたしは、一緒に入ってわたしを膝の上に乗せつつ、後ろで髪を洗ってくれている手下メイドに聞いてみた。こいつの身体ふかふかね。



「エ~~~リィ~~~!」


「……とりあえずお嬢、目が大きいんだから騒いでると泡が入りますよ?」


「知るかぁッ! ってぎゃあああああ目がいたぁいッ!? エリィ流して~~~~!」


「言わんこっちゃない……」



 ふぅー、ふぅー……! わたし、ブチキレ寸前レイテ様よ。いまシャワーかけられてるの……!



「うぅ、エリィ~……相談にのりなさぁい……!」


「はいはい、乗りますとも。……今の主人は、アンタですからね」



 よぉし。大人なレイテ様はこんなときこそ冷静に話せるレディなのよ。



「たとえばこの前、クラスメイトの食事を奪ってやった件だけど~……!」


「ああ、金銭格差と偏食を失くすための学内規則に『休日以外は学園の給食以外は食べてはならず、また必ず完食しなければならない』ってのがあって、嫌いなものがいつまでも食べれずにいた子を助ける結果になった件ですよね?」


「よ、弱ってる女子に水ぶっかけてさらに追い込んでやった件だけどッ!」


「トイレが間に合わずに漏らしてへたり込んで途方に暮れていた子に水かけて、誤魔化してあげたことになった件ですよね?」


「く、く、クラスメイトにもらった手紙を読まずにビリビリにしてやった件だけど~~!」


「授業中に回されてきたあるクラスメイトの悪口が書かれたメモを破り捨ててやった件ですよね?」


「うわあああああああああん!」



 そうよバァァァカッ! 結果的にわたし、さらに聖女扱いになってるんですけどぉ~~~!?



「わたしどうすればよかったのよ!?」


「うーん、致命的にめぐり合わせが悪いというか。てかお嬢わざとやってません?」


「やってなぁい!」



 くっそ~。極悪令嬢たるわたしも運だけには勝てないわ……ッ!



「ザクスさんなら給食全部に睡眠薬仕込んで眠った貴族のガキども拉致って、女は脅して奴隷にして、いじめる奴もいじめられる奴も平等に虐待してゲラゲラ笑いそうなんですけどね~」


「そんなことしたら学園壊れて卒業資格もらえなくなるじゃないっ」


「そういうところが真面目なんですよ。ぶっちゃけお嬢、悪党の才能がないんじゃないです?」


「んなわけないないないないなぁいッ!」



 ま~ったくっ。人を見る目がないゾンビねぇっ。



「どう見ても悪女でしょわたし! むんっ!」


「か、かわいい……!」


「かわいくないッ!」



 と、反省会をしつつお風呂を上がったわたしたち(※ちなみにエリィは毛梳きや身体洗ってくれてるのめちゃ上手)。

 着付けしてもらって居間に戻ると、わたしの弟子ことジャックくんがソファで待っていた。



「待たせたわねジャックくん」


「ふわっ!? ど、どどどどどどうもレイテ様にメイドさん!」


「むん?」



 なんかジャックくん、ビクビクのガチガチね。どうしたんだろ?



「……あ! もしかして、極悪レイテ様の極悪ルームに呼び出されたことにビビッてる~!? あははっ!」


「いっ、いや、えとっ」



 なにやらわたわたとするジャックくん。そんな彼を見て、メイドのエリィが「なるほど」と頷いた。

 なによ?



「お嬢、こいつ女子の部屋に入るの初めてなんですよ。そんで風呂上がりの女子の匂いで発情してます」


「って発情まではしてませんよッ!?」



 普通に緊張してるだけですよッ、と喚くジャックくん。なんだそんなことか。



「わたしのことは女子扱いしなくていいわよ。もはやわたしは悪意に塗れすぎて人間を超えたバケモノになりつつあるから」


「そんな気配みじんも感じないんですけど……」


「そんでエリィは男だから」


「だからそれどういうことなんですッ!?」



 説明はだるいからまた今度よ。それよりも、



「で、ジャックくん。『地獄狼』の残党っぽいやつは見つかったかしら?」


「うっ……」



 問いかけると、彼は気まずそうに首を横に振った。



「すみません……悪そうなヤツはいないか探し回ってるんですが、僕が近づくとみんな離れていっちゃって……」


「あははっ。アンタが一番悪そうだもんね!」


「余計なお世話ですよっ!」



 ジャックくんが立ち上がると、舞い上がった前髪から鋭い眼差しが覗いた。

 彼が前髪を長めにしている理由はこれだ。親が『切り裂きブルーノ』なことに加え、本人もおぼっこいわりに目つき悪いんだから、ウケる~。



「ううううっ、おかげで僕、『聖女に飼われることになったストレスで、ガンつけて練り歩いてる』って噂されるようになっちゃって……!」


「きゃはーっ! アンタはどうあがいても悪に堕ちる運命なのよ~!」


「むッ!? そ、そんなこと言ったらレイテ様だって聖女扱いされる運命なんですよッ!」


「ってハァーーーッ!? 言ったわねアンタッ!」



 きえええええええ~~~! わたしトランスフォームッ、ビーストモードにチェンジッ!(両手突き出してわきわきさせる)

 おらっ、取っ組み合いするわよこのヤロー!



「わたしはわたしがイジるのはいいけどわたしがイジられると機嫌悪くなるタイプのわたしよッ!」


「性格わるッ!? なんでこんな人が聖女扱いで僕が悪党扱いなんだぁ!」


「しるか~~!」



 ――かくして悪VS悪の戦いが始まろうとしていた時だ。不意にとんとんっと、軽くドアが叩かれた。



「あら、誰かしら。今から異能(ギフト)『女王の照魔鏡』を全力解放して、ジャックくんという〝存在〟の脆弱点を突き崩そうとしたときに」


「ってコッワッ!? そんなことする気だったんですかレイテ様!?」


「エリィ~~でてあげて~~」



 わたしはジャックくんを躾けなきゃだから手下に向かわせる。

 そして彼が「はいはい」と答えつつ、扉を開けると。



「ッ――」



 そこには見知らぬ、年上っぽい男子生徒がいた。

 少年というよりもう青年というべきか。おそらくは五年生や六年生クラスの先輩だ。

 柔和そうな表情をしたその生徒は、エリィを見て少しだけ固まっていた。その様子にエリィも首を捻っている。



「? お嬢……いえ、レイテお嬢様になにかご用でしょうか?」


「えっ……あぁすみませんっ。その、アナタがとてもお綺麗でしたから、つい見惚れてしまって」



 流石はハンガリア家の侍女さんですね――と、優しく微笑む男子生徒。ってなによこの人。



「ちょっとアナタ。いきなりウチのメイドをナンパしないでくれる?」


「おお、これはレイテ・ハンガリア様……!」



 わたしが前に出ると、男子生徒は恭しく片膝をついて礼を執った。



「失礼しました。私は『アリスフィア統合生徒会』の庶務担当、ハロルド・シンプソンと申します」


「……アリスフィア統合生徒会?」



 首を傾げるわたしに、ジャックくんが横から「この学園でもっとも権力ある組織ですよっ! 超~成績優秀な者しか入れないというっ」と耳打ちしてきた。へえ。超~えらいんだ。

 ハロルドなる先輩もこくりと頷き、言葉を続ける。



「ふふ……アリスフィア学園は様々な規律で生徒たちを縛ると同時に、自主性もまた促してますからね。偉ぶるわけではありませんが、われら統合生徒会は、学園運営予算や先生がたの人事権まで任される立場にあります」



 まぁ、最終的な決定権は学園長に委ねられますが、と。最後に控えめに付け足すハロルド先輩。謙遜を心掛けているようね。



「ふぅん。でも学園長を国王とするなら、その生徒会メンバーは大臣にあたる立場なんでしょ? 十分にすごいわ」


「恐れ入ります」



 流石は貴族の学園ねぇ。通う生徒たちの中には、いつか本当に大臣になる者もいるはず。

 そのときのために予行演習させているわけね。



「で、そんな統合生徒会のメンバー様が何のご用なわけ?」


「はは、メンバーといっても私は所詮庶務ですがね。……実は『救国の聖女』と名高きレイテ様のことは、編入の決まった日から会長がたが気にかけておりまして」



 ……聖女扱いはやめてほしいんだけど。



「それで休日のこのたび、皆様がレイテ様とお顔合わせをしたいとのことで、はせ参じた次第でございます」


「あっそ」



 ぶっちゃけわたしは興味ないからパスだわぁ――と答えようとしたところで、ジャックくんがひそひそと「レイテ様、これはチャンスでは……?」と言ってきた。どうしたのよ?



「……いるかもしれない『地獄狼』の残党……レイテ様のお考えでは、そいつは今は爪を磨いでいるはず、なんですよね……?」


「そうだけど」


「『アリスフィア統合生徒会』……そこに入れた者は、卒業後も国から一目置かれる存在となります。もしも残党が、学生の内に権力の拡大を考えているなら……」


「……なるほど。生徒会メンバーに加わっている可能性が高い、ってことね」



 へええ。そうなると話は変わってくるじゃない。



「いいわよ、ハロルド先輩。その生徒会連中に会ってあげるわぁ」


「おおっ、それはありがたい! きっと会長がたも喜ぶはずですっ」



 ふん。別にアンタたちを喜ばせるために会いに行くんじゃないわぁ。


 ――真なる極悪キャラのレイテ様が、隠れ潜んだ小悪党を潰しに行ってやるのよぉ~~!





書籍版最新3巻が4月に発売されました。“覚醒レイテちゃん”の表紙が目印です。

今回も各種店舗特典があります。よろしくお願いいたします。電子版ではエリィとエビ釣ります。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


えのきのえ様によるコミカライズ第1巻が発売&配信されております。

発売日は5月です。よろしくお願いいたします。


↓以下ご評価もお待ちしてます。

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― 新着の感想 ―
エリィは死体だけど元男だぞ!!?男と一緒に風呂入って後ろから抱きしめられるのはアリなん!? あ!!!!╰⋃╯ついてないし、男性機能無いからか!! 宦官みたいなもんか!!
> あわあわのお風呂に浸かったわたしは、一緒に入ってわたしを膝の上に乗せつつ、後ろで髪を洗ってくれている手下メイドに聞いてみた。 >「そんでエリィは男だから」 え゛、レイテ様、シャワールームで男性…
男だと分かってるのにお風呂で体洗わせてるの? バレたら国王が襲撃に来ない?
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