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22 婚約破棄、そして、申し込みの殺到〜皆さん、私は悪役令嬢です!

 惚れ薬の販売規制と摘発によって、予想通りヴィンセント子爵家は子爵位を失い、ヴィンセント領は一度陛下が治める土地に戻りました。


 そして、ミスト侯爵家は取引をしていたことを正式にグレアム様が内部告発し、自らも罰を受ける覚悟で全てを陛下の前でお話しされたそう。


 この辺はバズ殿下が口を利いてくれていたので、侍従長の任を解かれてミスト侯爵家は存続、グレアム様が叙勲されるかどうかについては……まぁ、卒業後にどういう道に進むか次第という事になったようで。


 グレアム様が真っ白というわけでは無いのですが(結局私に惚れ薬は使い続けてましたし)、今回の内部告発で貴族の子息としてはかなりの勇気ある行動としては認められています。


 なんせ、告発時点ではその家に帰って彼は暮らさなければならないので。


 ただ、扱っていたものが薬の類だったことから、命の危険があるかもしれないと王宮にて離宮を与えられて保護されたそうで。


 ミスト侯爵家は事業を行なっていましたが、それもだいぶ斜陽の傾向に。ただ、グレアム様にはやはり商才があったようで、それらの事業を引き継ぎ学生ながら事業経営をしていくみたいです。


 当然、あちら有責で私は婚約破棄をしました。グレアム様はいいけど、やっぱりミスト侯爵家に嫁ぐのは無理です。考えてみたら蕁麻疹も出ました。痒かった。


「って感じにまとまりました。お祖母様、お祖父様は全て知ってらしたのかしら」


「さぁてねぇ。何があっても困らないように、とは思っていたみたいだよ。私もまだまだ、お祖父さんの域にはないからねぇ、1回目の時にあんたを止めてやれなかったし」


「ふふ、でも今回はとっても助かりました。——風が冷たくなってきましたね、帰りましょうか」


「そうだね。またくるよ、お祖父さん」


 祖母とお祖父様のお墓参りと報告を済ませて、私たちは家に帰りました。もちろん美味しいお菓子をお供えして。心の中で約束したので。


 帰ったら、お父様が血相を変えて私に話があると言ってきました。お祖母様は別棟に帰られたので、私一人で父の書斎に連行される。


「お前に、婚約の申し込みが相次いだ……学園卒業後の返事でいいそうだ。が、ラインナップが……何をした? ニア」


「なんとなく予想はつきましたが、私は悪いことは何もしてませんよ」


「分かってる。お前はどちらかといえば被害者だ。ミスト侯爵家があんな真似をしていたなんて……、いや、それはともかくだ」


 そこをともかくで流さないで欲しい。大事なところのはずだ。


 でもまぁ、予想通りの事が起きてしまった。私とアリアナ嬢……いや、アルメリアの運命というか、立ち位置が逆転していたのは、予想が付いていたから。


「バズ殿下にはじまり、近衛騎士団長の家系のガルム男爵子息、教皇のフェル様の御子息に宮廷魔術師団長の息子のドンソン伯爵の息子……、婚約破棄が成立していきなりこんな……、何があったというんだ」


 その説明は黙秘させてもらうことにして、さて、皆さん何か勘違いしていらっしゃるようだ。


 私はあくまで惚れ薬(劇薬)被害者の会(仮)を立ち上げて共存関係にあっただけ。


 私が本気で惚れたら自分が何をしでかすか知っているので、今は色恋沙汰からは距離を置きたい。あれが薬の副作用だとしても、私の中に確かにあった凶行の兆し。


 かといっていきなり皆さんに塩対応する訳にもいかない。


 私は微笑んで、どうしましょうか、と言いながら内心叫んでいた。


(皆さん! 私は悪役令嬢です!)

ありがとうございました!

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